6 ラン&ガン
体が軽い。
すっかり若返ったようだ。
斬り合っても負ける気がしない。
まずアマ王国で生き残った騎士達が21人居た。
この者達をテストし適正を見た。
足が速い者上位10人をアタッカー、その後の11人はディフェンダーと名付けた。
それをテンプル騎士団の3人と共に鍛える。
アタッカーは剣を抜いたまま軽装で駆け込み、左右に数回切付ける稽古をする。
なお本番ではなるべく位の高い者に切りかかるようにする。
「3度切りつけたら逃げる」を身体に染み込ませる。
刀は騎士の持つ十字剣はやめてもらい、50センチの薄刃の片手マチェットを作ってもらった。
左手には40センチほどの木製盾を持ってもらう。
ディフェンダーは長槍を持たせる。
テンプル騎士の3人だが一応正規の剣技を納めているので、1人はディフェンダーバックアップで2人はアタッカーの補助だ。不利な場所にすぐ乱入出来るようにチーム全体を見させる。剣は使い慣れた物を自分で選ばせた。
2ヶ月ほど経った頃、ここから数キロ行った村に帝国の一団向かっていると言う情報を得たので、実戦がてら挨拶に行く事にした。
向こうから持ってきた迷彩のBDUに着替える。
兵達も俺が持ち込んだ服を元に作られた、迷彩の服に着替え顔がわからないように迷彩のペイントをする。
剣には毒薬を塗る。額には鉢巻に鉄板を着けている。
村に着くとちょうど村人は集められて中央に縛られているところだった。
帝国軍は30人ほどの小隊だ。
2人の兵士を村の入り口に見張りに出した。
兵士達が家にあった食料を出してきて、昼飯を食い始めた。
チャンスだ!
「突撃!!」
村入り口の方で叫び声が聞こえた。ディフェンダーが始末をしたようだ。
アタッカーは3人の小隊長らしき者に突っ込んでいく。
俺は別に作ってもらった雁股形状の槍を、1番奥にいた上位の隊長らしき者に投げつけた。
隊長を庇おうと身体を盾にした忠義者の兵士の腹を抜け、隊長の腹も抜け2人の死体が上半身とか半身別れ4つになり転がった。
(俺のこの力は一種のチートだな!)
まさかの威力にちょっとビビる。
横ではサザンカが敵の攻撃を左手の盾で受け、右手のナイフで敵の首筋を深く切って行く。
何人かが村入り口に逃げたようだが、悲鳴が聞こえたので処理されたのだろう。
最初の一撃で指揮官がやられた事もあり、3倍の人数にも関わらずあっという間に制圧してしまった。
何ともあっけない・・・
村の外まで死体を運び出してもらい、大きな木を選び
紐でぶら下げていった。
まだ生きている者もいたが、首に紐をかけぶら下げ息の根を止めた。
◾️◾️◾️
「皇帝陛下お呼びでしょうか」
「良く来た大隊長、王国の西街道を進んでいた小隊から連絡が無いが?」
「はっ!昨日から連絡が途切れました」
「反乱軍か?」
「何とも言えません」
「クラウド・シーカーの魔道具は使え無いのか?」
「距離がありすぎて届きません」
「じゃあすぐに派兵し現地確認をせんか!」
「はっ!直ちに!」