17 魔導回路
次の18話で完結です。
本日、17時に最終話アップ致します。
スマホの画像に花の魔導回路図の写メがあった。だが少し違う。画像をプリントアウトして修正テープとボールペンで、記憶を頼りに書き直す。
(確か上の葉脈の数はえーっと後で3本足したからこれは一本足りない。下は2本そっくり足りない・・・)
やはりここは非常に似ているが、俺の世界では無い別の並行世界であることを色々なズレより確信した。
(壺に入れて無いものが入っているしな。まぁかなり助かったな)
魔導回路図も書き直したが、発動するにはこれに魔力で描く事が必須だ。
色々考えたが、自分は向こうに渡ってサザンカの魔力を得て、身体が再構築されているはず。
なので当然だが血に魔力が宿っているはずだ。この血で魔法回路を書けば発動すると思う。
だが実行に移す前に色々揃える物がある。
向こうに着いたらどこに出るかわからない。そもそも別の世界に行くかも知れない。
手っ取り早く武器が欲しいので、骨董品屋を覗いてみる事にした。
薄暗い店を開けると誰もいない…
しばらく待って居ると足音が聞こえた。
「あっ!?藤江さん?どうもお久しぶり」
「ご無沙汰しております」
何度か利用して居る骨董品屋だが、ここの世界の俺も利用していたらしい。
「拵付き、試し切り用の刀が一本欲しいです」
骨董品屋は少し考えて奥から九八式軍刀を持ってきた。
「これなんてどう?」
柄は新しく作り替えてある。
鮫の親潰は無しだが一枚巻きで漆がかかっている。
縁の金具のストッパーボタンを押し刀身を抜き出して刀身を見る。
「あぁ、中も間違い無く軍刀ですね」
「柄を外して見てください」
目釘抜きを渡される。
目釘を抜き、柄を持った左手を右手で叩くと刀身が外れる。
「これ、銘が消されていますね?」
「登録を通す為に削って無銘にしたようです」
日本刀は見つけたら発見届けを出し審査を受け所有許可を受ける。
だか軍刀の場合は一部の審査員が、日本刀として認めないのでほぼ通らないで廃棄される。
まぁ最近は少し緩くなったが。そういう風潮だ。
満鉄刀は日本の材料で無い事と作り方の特殊さでなどより日本刀とは認められない。
このような事情から軍刀は作り方は全く日本刀の物でも、市場価値が低く二束三文だ。
「これは満鉄刀ですか?」
肌の色とナカゴの形から藤江は推測した。
「多分そうですね」
ハバキをずらすと剣の峰にうっすら、必勝・大東亜戦争と刻まれていた。
刀身も良さそうで、何より拵えがしっかりして居るのが気に入った。15万を即金で払った。
「その他に何かあります?」
「ジュエリーは無いですか?」
「この前買い取った真珠ならありますよ」
主人は奥に入り宝石の乗ったトレイを持って来た。
7ミリ以上?9ミリはありそうな真珠のネックレスを取り、真珠同士を軽く擦るとザラザラした感覚がある。
本物に間違い無い。
アコヤ真珠のネックレスとイヤリング、黒蝶貝のネックレスとイヤリング。
ネックレスは両方とも一玉一玉留めてあり丁寧な作りだ。
「全部もらいます」
「20万で良いです」
「それはちょっと安く無いですか?」
「まぁ長く骨董品屋やってるとこういう事もたまにしたくなるんですよ、藤江さんは毎回値切ら無いで、そのまま持って行ってくれてるからね」
店主にお礼をして骨董品屋を出た。
次の日は上野に行きベトナムタイガーストライプの上下のBDUを買った。
夜になり厚木の墓に行き、残りの金や妻の形見の宝石やスマホを、お礼の手紙と共に壺に戻しておく。
さて準備はオッケーだ!
左手に傷をつけ滲んだ血を細筆に取り魔法回路を書いて行く。
どんな大きさでも良いというもので無く55センチ四方の紙に、魔法回路の図の大きさは紙の8割以上無いと発動しないらしい。
下絵の鉛筆の跡を丁寧になぞっていく・・・




