14 心
まさか4人がそこまで役立たずだとは、やはりニセ者はダメか。
それにしてもまずい、非常にまずい・・・
病状も進み身体も動かなくなってきた。あと数ヶ月と言ったところだろうか。
天下は成らなかった・・・
これもあの女のせいだ、せめてあの女だけでも地獄に送りたい。
そうすればもうあの忌々しい血統魔法を使える者が、この世から居なくなる。
せめてあの女に死を!
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レイメ魔導帝国だがほぼ崩壊に向かっている。
帝国の貴族が皇帝に嫌気がさし、サザンカの元に集まってしまったと言う理由もある。
反乱軍の完全勝利だ。
サザンカは女王となりアスカ・サザンカからアマテラス・サザンカと名を変えた。
俺はまだ式を挙げていないが、王配となる予定だ。
グリは宰相でグラは将軍となった。
グリとグラは最近知ったが58歳だそうだ。年下だったのがちょっとショックだ。
カン皇帝が行方不明になったのが不安だ。
帝国貴族が皇帝を捕まえる為に、城に乗り込んだのだが姿をくらました後だった。
命が終わるまで時間が無いと思われるので、思い切った事をやらかしそうで怖い。
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7日後の女王即位のパレードが楽しみだ。
この魔導回路図でガラクタ姫を吹き飛ばしてくれよう。
仕込み杖の刀を抜き、斜めにカットしたパイプをセットする。
その中空のパイプの中に紙に名前は忘れたが、かなり優秀な平民が描いた魔導回路図を丸めて入れ、ロウを垂らし蓋をした。
「さあ、お楽しみはこれからだ!」
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朝からパレードの準備で忙しい。
ドレスに袖を通す。
こんなふわふわした服は久しぶりだ。
左腕に見慣れたパイルバンカーが無いのは、感情の無いサザンカでも何か視覚的に違和感がある。
パレードは武器を持てないので王配の仁が、仕込み杖を持ち隣に立つ。
屋根無しのパレード用馬車に乗り込み、王国の崩壊した城の跡地の後ろにある王家生活の場所の屋敷からスタートする。
掠奪はあったが建物を壊されずに済んだのは良かった。
王城の正面門を出た。
このまま王都内の中央の凱旋通りを往復して終わりだ。
先の馬車に乗っているモナ公国の王と王妃と王女は進みながら、カゴから花びらを取り左右にまいている。
モナ公国の王子はお留守番だそうだ。
市場通りに差し掛かると子供の顔を見え始めた。
親に抱かれたり肩車をしてもらっている子供が多い。
皆、嬉しそうに花を振って通りかかると、空に向かって投げる。
色とりどりの花が通りいっぱいに舞い、とても美しい。
祖父に抱っこされたおさげの女の子が、ひまわりみたいな花を差し出す。
サザンカが腰をかがめる。
(女の子の様子がおかしい!)
花を差し出したまま虚らな目をした子が、馬車内に投げられる。
銀色の光が反射した。
「死ねぇーー!からくり人形!!」
仁はサザンカを突きとばし、女の子を両手で掴んだ。
仁の胸に銀色のパイプが付き出て血が流れている。
サザンカが仕込み杖を拾い無表情で女の子の祖父を突き剣をえぐり顔を見る。
「カン皇帝!」
俺を刺したのはレイメ魔導帝国のカン皇帝だったらしい。
サザンカが俺の肩を揺すりながら、名を呼び泣き叫んでいる。
(あぁ、心がもどったか?)
「・・・そんな心配そうな顔もできるじゃないか」
目の前が暗くなっていく・・・
意識が遠のいていく・・・




