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異世界を救えハムサンド 〜無双の秋 女神の事情も色々大変〜  作者: 一星
第三章 秘密結社〝青藍〟に迫りましょう
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 男は、崖の上からその場所を一望していた。


 見渡す限り、瓦礫の山。

 ここがかつての巨大研究施設だったなどとは思えない、あまりにも徹底的に崩壊したエリア。新聞などの情報によると、謎の反社会勢力が保有・研究していた大量の魔獣が暴走し、絶滅したはずのドラゴンさえ出現して一帯大暴れだったとか。


 この一件を解決に導いた功労者として、ギルド〝夕焼け紅葉(メイプルフォール)〟のAランカー、ギルギガントが表彰されていたらしい。そんな新聞記事を思い返し、男は失笑する。


 そんなわけがない。


 ただのAランカーがたった一人、どんな功労を成せば、この事件が収束できるというのだ。

 意図的に隠された情報の匂いがする。



「……それとも、エドガー。お前が予想以上に愚かだっただけか?」



 アイアンベアレベルの魔獣が一体〝凶暴化〟するだけで、そのへんのAランカー程度じゃ相手にもならないだろう。


 だから考えられるとしたら、〝凶暴化〟実験が失敗していた可能性。ギルギガントとやらにでも手に負える、弱い魔獣しかいなかった可能性。



(つまり俺達に虚偽の報告をしていたってことに……いや、さすがに無いな。研究の確認は念入りに行っている)



 そうじゃなければ、ギルギガントの他に、別の戦力が介入してきたということだ。

 新聞にも載せられない秘密の何かか、あるいは誰も素性の知らない謎のヒーローか、はたまた、もっと突拍子もない、得体のしれない何かか。



「――――ん?」



 倒壊したエリアの外れ。少し離れた、森の中だ。男の視界に映った、それ。


 タンッ、と地を蹴り、男は飛ぶ。

 着地音はしなかった。数十メートルはあろうかという重力加速度も落下エネルギーも一切感じさせず、直後、男は静かに下に降り立つ。


 そして。


 ゆっくりとかがんで、落ちていたそれを、拾う。

 三角形のパッケージ。ハムが挟まれたコンパクトなサンドイッチ。日本人なら誰もが知っている、そのコンビニのロゴマーク。


 男の眉間がわずかに、怪訝そうに寄った。



「……ファミリーマートのハムサンドか、懐かしいな」


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