詩 ガラスケースの人魚
美しいものを箱に入れてカンショウするなら
きっと それだって同じ事だ
道具も 生物も
「ワタシ を ここから ダシテ」
ただ 生きている だけじゃ ないか
ただ 心がある それだけじゃないか
閉じ込めてしまえば どれも なんでも
一緒
どこにも行けないんだから
手に入れて 見ようよ 眺めようよ
「ココカラ ダシテ」
透明なケースに しまって
好きな時に眺める贅沢を
味わいたい
さあ 歌ってごらんよ
「ダシテ ダシテ ダシテ ダシテ」
こんなにも綺麗な水と水草
可愛らしいお魚
腰掛ける岩だって置いてある
歌ってくれたね
歌を響かせる美しい姿を見せてくれたね
「ストーリー」
なんてすばらしい歌声何だろう。
なんて言っているのか分からないけど、そんな事はささいな事だ。