君がため①
ドォン、とか。ドゴォ、とか。
そんな破壊音を立てて白塗りの壁は木屑を撒き散らしながら砕けていった。
そして壁が崩れた瞬間にフッと、蝋燭の火が吹き消されたように先程まで僕を捕らえていた圧力がきれいさっぱり消え去った。
突然消えたことを不思議に思いながらも、狙い通りにできたことが嬉しくて平里さんの方を振り返った。ところが平里さんは呆れたような、目の前で起こったことが信じられないような、そんな表情で固まっていた。
「平里さん?」
「・・・。・・・お前、お前はなんで毎回・・・。・・・お前の権能って確か、雨の、支援特化型だった気がするんだが。俺の思い違いだったか?」
「そうですけど、雨垂れ岩を穿つともいうじゃないですか?」
「言うけどなぁ。これは雨垂れっていうより高圧洗浄機だろ。」
穴の向こうの星空を眺めながら、苦々しい表情で平里さんはそう言った。
「まあ良いじゃないですか。道は開けたんですから。」
僕がニコニコとそう返すと、平里さんは眉間に皺を寄せてこめかみを押さえていた。
「ていうか神原。何で外側の壁を破壊したんだ?道はこっちの迷路なのに。」
「あ、こっちから行こうと思って。」
僕がそう言うと、平里さんは意味が分からないとでも言いたげに首を傾げた。
「外壁でも伝っていくつもりか?取っ掛りになりそうなものは見当たらないが」
穴から身を乗り出して周囲を観察しながら、ぽつりと「飛べるなら話は別だが」と呟いたところで平里さんは一気に青ざめた。
「まさかお前、やめろ。ダメだ。だって今のお前はまだ二次覚醒すら」
「それは_____、それについては」
慌てる平里さんの言葉を遮って、ひっそりと口に人差し指を当てて微笑んだ。
「僕に賭けてくれませんか?」
レッツゴー神原




