表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/205

17.5話、静止の声(十八話の頭につける予定だったもの)

大変申し訳ございません……。



この話は十八話の頭にくる予定の部分です。

読み直して初めて抜けている事に気づきました。

◆◆◆


 それは老婆だった。入り口で車椅子を動かして器用に現れる。


 アラカをチラリと見て、次に風魔を見る。


 表情はどこか棘がある老婆は、スタッフと呼ぶには年老いすぎている。

 この老婆は誰なのだろう、とアラカは不思議に思うもすぐに氷解する。


「うちの施設で殺人はよしておくれよ。されたら、そのなんだ」


 老婆は淡々と告げながら、表情は常に険しいまま。


「——困る」


 そう告げた。


「…あっ、すみません安藤さん」

「中村先生、だったかい。

 鍵を持っていることの責任ぐらい、自分で取りな。こんな場所で不祥事が起こればアタシも責任問われるんだからね」

「はい、すみません……」


 霧はその老婆……安藤に謝罪をする。


「(……施設の所有者……)」


 安藤はアラカの側にあるテーブルを見る。

 破壊され、ボロボロに破壊されたものだ。


「……テーブル、アンタがやったのかい」

「すみません……弁償は、します」


 そう言ってペコリと謝ると安藤はアラカをじぃ、と見る。


「……白銀の髪、闇の宿したガラス玉の瞳。

 中学生にも思える背丈……なるほど、アンタが、か」


 そして何か納得したように頷くと会釈をしてから言葉を告げた。


「構わん、近いうちに買い換える予定だったんだ」


 それは破壊されたテーブルはどうでもいい、というかのようなものだった。


「お前が菊池アラカ、だろう?

 事情汲まないほど老いぼれちゃいないよ」



 そして次に風魔へと視線を向ける。

 すると風魔はビクッと震えた、鬱状態なのだろう。


「アンタら、騒ぎを起こすなら他所でやっておくれ。

 ここは立ち入り禁止だよ」


 それだけ告げると車椅子で背を向けて安藤は食堂を後にした。

読んでくださりありがとうございます…!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ