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五話、バイキングわくわく



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◆◆◆


 山登りを終えて帰って来る頃にはすっかり夕食の時間となっていた。

 夕食はバイキング形式を取られており、生徒たちはワイワイと賑わっていた。


「〜♪」

「バイキング、すき……」


 アラカとウェルもそこは例外では無い。

 ————なんかバイキング形式ってわくわくする。つまりそういうこと(ロマン)だった。


 ジャージに首輪を付けたアラカと、ジャージを萌え袖にして歩くウェルはそこにいるだけでしせんをあつめる。


 白銀のポニーテールをゆさゆさと揺らして動く姿は幼い天使のようだった。


「(見てるだけで癒されるぅぅぅ……)」

「(首輪のそれとない不道徳臭が、すごいドキドキさせるんだよな……首輪つけた人ナイスすぎる)」

「(……あんな可愛い子を、痛め付けて……なんでまだ、俺生きてんだろ……ジャージ破いて、さ…)」


 食堂は広く、そこには他クラスの生徒もいた。


 以前、アラカによしよししてもらったことで恋に落ち、罪悪感で胸がぐちゃぐちゃになる人もいた。


 彼らはアラカの姿を見る機会はとても少ない貴重なものなのだ。

 他クラスであることと、学校側が普段している配慮があり、ほとんどお目にかかれないのだ。



 アラカに対して罪悪感を抱いてるものも少なく無いため、素直に癒されたのは同じクラスの子ぐらいだが、それでもその愛らしい容姿によるか楽しそうな様子は影響は大きかった。


 楽しげな様子なのは本当にごく僅かな変化しかないが、それでも廃人状態だった過去を見ると心がおかしくなりそうなほどに嬉しく思えるものだ。


「(追加、取りいこ)」

「(ウェルもいこ)」


 アラカとウェルは空になった食器を手に、次は何を食べよう、と食事の方へと向かう。バイキングわくわくする。


「……?」


 酢豚やサラダの中でひとつだけ不思議なものがあることにアラカは気付く。


 ひとつだけ、クローシュが被せられたままのトレーがあったのだ。

 アラカは特に意味もなく、なんだか中身が気になった。



「…………♪」



 もしかしたら後で先生たちからのサプライズ的なものなのかも知れない、と思案するものの『まあ自分なら怒られないだろう』という心境で興味が勝つ。


「なあアレ、たぶん開けちゃダメとかそういう」

「まあ待て……見守っとこうぜ。もしもの時は俺のせいとかそういうのにしていいからさ」

「せやな。なんか……初めて自発的に悪戯心だしたな…」



 それはアラカが周囲に対して見せた初めての甘え、のような感情であった。

 周囲もそれが分かるがゆえに、特に止めずにその行く末を見守っていた。


 今まで人形のように壊れた様子で、教室の隅でポツンとしていたアラカが初めて見せた自発的な悪戯。それを微笑ましく思い眺めたままにする。


「…………」


 ——パタン、とクローシュを閉めた。

 静かに瞳を閉じて、数秒考えると。


「ウェル、このトレー持っていくの手伝って」

「うん……」

「ウェルも見ちゃったね」

「……うん」


 アラカがトレーを持ち、ウェルもそれに続く形で後ろに着く。

 そこで何かがおかしい、という空気が周囲に流れる。だが近付き難い二人に寄るものはおらず、かと言って先生を呼ぶことを躊躇っていた。


「(あの菊池さんが行動したのって、どんな理由なんだろ)」

「(分からない……)」


 そう、行動しているのがその辺の生徒ならいい。しかし行動しているのはアラカであることが問題だった。


 国の、いいや世界の最重要人物であり、保護対象でもある。加えて理知的で物事を〝考える〟ということもできる————間違いなく、何か理由があることは明白だった。


「とりあえず……一度、僕の部屋に運ぼう」

「うん」


「食欲…とか、大丈夫?」

「むー……まあ、精◯……うん……食欲に関しては、耐性あるから」


 トレーを持ち上げるアラカ、そしてもう先生を呼びに行こうか、と生徒が行動した……刹那に。


「何をしてる……の、ですか」

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