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十七話、流出。

◆◆◆


【菊池アラカ】精神崩壊の原因のN◯Rビデオレター投下する【暴露】



1 アラカきゅんガチ恋勢


 閲覧注意な。

 (動画URL)


2

 菊池アラカまじかわゆい。



3 アラカきゅんガチ恋勢


菊池アラカって誹謗中傷で精神障害を起こしたとか言われてるけど、実際は違う。

 その真相なこの動画。


6

 は? ごめん、開始2秒でキモすぎて閉じた。


20

 これマジやん。以前のアラカきゅんの顔写真と完全に一致。


 (顔写真)

 (動画内で拡大スクショ画像)


30

 吐いた。気持ち悪すぎる。


36

 何が「イェーイ、アラカきゅん見てる〜?」だよ56すぞ。

 アラカくんが無理矢理、カメラマンさせられてるとか地獄すぎる。


42

 クソすぎる


49

 特定班はよ。寝◯られ好きでもマジでこれは無理。ただただ可哀想。



56:アラカきゅんガチ恋勢


 菊池アラカが誹謗中傷で精神障害おこしたなんて嘘やぞ。

 同じ街に住んでる奴なら誰でも知ってること。

 街全体でもこれに関わってない奴は本当に少ない。


 年齢は10歳の子もいるレベル。



67

 こんなエ◯同人誌でも中々見ないような地獄がリアルであるとか思いたくないんだが。



82

 吐いた。ホンマ4ね。頭おかしくなる。


99

 知りたくなかった知りたくなかった知りたくなかった知りたくなかった。


103

 今北産業。怖くて見れてないんだけど何あったん?


109

 絶対見るな。


 この動画だけど、

・寝◯られビデオレター

・カメラマンがアラカくん

・目の前で女の子犯されてる(たぶんアラカくんの知り合い)

・アラカくんと女の子の関係性紹介

・アラカくん泣いてるのに誰も気付かない。


 他にも頭おかしくなるような要素が溢れてるわ。


121

 調子乗ってみたけど後悔した。見るな。


128 アラカきゅんガチ恋勢

 ちな、この部屋はアラカきゅんも元私室らしい。

 その後、家から追い出されたって聞いた。


142

 ワイ、男版アラカきゅんのこと以前一回公園で見たことあるわ。

 ベンチで泣きながら寝てた。その時、有名人を見たってことで写真撮っといたんでうpする。


(写真)


150

 高校生でホームレスはキツすぎる。



163

 なんだこりゃあ、たまげたなあ…






170

 これもう呪いのビデオだろ。








 その日、アラカの精神をぐちゃぐちゃに壊した真実がネット上にばら撒かれることとなる。

 反応はその悍ましすぎる動画の内容の要約のみが知られた。


「見たら精神障害を起こしたってお兄ちゃんの友達が病院に通ったらしいの…」

「ボキュのぱぱが寝込んぢゃったのもそのドーガ見たからって…」

「見たらおかしくなるって、もう呪いのビデオじゃん……」


 〝見てはならない呪いのビデオ〟そのレベルのものだと噂として広がるのには容易すぎた。

 加えて〝見てはならない実物の代物〟というのは得てして人の心をくすぐるものだ。


 パンドラの箱でしかないそれは、刺激を求める子供には酷く魅力的なものに見えた。



「昨夜、中学生が〝ある動画〟を見たことで救急車で病院に搬送されたそうです」



 その言葉に唆されて中学生が遊び半分で見て、精神障害を起こしたとテレビで取り上げられてからはその勢いに拍車がかかった。



『例の動画みました。絶対見ないでください』

『あの動画について解説もしたくない。ただただ忘れたい』



 と有名なミーチューバーが動画を挙げたことでその熱は加速。

 その中心人物である菊池アラカには、当然のように注目が集まった。


「お嬢様。また励ましのお便りと……クマさんのお人形が!」

「…………」


 巨大なクマさん人形を部屋の隅の————人形コーナーに置かれる。


「わあ……お嬢様の部屋がどんどんメルヘンに…。

 あ、こっちはアロマオイルですね」

「…………」


 届いたダンボールを開けては、アリヤが嬉しそうに中身を取り出す。

 尚アラカはというと。


「あの……これ、いらない……」


 積み上がった人形の山や、女性用の化粧品、女性用の服の差し入れを見てそう呟いた。


 というか元男に何故人形を。


「(…………無下にも出来ない、か)」


 息を吐いてから、手紙の入った箱を机の上にドンっと置く。


「……アリヤ、今日もお願い」

「はい。お嬢様の書いた手紙は全部郵便局に持っていきますね!」

「……ありがとう」


 アリヤはアラカの机の上に置いてある手紙を(籠ごと)受け取る。

 それはアラカが書いた手紙であった。


 励ましのお便り(数えきれない)と一応目を通して、その上で返事を書いていたのだ。


「しかしこんなに良く書けますね〜」

「基本は手抜きだよ……。定型分に加えて、手紙にあった文章で嬉しかった部分を少し引用したりプレゼントの品名を書いて感謝を告げるのが精々だよ……」


 そう言って億劫そうにアラカは机に座って返答に手紙を書き始めた。

 プレゼントと励ましの便りが届いてからは毎日そんな行動を取っているアラカであった。


「(早く終わらせてコードレスさんのところ帰ろ…)」

「(全部直筆の時点で凄い労力って気付いてるのかな……)」


 そうして背を向けてアリヤは掃除へ向かった。





「(記者とか、来るんだろうなあ……実際に何件か連絡きたし……トラブルの匂いがぷんぷんする…)」

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