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二十一話、拷問室体験コーナー


◆◆◆



「俺はそろそろ行くよ、またね。

 ____次の展開に、俺はあまり必要に思えないし」



 その言葉と共に    は背を向けて去る。

 最後になにか、小さな声で呟いていた。


 そして最後にウェル、レヴィア、アリヤへと目を向ける。




「君らは初回の客だね。

 まあ気軽に知りたいことを聞いてくれたまえ。初回ボーナスで一人一回、無料だ」



「全裸博士のおっぱい」

「102cm」


「博士の年齢体重を教えてください」

「27歳58.8キロ」



 パァァンッ! とウェルとアリヤは無言でハイタッチをした。



「仲良いわねあんたら…」



 そしておっぱいは正義だと叫ぶウェルの姿はクソガキなのかメスガキなのか分からないものだった。



「じゃあ、一番危険な部署の名前と、その対策をお願いします」


「…ふむ」



 続けて質問を投げるアラカ。

 それに対して微かに声を漏らす可憐。



「…?」

「てっきり、我らの目的を問うのかと思ったのだがね」



 菊池アラカならば、相手の深奥を抉ろうとする観測者ならば【目的】【状況】【手段】のいづれかを掌握するだろうと踏んでいた故だった。



「はい。それはまだ、綴さんの口から語られてないので」



 ただ微笑み、そう告げるアラカ。可憐は微かに瞠目する。



「綴さんが言わない、ということは〝まだ言う時ではない〟ということ。

 ならそれに従いますよ」

「…ふむ」



 ぽんぽん、と頭を優しく撫でる。




「ふむ…?」



 ふにふに、とほっぺを優しく、傷つかない様に指でつく。




「ほう…」




 アラカの太ももを撫でる。



「リーダー、お前こんないい子、どうやってたらしこんだ」

「調教」

「そういうとこだぞ」


「ごめんなさい、なんで今太もも触られたのでしょうか」



 ナチュラルにセクハラするセクシャルの塊。



「目的ってどうせ例の人類アラ化計画でしょ? 追放の原因のやつ」



 割り込むようにハッと吐き捨てるレヴィア。


 綴追放の原因。怪異全員が知っていながら「ああ…うん、アレね」とドン引きして中々聞き出せない計画。


 それが今、明かされる____



「ああ、あの人間のDNAへ干渉して全人類を物理的に菊池アラカにしようとしたアレか。

 あれは流石の我も引いた」

「思った以上にトチ狂ってる」



____思った以上にとち狂った計画だった。




「しかも計画書と理論を見る限り…割と実現可能な上に、世代を重ねるごとに少しずつ配列組み替えるとか……所々に〝あ、こいつ本気でやる気やんけ〟と思えるポイントがあったのが輪を増して狂ってた」



 そう、心底疲れた様子語る可憐…手で額を多い、髪を微かに上げる程度には当時の疲労がフラッシュバックしていた。



「ホント大変だったの……最初は冗談だと思って笑ってたのに、うちの派閥で侵入して奪った計画書を見た瞬間〝あ、これマジのやつだ〟と真顔になったの」




 それが大半の怪異の間で起き、思いが一つになったのだ。




 ____あ、こいつ放置したらマジであかんやつだ。


 そうして全怪異は力を合わせて世界を救った(綴を倒した)のだった。



「圧倒的魔王ムーブに腹が捩れるかと思ったぞあの時のリーダーは」

「こっちはアレ倒すの苦労したんだからね!? 姑息でひたすら凶悪な罠の数々…!! 策謀に賄賂、襲撃したかと思えば拠点が酸の海になってたことも数え切れない…!!!」




 エレガントに高笑いしながら、登場する黒い変態。


 優雅に大爆笑する姿して、全てを滅ぼす姿に何度殺意を抱いたことか。

 と、レヴィアは沸々の煮えたぎる殺意を垣間見せる。



「レヴィは何かある?」



 まだ質問をしていないレヴィアへと声を掛け、レヴィアは微かに考え込む。



「うーんそうね…魔法少女の正体とか?」

「魔法少女…青い方か? それともピンク頭のほうかね?」



 既に情報を入手し、さも当然のように選択肢を向ける可憐。



「…じゃあ青い方で」



 その様子に微かな不安を覚えながら、レヴィアは質問を決め



「青い方は…まあ…なんだ…うん」



 それに対して可憐はどこかバツが悪そうに頭を掻いて



「_____強く生きて欲しい」

「何があった!? ねえ何があったの青い方に!?」



 ____まさかの回答拒否ノーコメントである。



「そうさな…ああ、そういえば一つ…菊池アラカの質問に答えていなかったね」



 机に寄りかかり、資料を軽く摘みながら…

 ____鋭い眼光をアラカへ向ける。



「第六工房が一番やべえ、あそこと敵対するのだけはやめとけ」



◆◆



 ペラ、ペラと書類を流しみながら可憐さんは話を進める。


 ウェル? 可憐さんをローアングルからスマホのカメラで連写してる。




「第二、第三、第四、第五は比較的マシだ。

 第四の室長はかなり友好的だから縁を結んでおくと良い」



 第六工房。その室長こそが最も危険な存在だと告げる可憐さん。気のせいか、彼女の頬には冷や汗が垂れていた。


 ウェル? 興奮しすぎて鼻から赤い汗が垂れてる。



「だが、あそこはダメだ。あそこは危険すぎる」



 可憐さんは資料を置いてそう宣言する。


 資料の中身は何か可愛らしい女の子の盗撮画像だった、ダメだこの人もウェルの同類だ。



「場所を知覚するな。扉を認識するな、した時点で手遅れだからもう諦めろ、逃げようとするな、戦うな争うな応えるな、第六工房はダメ、あそこは本当に危険な場所だ」



 書類は現実逃避用に用意していたのだろう。


 それだけ危険な場所なのだと、彼女の瞳が虚実を語る。


 ウェル? 瞳が危険。




「比較的マシを自称する全裸博士」

「マシかあ…これで…なの」(もみもみ



 1分後、アリヤに回収されるウェルは「いやだーー! もっと揉むーー!」と言っていた。



「ってか全裸博士、私の質問に答えてもらって無いんだけど」


「そういえばそうだな。

 青髪の魔法少女、だったか」



 気怠げに呟き、レヴィの質問を思い出す。



 青髪の魔法少女に関する情報、だったのだが。



「そうさな。丁度いい機会だ。

 自分の手で確かめるといい」


「____え?」





 〝ブーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!〟



 ____瞬間、第三拷問室全域に強大なブザー音が鳴り響く。

読んでくださりありがとうございます…!




2023/12/18追記

 可憐の体重を57から67に変更しました。

 よろしくお願いします。



2024/1/7

 可憐の体重を67から62に変更しました。

 よろしくお願いします。



2024/1/17

 可憐の体重を62から59.8に変更しました。

 よろしくお願いします。




2024/2/1

 可憐の体重を59.8から58.8に変更しました。

 よろしくお願いします。

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