二十話、夢見可憐
お盆休みあるから いぇいいぇい。
ああああああああああ!!! アラカあああああいあああ!!!ー!
◆◆◆
「えろい身体の全裸白衣、うーん、これは固定ファンつくの」
もみもみ、とおっぱいを揉むウェル。
「初対面で人の胸を揉むかね、この子は」
「初対面で全裸の女がいたら飛び付くのは道理なの」
「ふむ、一理あるな。よろしい、もみたまえ」
許可を得たためウェルはエロメスガキとなりモミモミを繰り返した。気のせいだろうか、自分には無いそれを殺意のこもった視線で眺めている。
「と言うか人間!? そのトチ狂った格好から怪異かと思ったの」
人間とは思えない独特な魅力を放つ全裸博士…夢見可憐はカリッとシガレットを噛み砕くと鬱々げに立ち上がる。
「人間だよ。君らの創造主からは娘に勧誘されてるがね」
「なんだ、実質怪異のパターンだったのね。アリヤと同じね」
「心外にも程がある」
悲報、アリヤも怪異に勧誘されてる。
「他、の室長、も、人間…ですか?」
「いや、あー、えー…と、第四のドラって怪異だっけか。第二のシコ猿王子サマは人間だったのは覚えてるのだが」
「ドラは怪異ですね」
おっぱい揉まれながら頭を掻いて、気怠そうに息を吐く。
「第六〜第五〜? あー、くそ、あいつらどっちだ…? 怪異と人間とか意味わからん区切りとかいらねーだろマジで…はぁ、だり」
第二と第四の情報を得たところで、全員が未だ全裸博士に飛びつく変態の対処に動いた。
「ウェルいつまで揉んでるの、離れなさい」
「ぐ、ウェルのパイが…!」
「お前にパイは無い」
ウェルが引き剥がされて、宥めること数分。落ち着いて状態で会話は再開する。
「そういや、全裸博士質問なのー」
「おう、どしたかね」
「第三拷問室って何やってんの?」
今回一行が来たのはそれを知るためだった。
____曰く、これから使うだろうから、とのことだった。
「情報管理だ。拷問室、なんて名は設立当初の仕事内容の名残りでね」
情報管理。世界が滅ぼうと構わない全員にとってそれが如何程の価値を生むのかいまいち掴みかねる。
「拷問室、などと言われるが…やってることは単なる情報屋だ。情報収集、運用、管理。加えて魔力生成の実験…そのくらいさね」
存在自体が極秘。故にその存在を知る得意先はごく僅かだ。
それでも尚、商売が成立しているのは客が揃いも揃って太客だからだろう。
「二桁ほどの営業所を通して情報屋、などをやってる。
ほら、リーダー。例の件だ、形式はペーパーの手渡しでよかったな」
「ええ、ありがとう」
A45紙束の入った封筒を渡す可憐。
そして一行の背後で保護者をしている へも声をかける。
「話は聞いてるよ、創造主ちゃん。
各魔王の動向と、関連性のある情報だったね」
「ああ、ありがとう。いつも優しくまとめてくれて助かるよ」
「…ん。優しいなんていうのは創造主ちゃんくらいだよ」
封筒とUSBを手渡し、 は代わりと分厚い封筒を渡した。
「ありがとう、いつも助かるよ」
「そう思うならドラと遊んでやってくれ。寂しいのかちょくちょく添い寝にくるのが面倒で敵わん」
「そうだね、遊んでおくよ。
ドラも君のことを慕っているようで俺は嬉しいよ」
これで要件は済んだ、と は手刀で空間を引き裂き受け取った書類を亜空間へ収納する。
「そして」
菊池アラカ。彼女を視界に収める。
「菊池アラカ、か」
白銀の髪に、モフモフしている犬耳、服の隙間から覗く傷だらけの体……そして、この身は誰かの所有物だと告げるような首輪。
そしてアラカの前に歩み寄り……
「今まで一人で世界を守護させて、ただ一人に、10歳の子供に押し付けてすまなかった」
そう、頭を下げた。怠けた様子は微塵も感じさせず
「遅すぎる言葉ではあるが…この世を生きる1大人として、謝らせてほしかった」
子供に全てを背負わせた。そんな状況にした一大人として、己にどうしようもない怒りを覚えている。その怒りを、ウチに秘めながら
「(あ、れ…?)」
____リーダー、英雄をいつ休ませる気だ。上からの命令だろうが。私はもう拉致してでも休ませるぞ。
____この計画書…は……はあ、もういいさ。リーダーもあの子のこと考えているようで安心した…あと、一年であの子が休める環境にするんだな?
「(この人のこと、知ってる、ような)」
記憶があるようで、記憶がない。
そんな違和感を覚え、アラカはすぐさま至った。
「____あ…うん、これ綴さんがなんかしたんだろうな」
「アラカくん?」
____この婚約者が、たぶんやらかしてる、と。
「私、この人に会ってるよう、n」
「あ、私が裏で糸引いてるやつですねそれ」
「アラカくん、痛い」
ほっぺを引っ張られる黒幕ドラゴン。ほんと懲りねえなコイツ。
読んでくださりありがとうございます…!