表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
166/205

十三話、マラソン大会RTA


◆◆


「ブルマ」


「ブルマ…美少女…ブルマ…、いい、」


「お嬢様お嬢様お嬢様お嬢様お嬢様お嬢様お゛嬢゛様゛あ゛あ゛ーーー!!!

 すんすんすんーーーー!! あ゛あ゛あ゛ーーーーーッ゛ッッ゛!!」



 英雄のブルマ登場。

 それの反応は概ね予想通りのものとなった。



「うぅ…視線が、気持ち悪い、よぅ…」


「気持ち悪い視線の9割はアリヤだから殺せばだいぶ軽減するの」


「身内があまりにも害悪」



 くんかくんかするアリヤを眺めて、アラカは頷く。



「アリヤ、大丈夫そう、だね」


「一昨日の50キロランニングの筋肉痛、大丈夫なの?」


「まあ一日で、どうにかね…足、動くかな…」


「結局ビルダッシュ、三回もさせられたんですけど…」



 50キロビルダッシュ、往復100キロ。

 その過酷すぎる訓練をアリヤも受けていた。



「ではマラソン大会ですが…軽くルール説明をいたしましょう」



 軽くトラウマを想起させながら、アラカたちは司会の告げるルールを聞いていた。ルートと、道標、それらを軽く説明され、最後に一言。



「皆さんには約10キロの道のりを走ってもらいます!!」


「50キロの意味本当にあった!?!?

 ねえ本当に50キロ必要だった!?!?」


「いやぁ、運動っていい、よね」



 ブチギレるレヴィア、50キロビルダッシュの苦痛はいまだに残っているらしい。




「ぱふぇ、おごるから、ゆるして…?」

「パ、パフェ……なら、まあ? 別に許してあげなくもない、かな」



 ガクガク揺らされながらアラカは埋め合わせの約束をする。



「「ちょろ」」



 そうこうしているうちに準備が整ったのか、開始の時間となっていた。



『では! マラソン大会の参加生徒は位置についてください!!

 開始合図のピストルが今』




 パン————瞬間、4姉妹が全力疾走をした。





『マラソン大会スターt』

『な、なにいいいいいいいい!?!?

 菊池家が、その我が校誇る四大美少女が!! 開始と同時、全力疾走を始めたああーーーー!?』



 明らかに四人だけが抜きん出て加速をしている。だがそれはあまりにも短慮である、と認識された。



『しかしあれは明らかに』

『ええ、明らかなペース配分ミスですね。

 あんなのことをはじめからしてしまえば後半どうなるか…』



 そう評価を下す。あまりにも早すぎる動き…それは判断ミスだと。






 _____だが、彼らは忘れていた。




『? なんだか、様子が』




 _____今走っているのは、誰だったのかを。




『…いや、待て』




 _____初めは1分。



『それは、いや、嘘だろ』

   



 _____次に、2分。




『ま、まさか』




 _____3分に達した時…彼らは気付いた、気付いてしまった。



『『なにいいいいいいいい!?!?』』




 _____少しも減速しない、それどころか加速すらしている!!






加速する!(アクセル!) 減速しない!(アクセル!) 狂ってやがる!(アクセル!)

 忘れてた!! そいつら英雄だーーーー!!』



 そんな異様めいた光景に解説が、メディアが、テレビの前の人々が同時にその真意を把握する。



『まさか、まさかそんな、いやでも、それしか考えられない!!』




 アラカらの考え、それは。



『_____全力疾走(フルスピード)で終わらせる気だあああああああ!!!! 誰かあの四人を止めろおおおお!!!』




 そしてそのマラソンは必然的に最前線の〝異様な一団〟へと焦点が合わされる。



『先頭を走り抜けるは勿論英雄!! 菊池アラカ選手、メディアは彼女らを追うためにヘリまで持ち出したぞーー!!

 ジャージをはためかせながらも、なお加速する姿はさながら戦場のブリュンヒルデ!!』




 その素早さにメディアはドタバタし、どうにか追い付こうと焦って行動を始める。


 町内に設置されてるカメラを切り替えるも僅か数秒でカメラから消えるのを繰り返す。



『ブルマを履いた英雄に追随する姉妹たちは、己こそがワルキューレだとでもいうかのように熾烈さを増していくうーーー!』



 熾烈さ(主にウェルとレヴィア)が増していく…!


 手紙を空間配置しレヴィアヘ放つウェル。

 攻撃を空中でターンしながら華麗に避けて煽り散らかしながらウェルへと足払いを放つ。





 頭突きと拳打をしながら走りまくるウェルとレヴィア、最早いつもの光景だった。



『喧嘩のせいかウェル選手とレヴィア選手は少し遅れてる!

 そして羽山アリヤ選手!! アラカ選手のブルマを眺めているせいか鼻息が荒い!!

 学校一の変態性はここでも健在なのかぁーー!! 自重しろーー!!』




 アリヤはただの人間のはずなのにアラカに対する執着だけで二位という順位を確保していた。




 本来は夕方まで続くはずのマラソン大会、それが早くもぶっ壊れそうだった。


◆◆◆某掲示板にて。



 英雄のブルマ可愛すぎひん?



 なんでこの英雄こんなえっちなの…



 ちょくちょく英雄が俺らにサービスショット配布してくるの好き。



 ケモ耳もふりたい…



 姉妹ども揃いも揃って問題児しかいねえ!!



 この喧嘩してる二人凄く可愛い…



 尚、してる喧嘩のレベルが高すぎる模様。


◆◆


 喧嘩!! 仲裁!! そして大喧嘩!!


 それらを繰り返しているうちにいつの間にかマラソン大会は終わり、表彰の時刻となっていた。



「今年は出店が多く、規模が大きい大会となりましたね」

「英雄目当ての観光客も多いですからね。

 ブルマとの知らせを聞き、新幹線で来た方もいるようです」




 そして学校長の言葉を軽く流し、表彰台に上がっている三名へと話を伺うことになった。



「第三位の羽山アリヤさん!! あ、それと第四位の菊池レヴィアさんは呼吸困難で病院に運ばれました」

「お嬢様みてたらなんか終わってた」

「(なんで生身で怪異と張り合えてるんだこの人)」



 病院送りになったレヴィアも、きっとアリヤにドン引きしていることだろう。



「レヴィア…おかしいやつを無くしたの」


「煽り散らかしてたメスガキがいたから限界超えたんでしょうね」


「レヴィア…向こう、でも、元気で…」



 三名の声はきっとレヴィアに届くだろう…さらば。



「第二位。菊池ウェルさん! ゴール手前で急に加速してアリヤ選手を抜いた時はあまりのクズムーブにブーイングの嵐でしたね」

「表彰台上がれないカスを肴にコーラ飲みますなの」



 コーラを飲みながら煽り散らかすメスガキに脳天へ血管が浮く大人がチラホラ。わからせの時も近そうだった。



「マラソン大会輝かしい第一位…その記録、脅威の一時間半!!

 菊池アラカ、大幅に記録を塗り替えての優勝だあーーーー!!」




 会場に巻き起こる拍手、ブルマ狂信者(KFC)は感涙すら流していた。



「ええと、えと…ぶい…!」



「「「_____」」」




 あまりの可愛さに、その場にいる全員が胸を打たれたという。



 後世にこれは、菊池アラカブルマの姿として語り継がれることになるのは別の話…。



◆◆


 元はマラソン大会で、走ってる最中にウェルとレヴィアがデ◯エルをするというトチ狂った内容にする気でした。


 ただそれだとパロディが過ぎるのでやめました。物足りなかったらごめんなさい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ