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十話、監禁(予定)天使の日常

本当にアラカちゃん、回復してきましたね。

最初の方を読み返して、なんか感慨深いものが込み上げてきます。


◆◆


「おかえり、なさい」



 エプロンを着たアラカくんが、私のために来てくれる。何だこの天使幼妻、という感想を覚えるが、暴走はせずに済む。



「えと、お風呂にします、か?

 ご飯にします、か?」



 頬を赤らめながらそのセリフを口にする。

 たくさん練習したのだろう、盗聴しているから知っている。



「じゃあ、お風呂でお願いします」

「わかりました…!」




 スーツを受け取り、それをクローゼットに仕舞うとアラカくんは私のいる脱衣所にきて、




「よい、しょ…」




 服を脱ぎ始める。



「……」

「? どう、か、しました、か?」




 同棲してる美少女(大好き)が、お風呂に一緒に入るのが普通かの様に振る舞い…目の前で一緒に脱ぎ始めてる状況。


 催眠とか無しで、そんなことしてくる。




「……いえ。ただ、少し…シチュエーションの破壊力が、凄まじいな、と思っただけですよ」

「?」




 肌着に手を掛けながら、小首をかしげる彼女に…暴走しかけた。



◆◆◆



「それでですね。ウェルがなんと大暴走を起こして教頭先生の髪を引き千切り〝甘えんなハゲ〟〝ハゲは甘えなの〟と発狂しまして」

「それはなんとも…あの子らしいですね」



 湯船に浸かる。


 綴さんに背を預けて、湯気の溢れる浴室で話をする。



「______ぁ」




 瞬間、鼻血が溢れ出す。



「あ、ごめ、なさい…はな、ぢだけ…なので、だいじょ、ぶ」



 ___ぎゅ。と抱き寄せられる。



「トラウマが、溢れましたか」



 こくり、と頭を胸に埋めたままアラカは首肯する。



「アラカくん、落ち着いて…私の心音だけを聞いてください」

「ひゃ、い……」



 ちゃぷ……そんな湯気の纏う水音も、髪を滴る水滴も、もう聞こえない。


 〝とくん、とくん〟



「ここにいる…ここにいますよ」




 心臓の音、いつも、いつもの、優しい鼓動。綴さんの熱が、身体に伝わる。

 痛みが解けていく…。




「離れてしまったら、転移でもしてきます…それが難しいならこちらに呼び寄せます」




 ぎゅ…と身体をさらに、すり寄せる。少しでも、熱を感じたいから…この心地いい場所が嘘じゃないと信じたいから。



「……」


「……ね」




 髪に、優しく触れて…そっと、頭を撫でてくれる。



「ぁ…って」



 過去なら、きっと不快感を抱いていた……けど、今は、うれしい……きもちいい…。




「……」

「……」




 返答はなく、ただ…心音がほしくて、ほしくて…身体を寄せる。





「……」

「…」



 おふろ、あったかい……つづりさん、つづりさん……すき、すき…。



「そろそろ、出ましょう」

「……ひゃい…」



 満足そうな微笑みを浮かべて、綴さんは私の髪をそっと触れる。



「…暫くは、浴室へは一緒に入りましょう。

 大丈夫、大丈夫…3年か、もっとか…こうしていれば悪夢は薄れていくでしょう」




 よしよしされて、明日も、明後日も一緒にお風呂に入ることを約束する。







「明日は、マラソン大会でしたね」


「はい」


「楽しみにしています、とても、とても」


「…♡」




 心の傷は慰撫されて、優しく甘やかされる。


 嗚呼、明日は、今日よりも、少しは強くなれるかな。


◆◆◆


 以前より、この子は強くなっている。


 トラウマに対して、すぐに恋に溺れる。それくらいには〝トラウマを薄いものと認識〟し始めている。




「(浴室に関するトラウマは、まだ晴れてない……か)」



 彼女の添い寝をしながら、そんなことを思う。


 手帳を開き、中に上から下までびっしり書かれたアラカくんの情報を流し見る。



「(トラウマのフラッシュバックに繋がるものも少ないが減ってきている)」




 暗い室内で、手帳の内容はほぼ見えない。


 だが問題ない、全て暗記している____指で〝浴室に関するトラウマ〟の文字をなぞる。



 ____もっと、依存させたい。



 そんな欲望を、抑えられるだろうか。

 彼女のトラウマが全て慰撫されて、治ったら…私は正気でいられるのだろうか。




「(しかし…)」




 この柔らかい身体、いいな……愛らしい、いい匂い……。


 疲労が溜まっている身体は、この子の身体と、その温もりを感じながら…………眠ることができる。


 疲労が解れる……いいにおい、精液を吐き出して、ドロドロにして……達成感が溢れる。






「すぅ……すぅ……」



 そこから、しばらくすると心地よい気分で眠ることができる、この幼い天使の中で私がじわりじわりと侵食をしているという実感を覚えながらの就寝……。




「(この子が、もっと、何処にも行けないぐらいに……落として、犯して、快楽で身体を縛り付けて、依存させ続けないと……ずっと、満たし続けないと…)」



 依存させる気でいるのに、逆にこっちが依存しきっている。それでもいい、彼女が手に入るなら何でもいい、この子さえいればいいんだ。 




「(絶対に、幸せにしてみせる…この手で、この天使を、絶対に)」




 軽くない、何度目かの覚悟を胸に…彼女を抱きしめた。

こいつ何もしないでも勝手に病みだすのホンマ草



スペック高くて、相思相愛なのに絶対に油断しない。幸せで出来てるか常に不安抱えて、その上でアラカに依存して精神クリーンになる。


うーん、この依存に特化した精神構造スパイラル

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― 新着の感想 ―
[良い点] いちゃいちゃ物凄くありがたい(栄養素) [一言] リクエスト ノクターンの方になりますが首絞めシチュお願いしてもよろしいでしょうか。 よろしければお願いします。
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