表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
148/205

おまけ2 むらまさにっき

おまけ、もう二つほどあります

◆◆◆ムラマサ子育て日記




 最初の一週間、心の損傷が激しい。

 だが随分と綺麗に壊れているため、余計な歪みはなさそうだった。



 とりあえずご飯を用意して、一人にしてみた。最初はこの家の空気に触れさせたい…。



 一ヶ月が過ぎた。少しずつだけど……声に反応できるようになった。



 まだ声が聞こえるとピクリと動く程度だが……初日ほどの拒絶反応は見られない。



 まだ動くことは難しいのか、排泄は垂れ流しなので…介護が必要だ。






 三ヶ月が経った。今日、初めて食事を摂った。

 あーん、と繰り返すこと二週間……口に粥が入ったら……ムラマサはポロポロと泣き始めてしまった。



 表情は動かないのに、感情表現はし始めている……いい傾向だった。



 六ヶ月が経った。ムラマサが初めて声らしきものを発した。まだ「ぁ」や「ぅ」くらいだが…大きな進歩だ。



 トイレはまだオムツ頼りだけど、お風呂に関しては一緒になら抵抗なく入ってくれるようになった。





 一年が過ぎた。まだ外には出れないが……時より、ポロポロと泣き始めるようになった。


 そして俺の服の裾を摘めるようになっていた……かわいい。なんだこの可愛い生き物。



 一年と半年が過ぎた。ムラマサは積極的に殺意を撒き散らすようになった…嗚呼、良い状況だ。殺意を発散させるには、殺意を撒き散らせる環境を与える必要があったからね。




 二年が過ぎた。なんと、ムラマサが声を発した!!

 しかも「まま」って!! ムラマサが「まま」って呼んでくれたよ!!!


 何人も怪異を育ててきたけれど……この瞬間だけは、感動でおかしくなりそうだ。




 三年が過ぎた。俺に対して無言でくっつくようになってきた。

 ご飯の準備は少し離れて待っているので楽だ。……もっと迷惑かけてほしいなあ。いや、焦るのは良く無い。





 四年が過ぎた。外に出るのはまだ難しいみたいだ。

 だがトイレになら補助付きで行けるようになった!

 成長が著しい……。かわいい。




 五年が過ぎた。

 会話機能はまだ壊れているが……外に出ようと、たまに頑張る姿を見かける。




 六年が過ぎた。トラブル発生…外に出たらたまたま、過去のトラウマを思い出させるものが視界に入ったようだ。


 俺に抱きついて大泣きした。しばらく外は控えよう。




 七年が過ぎた。

 心の傷がすぐに治る、いい傾向だった。


 外には出たがらないが、俺のいる生活にも慣れてきたようだった。というより依存に近い状態で甘えてくる。


 ならそろそろ常識講座を始めよう。外に出る上での認知を矯正する……その授業だ。




 八年が過ぎた。常識講座は思った以上に順調に進んだ。


 アラカがこの子の心を壊したことによる依存がよく効いたのだろう。


 スペック的には一人で生きれる程度にはあげておいた。

 あとは心だが……まだ最低の基準に届いていない。





 九年が過ぎた。常識講座を終えてからは……少しだけ、外に興味があるみたいだ。。


 世界は怖いものという認知を壊しておいた影響だろう。



 夏祭りに行った。嫌な記憶が蘇っても、俺と過ごした9年間の記憶を思い出すことで事なきを得ている……うん、いい傾向だ。





 十年が過ぎた。色々な場所に遊びに行った。


 遊園地に、イベントに、美術館に、祭りに旅行……色々なものを見て、それを観れる……治り始めてきた。




 十二年が過ぎた。

 他の子供との交流をさせてみた。



〝え? まま? いいよーー! 新しい妹の治療手伝う〜〟




 ゲストとしてアラカの子宮にいる子を呼びました。ミュゼ辺りならある程度はまともに会話してくれるだろう。




 二十年…大体は治した。これで大丈夫かな。

感想、ブクマ、評価、いいね。いつも本当にありがとうございます…! 大変、モチベに繋がっております…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新待ってました。 とっても良かったです これからも頑張ってください
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ