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五十五話、何かの妄想にしがみついてる人ってマジにどうしようもないよねーーーー!!♡♡♡

久しぶりの更新ですーイチャラブシーン描きたいよぅ……

◆◆◆


 レビィア戦終了、ブワッ、と言う熱気がアラカの背を襲う。




「よぉ! 少しぶりだな英雄!!」



 腹部に穴が空いた。いつぞやの炎を腕に纏わせ飛ばす攻撃である。竜鱗さえ貫通せしめるそれはアラカの腹部など平気で破る。



「兄さん、攻撃だめ」

「既にされたのですが」



 今なお焦げ続けるお腹を不死で治しながら、アラカは立ち上がる。



「あー…まあ、わかった!! 弱い奴は殺さなきゃならねえが、今は耐える!!」

「配慮ありがとうございます」



 アラカはムラマサの顔面に向かって拳を叩き込んだ。

 耐えてくれるらしいのでアラカ的には有難い配慮だった。



「いや草」

「耐えてくれる、なんて…なんて、お優しい」

「新手の煽りやめろ」



 そして二人の前には一発で落ちたムラマサ。



 〜数分後〜



「コイツら、弱い奴だろ? だから殺そうか殺さないか、レビィに聞こうと思ってな!!」


「あ、起きた」



 呪符から何かの異能を放ち、そこから沢山の人が落ちてくる。

 全員は足の腱を切られており……同時にそれが格好から記者の類だと分かる。



「ひっ」



 記者はレビィアを見て恐怖する。


 瓦礫をベッドに横たわる血まみれの聖女…それだけでも彼らには脅威のようだった。




「カニバの奴らも喰いたいってよ!」

「あー……あの子達、クズの肉は踊り食い好きだからねえ…」



 満面の笑みでそんな通達をするムラマサ。


「あっ、た、だすけて!」



 そんな彼らの視界には一人の英雄がいた。ナイフを逆手に持ち、悠然と佇む少女。



 ————菊池アラカ。救世の英雄とも言われる彼女を視界に入れて、助けを求めるのは自然の摂理だったのだろう。



「んで、レヴィ、どうすりゃいい?」


「うーん…アラカさん、次第かしら」


「わかった!」



 即答。レヴィアの言葉はまるで疑わないムラマサは、何処か機械じみた不気味さがあった。



「レヴィア、さん…理由、を、お伺いして、も?」

「アラカさんの行動を、わたしたちは止められない。止めるだけの力が無い。

 武が法を形作るのなら、極論この場の方はアラカさんなの、おk?」

「おけ」



 アラカは記者に近付くと、カメラと写真入れを奪い…データを見る。



「ええと、たすけて、でしたか」



 アラカはばら撒く様に写真を捨てる。

 地へとヒラリ、と落ちる。




「「うわぁ」」



 ————アラカの写真、しかも隠し撮りだった。


 外を歩いてるところ、先程の会話の様子、旅館…のような場所(半分以上が謎のヒビ割れで認識できない)…様々なアラカの写真だった。



「…………この記者、新聞社、聞き覚えがありま、すね…」



 次に、アラカは懐から名刺入れを取りだし、それを見る。


 それは、アラカも覚えのある新聞社だったゆえ……再度、アラカは記者へ視線を向ける。



「あの」




「どうして、私を、挑発する、記事を書いたの、ですか?」




 過去、ネットで誹謗中傷が溢れた時期……扇動していた男がいた。


 その男は新聞記事で菊池アラカの悪事デマを流し、強い感情論で記事を書き続けていた。



「…〝世間はゆる、しても。おれはゆるさないぞ。いつでもあいてになってやる〟」



 それが巡り巡って、テレビの番組に出演。


 アラカ叩きというより、挑戦状というにはあまりにもお粗末な言葉選び。



 その態度はネットでも反感を買ったが、それでも極一部だったゆえ…そこまで有名ではなかった。




「それは、なぜですか?」





「すすすすす、すすまない!! もうしない!! これからはお前を称賛する記事を描く!! 約束する! これからは真面目に」



 ————瞬間、名刺(花弁)が夜空を彩るように舞う散る。




「わたし、への攻撃を、していれば、いい…と言った、空気が、ある、時代…でした。

 なんて、ひどい、罰当たりっ子」



 フランス革命の時代を舞台に描かれた小説……罰当たりっ子。

 


「司祭をギロチンへ、貴族をギロチンへ。

 みんなの渇き、を癒すた、め」



 ジャック・ブルイユは偉大な司祭をギロチンへ。


 その末路に生まれた罰当たりっ子、彼女は彼を始まりのギロチンへと連れていく。

 


「助けて、でしたか」



 ふわり、と振り向き…アラカは記者へ目を向ける。



「お断りします、ごめんなさい」



 そう、頭を下げた。



「不誠実な方を、助けたく、ありません」



「ど、どうして!? もうあんな記事は書かないんだぞ!? 助けてくれてもいいじゃないか!!」



 アラカは静かに瞳を閉じて、微かな威圧と共に…言葉を紡いだ。



「貴方に問うた…何故、あんな記事を書いたのかと」



 問い:【記事を書いた理由】を答えよ。



「貴方は答えた…ごめんなさい、と。

 これからまともに書くから、と…。

 ……聞いてもいないのに、私が怒っていると決め付け…会話を拒んだ」



 答え:ごめんなさい、これからまともに書きます。もうしない。



「こ、拒んでない!!

 と、というか…怒って,ない…?」



「なら何故、私の問いに答えなかったのですか?」



「そ、それはお前のためを思って!」



 お前っていうなよ殺すぞ(イライラ)



「何故」



 白銀の髪を風で揺らし



「何故」



 微かに笑んで



「————何故?」



 真紅に染まった瞳は、あまりに殺意が滲んでいた。



「何故、私のためを思うと…私の問いに答えないことになるの?」


「あっ、えっ、えっと、それは」




 記者は、殺意に当てられ、冷や汗と、自律神経の崩壊で、声を紡げないでいた。



「貴方はきっと…誰かのため、という言葉を多用する人なのでしょう」




 そういった気質がある新聞記者は、当然の結果としてパワハラが問題になっていた。


 その話題逸らしとして、アラカ関連の記事を書き……記者は有名となり、パワハラ事件も有耶無耶にされた。



「それに、助けてほしいというのなら…今まで助けた分、返してから言ってください…」



 アラカは知っていた。

 全て観測できていた。



「か、かえす!! 絶対返す! だから」




「————今まで、助けていたのですから…もうこれ以上は…返してから言ってください」



 その条件は、あまりにも、優しすぎた。


「貴方が、いつか、私を助けて…その時、まだ手遅れでなければ、一度だけ…助けましょう」



 その条件は、あまりにも対等すぎた。


 相手の立場に立っている。



 加えてアラカは、優しすぎた。

 怒りに狂い殺意で暴走してもおかしくない、寧ろして当然な精神状態のはずなのだ。


 だと言うのに、彼女は「少しは恩返ししてから言って」という、あまりにも優しすぎる答えを出した。




「そ、そんなんじゃない! ちがう、たのむ、たのむよ……仕方なかったんだよ、俺はそんなことしてなくて、違くて……」



「————これからは、まともに書くから」



 男は、現実逃避すらできなくなった。その道さえ防がれる。



「————もうしない、ごめんなさい、お前のため」



 主義者は、主義の矛盾を指摘されれば、うるさいうるさいと、子供のように駄々をこねる…………。


「ね…………言ってること、すごく矛盾してるね」



 防衛本能……主義者の防衛本能と……生命としての防衛本能……それらが合わさり、どうやっても…男は。




「————————————————」



 ただ、無言で、ただただ、大きな月を見て




「————————あ、おれ…もう終わってるのか」



 真紅の瞳が、全てを見抜き……見透かし、嘲笑うものだから。




「ぁっ、あ、あああ…!!」



 それが理解できるから、同時に理解したくないから。



 それでも、彼女の哀れなほどの善性を前に、そんなこと出来なくて。




「ああああああああああああああ!!!! あーー!!」



 主義と現実に挟まれて、男は壊れた。







「ソクラテス、式質問、法…」



 そんな呟きに、アラカは向き直った。

読んでくださりありがとうございます…!

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