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神様と聖女様

おいでになられたようですね。

みなさま、頭を下げてお出迎え下さい。


神父と名のる者が指さす方向に光が収縮して、そして拡散し現れた人々は、白い輝く集団だった。

白銀の鎧を身に着けた兵士達20名、聖女に使えるシスター20名、高位の聖職者と思われる者達10名、そして光り輝くように見える聖女様、まるで天界からおいでになられた一行様達の様である。


聖女様は美しく慈愛あふれるお顔をなされている。まるで女神様の様である。

誰もが跪き、慈悲を乞うような聖女様であった。


ボスは冷静に居られるはずもなかった。神父とシスターを殺し土地を奪おうとした大罪人なのだ、もし神が存在するなら、我らを許すはずもない。

そんなことを思わせるぐらいの神々しいお姿なのだ。


突然現れた神の使いに、ボスと神父のもめ事を眺めていた人々だけじゃなく、町中の人々が集まりだした。


小汚く、とても教会とは思えない誰もが見向きもしない建物が、いつの間にか立派な教会に変わっている。それだけでも驚きなのに、あの集団は何なのだ?


みんなが見守る驚きの中、跪く少女の前で聖女様が立ち止まりお言葉を掛けられる。

「貴女が清き心の乙女ですね。神は何時も貴女を見守られていましたよ。私は貴女に救いの手を差し伸べるように、神様から指示を受けまいりました。頑張りましたね」


「ありがたき幸せ」

「そうですね、人々も集まりましたし。これまでこの教会を支えてくれた人々にも、祝福を与えるべきですね。」


・・・・・・あれ?・・・・・・・


「聖女様いかがなされました。」


「私にはここに集まった人々から、この教会に対して慈悲の心も、慈愛の心も、教会に助けの手を差し伸べてくれた痕跡を感じ取る事が出来ません。」


「町の者達は神父様とシスターがお亡くなりになられてからは、誰一人教会に訪れてくれる者はいませんでしたから」


「あぁーなんてことでしょ。町の者からは、神に対しての信仰心を感じ取ることが出来ません。貴方達、教会に救いの手を差し伸べなかったのですね。治療もしてくれない教会なんか用済みだと思っていたのですか?あぁー嘆かわしい・・・・・」


「聖女様これがこの国の現実なのです。」


「そうだわ!私達が来た時に神父と話していたあの人なら、え!えぇーえー貴方からは信仰心どころか、悪意を感じます。なんです貴方のその禍々しい悪意は、真の犯罪者しかそのようなオーラーを発しませんよ。」


「儂はなんもしらん、なにもしていない!」


「この様な清らかな乙女が居るのに、こんな国は初めてです。」



聖女様は跪き、神に祈りを始めだす。

涙を流しながら、何かを訴えるように聖女様の祈りは天空に届きそして!


上空に光の点が次々に現れ、そしてその点は天使へと変わって行く、跪く聖女の前に一筋の光芒が差し込み、美の化身と思われるほどの女神が降臨された。

人々は一斉に土下座をして、地に頭を付ける。


「我が愛しの子よどうしたのです。貴女の嘆きが天空まで響いてきましたよ、何をそんなに嘆き悲しんでいるのです。何があったのか話してみなさい。」


「私の親愛なる女神レーベル様、この町には神を信じ、慈悲の心を持った者がいません。それどころか、この者なんか教会に対して悪意しか感じることが出来ません。わたしはーシクシク」



人々は驚愕した。神様が降臨なされたかと思えば、直ぐに破滅のエピローグが進められていく、終わった!誰か誰かこの終焉の流れを止めてくれー


願いもむなしく、快晴だつた空に暗雲が空を覆い稲妻が走り出す。

日は遮られ、あたりは闇へと変わって行く。

光り輝く女神様と聖女様のみが闇夜にうかぶ、スポットライトを浴びているかの様に


「我が愛しの子を、ここまで悲しませるとはなんと愚かな人々よ。分かりました、聖女よこの国は浄化の炎で焼き尽くします。それで貴女の傷ついた心は癒されるとは思いませんが、少しでも悲しみを抑えておくれ」


「お待ちください女神レーベル様」


町の者達は神父の勇敢な行動に感銘した。我らは守る為に懇願してくださるのだ、ありがたやーと思った次の瞬間神父の発した言葉に愕然としてしまう。


「どうか!どうか!教会に住む者達だけでもお助け願えないでしょうか、何時も飢えながらも、神様への忠誠を誓う小さな子供たちなのです。」


「そうですか、分かりました教会の者達は救いましょう」


えぇー私たちは―、町の者達は神父を信じた自分たちに肩を落とす。

そんな中、清き心の乙女が、震えながら女神様に懇願してくれる。


「女神レーベル様、どうかどうか町の者達もお救い願えないでしょうか?」


「それはダメです。信仰心も無い者達をこの地上に蔓延らせるわけにはいきません。」


「女神レーベル様彼らもこれからは多額の寄付金をしてくれるはずです。」


「町の者達よそれは本当なのか?」


町の者達は一斉にうなずいた。


「でもそこの男たちは教会の土地を奪い、私を手籠めにしようとしています。子供たちは売り飛ばし金儲けを使用としているのです。神父様とシスターを殺したのも彼らかも知れません」


「なんだとー!許さない許さない、おまえーそれはほんとなのか?」


男たちは震えに震えた、裏稼業でのし上がってきた私達でもこれはやばいやばすぎる、魂から消されてしまう。なんとか、何とかしないと


「私たちはこれまでの行いを悔い改めるために教会に寄せて頂いた者達です。全財産を寄付るるとお知らせ参った者です。決して教会に仇なす者ではございません。」


「ほう懺悔に来たのですか?全ての財産も寄付すると?他の男たちもそうですか?」


黒服たちも一斉にうなずいた。


「その言葉嘘ではないであろうな」


「商会に帰り全ての従業員の全財産をかき集め、寄付させていただきます。」


「心清き乙女よあんなことを言っているがどうする?信じるか?」


「でも町には沢山の悪党やごろつきが居ますし、黒幕も居ると思います。またこの土地をねらわれるかもしれません、それにその男の言葉など、到底信じる事は出来ません。私にあんなことやこんなことを使用とした男です。」


「そうかなんと汚らわしい、やはり国ごと消滅させましょう。こんな悪党たちが居るのに何もしない王も悪いのです。」


「お待ちください女神レーベル様、そこの男たちに悪党を捕まえさせて此処に連れてこさせるのは如何でしょうか?王様にも寄付金を渡すように国民に懇願させましょう。」


「分かりました神父の言葉を信じてみます。皆の者分かったか?1週間後にこの地に降臨する。それまでに、我が納得する結果を出すように、それまでは消し去るのは待つとする。」


神様は姿を消し空は元の明るさを取り戻した

それから神降臨の噂が国中に広まり、国を逃げようとするものが多発したが、全て国境を越えた時点で、神の業火に焼かれもがき苦しむ。それを見て、国外に逃げることを諦め、静かに審判の日を待つものや悪党を突き出すべく動き回る者、王は奉納し謁見するための使節団を用意した。


---------


「どうだ、私の考えたシナリオは、上手くいっただろ」

「あなた、最高ですわ、私も聖女様ごっこが出来て楽しかったですわ」

「私も神降臨ごっこは大好きですからね、めちゃくちゃ楽しめました。天使さん達も驚くほど乗り気だったんですよ。」

「1週間後にどれだけの金が集まるか楽しみだわ、がっぽり儲けるとしよう、ガハガハガー」


「あのーこんなことして、神様の天罰が落ちるのではないのでしょうか?」

「そんなこと気にしなくて良いですよ。貴方達が毎日神様にご奉仕している神が、あの人なのですから」

「え!えぇー!」

「うむ!好きにすればいいぞ!何をしてもかまわん!おもしろければ何をしてもいいぞ、神々から認可は貰っている。安心するが良い。」

「そうですねこの教会を本山にしましょうか?金稼ぎまくれば良いのです」


「神の降臨なされた唯一の教会です。他国からも信者が沢山訪れるはずです」


「あのー言いにくいのですが、我らの祭る神様は男神様なのですがー、私達の総本山も唯一神たる男神様をお祭りしています。」


「そうですか、では明日には消し去っておきます。」

「レーベル様それだけはおやめください」

「どうしてです?もー必要ないでしょ。そんな神居ませんし、いたとしても土地神が良いところ、何の力も持っていませんよ。」

「それでもーこれまで神様を信じて心を助けられた人も沢山いますし。聖職者のヒールにより助けられた人々も沢山います。」


「その者達は回復魔法を掛けて私腹を肥やしているのでしょ、ライバルは少ないほうが良いのではないのですか?」


「まー良いではないか、治療処は多い方が良いのだから、暫くは放置だ。」


「そうですね必ず本山から、ちょっかいやいちゃもんを付けて来るはずですしね、それも面白そうじゃないですか」

「母さんもえげつないなー」


「ところで、聖職者は回復魔法が使えると言いましたが、何をきっかけに使える様になるのです。貴女、見習いでまだ使えないのでしょ?」


「10年間修業して、金貨10枚を本山に納めると、高位聖職者に付与を授けてもらえます。」

「え!自分で覚えられるのじゃないのですか?修行すると聖属性を習得できるとか、、光属性を習得できるとか」


「聖も光も火も水も土も風も全て生まれながらに天性の物です。闇もありますが、それは誰も言おうとしません、イメージが悪いので、中には2大属性3大属性を生まれながらに持っている人も極まれにおいでになります。それはほとんどがエルフや妖精族ですが、付与を授けて下さる高位の司祭様もエルフ族の方です。」


「なるほど!エルフ族が独占しているのですね、レーベルさんこの子に全ての属性を付与してみてもらえますか。」

「良いですが魔力がほとんどありませんがどうされます?少し魔力を使うだけですっからかんになりますが」

「増やすことはできないのですか?」

「できますが、器が小さいので直ぐには膨大な魔力を使うことは無理ですね」


「困りましたね、多くの人々があつ待った時に、この子にも聖女イベントを経験させてあげたいのですが、何とかなりませんか?」


「生命のレベルを上げて神力を身に着けさせれば何とかなるかとは思うのですが、少々人間止める事になりますが良いのですか?」


「そんなの気にしなくて良いですよ、ドバっと上げちゃって下さい。私達には影響ありませんし。」


「分かりました。それでは、始めます!」


汝心優しき乙女よ、清き心と強気意志、慈悲と慈愛の精神に我はいたく感銘した。よって此処に聖少女の称号と神に愛されし乙女の称号を与える、これからも我に忠誠であらんことを


「レーベルさんそれなんです。私もそんなのしてみたいのですが」

「奥様なかなか良いでしょ、神イベントで遊んでいたときによくやっていたのですよ。今とは比べ物にならない弱い力でしたが」



「私もフクカに頼んでみますわ、どっちみち人間止めているのですから今更ですものね」

「奥様人類が跪き頭を垂れるの面白いですよ、スカーとします。」

「いいですねそれ」


「あなた、私も神格上げてみたいのですがよろしいかしら、せめてレーベルさんに頼らなくても神イベントぐらいできるようになりたいですわ」

「良いのじゃないか、神格は押さえることが出来るのだから」


「ですわよね、最近三男の神圧の方が強く感じますもの」


少女は困惑していた。気がふれた会話に、少女の考えを完全に無視した会話に、そして少女の生命の格を上げると言う会話、少し位自分の意思を聞いてくれて良さそうなのだが、彼らはそんなこと気にもしていない。私に良かれと思っているのだろう、でも人間止めたら私の恋はどうなるの?


「どんな感じです?人類が虫けらに見えませんか?ウフウフ」


「いいえこの場所に虫けらは居ませんので、まだ何も感じません。」

「そうですか、はじめはなれませんが慈悲の心で接すれば、いずれなれますよ。」


あぁーそうなのか、私は虫けらと恋をしようとしていたのか、なんとおぞましい、



そして一週間後を迎える。

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