ある若者の悲劇
俺は19歳になったばかりの海軍志願兵である。
学徒出陣にて文学系の学生も戦争に徴兵される。
実家が漁師だったため、泳ぎも船酔いにもなれていると思ってる俺は、海軍を志願した。
重巡洋艦摩耶に配置が決定し、レイテ沖海戦に出撃命令が下った時、
母の顔が過り、お国のためにと、家族のためにと、愛する人たちのためにと、死を覚悟した思いが、里心で消えそうになる。
頬を叩き気合を入れるが、口からは「かあさん」と自然に漏れ出してしまう。
かあさんにもう一度会いたい。
ある日艦長から、異世界での自分たちの想定や筋書きのコンテストを開くと通達される。
応募資格は17歳~20歳まで、優勝者には神器級ゴッズ・伝説級レジェンドを進呈と書かれてる
文学系で小説にも興味があった俺は、応募することにする。
高評価で艦長からもお褒めの言葉を頂き、優勝を勝ち取る。
ウキウキ気分で廊下を歩いていると、月光を浴びながら窓辺に佇む少女が「おかあさん」と悲し気に外を眺めていた。
あの子は艦長に詰め寄っていたエルフの少女だ、我らと違いあの子の母は、この星においでになるのだ、会いたいだろ寂しいだろう、俺は何のためらいもなく、彼女に声を掛けていた。
俺は優勝が決まり二日後に艦長から呼び出される。
星を1個渡すからその星で君の考えた筋書きの実体験してきなさいと言い渡される
俺は思わず上官の前で「え~~~~」と大きな声で叫んでしまった。
今神器級武器の改装と調整を行っている、君には神サポートアプリ・マヤちゃんを与えるから、星で困る事は無いと思う。なんかあれば神様から貰った転移を使えば直ぐに戻れるし、食事は時空要塞で取れば飢える事もないだろう、頑張って楽しんできてくれ
二週間後送別会が開かれ俺はみんなの前で挨拶を行う、横にはニコニコと微笑ながら俺の袖を掴む少女がいた。
与えられた神器は全長32kmの超巨大宇宙戦艦だった。護衛艦として大和型戦艦5隻、摩耶姉妹艦10隻、空母7隻、駆逐艦30隻、ミサイル艇30隻、補給艦5隻・・・・・が宇宙船内ドックに停泊し、艦内倉庫は無限倉庫と直結していて、好きなものを取り出せると説明を受ける。
貰った星はナノマシーンは既に散布されており星の情報収集は完了しているらしい。
俺の考えた筋書きや現地の人に話す設定を説明しておく。
①俺はお爺さんんと魔の森の奥で暮らしていた。
②お爺さんが病気で亡くなり転移石でこの町の近くまで来た。
③盗賊に襲われているこの子を助けたが、ご両親や冒険者は既に事切れており、この子だけ助ける事が出来た。
④・・・・・・・・・・
あ~~~~~恥ずかしい全てパクリではないか、こんなので優勝とかありえない、そう!そうなんです。
私は艦長たちに嵌められたのです。みんなが言ってたあの巨大な船、無限倉庫内でも邪魔すぎると5隻あるうちの1隻を押し付けられたのです。
それにあの問題少女までも付いてきました。最悪です彼女感情の起伏が激しすぎます、一緒に居て疲れます。
副官が「艦長お見事です。あの巨大船見事に押し付けられましたね、あの問題少女まで押し付けるとは、さすがです。」
艦長が『神からの贈り物むげにはできないからなー後4隻何とかしないとな、そうそう天使からお礼の言葉を頂いたよ、あの問題少女何を言っても、むくれて話を聞かなかったらしい、厄介払いができて嬉しいと』
副官が「彼もこれから大変ですよね、彼女、彼を逃がしませんよ怖すぎて寒気がします。」
艦長が『若い頃の苦労は買ってでもせよて言うしな、いいんじゃない、見なかったことにしよう。』
副官が「艦長が彼女にアドバイスしてるところ見ましたよ、怖いですね、悪魔の様です(笑)」
残る4隻も艦長たちに騙された若者が旅立つ事になる
応募を掛けた所一緒に付いていくと言う天使達も居たために
艦長が『若者諸君!天使や女神様と暮らす事は男の夢、「ああっ女神さまっ」のDVDを若者に配布していた』
16名の応募者があったため4人一組で各艦に分乗、若者たちは色んな妄想を膨らませ各星に散らばっていく
副官が「若者てほんとおばかですよねー」
艦長が『最初に飛び立った一人の彼女だけの方がまだましだったかもな(笑)』
何か月か経ちマヤちゃんアプリを通して助けを求める悲痛な叫びが艦長の下に届くようになり、艦長は静かに通信拒否ボタンを押すのであった。




