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武術大会

おかげさまで100万文字達成できました。ホントにありがとうございます。

ここは冒険者ギルドホール、冒険者にからかわれながら受付にギルドマスターに合わせて欲しいとお願いする。

本来ならそんな頼みはEランク冒険者では追い返されるのだが、二人の放つオーラに押されて、ギルドマスターに話を通すのであった。


ギルマスは、この前の魔物が消え食べて行けないと訴えていたEランクの事だと察して、会うことを了承する。


「貴女達、ギルドマスターあってくださるわよ、本来ならアポなしで会えるような人ではないの、失礼のないように対応するのよ」

「承知しています!ご配慮ありがとうございます。」


「こちらよ付いてきなさい」

「ハッ!」


「コンコン。二人を連れてきました。」

「入りなさい」

「二人ともこちらに来なさい」

「了解いたしました閣下!」



挿絵(By みてみん)



「閣下?・・・まあいい!」


「我ら冒険者にとっては最上位のおかた。軍で言うなら大隊長・総司令官でありますゆえに、閣下とお呼びさせて頂きました」」


「そうか普通のギルマスでいいよ、ていうか、お前たちこの前まで、おっちゃんと呼んでいたではないか」

「ハッ!若気の至りで、申し訳ございませんでした。」


「まだ時間もたってないけれどな(笑)まぁ~よい、それで、お前たちそのかっこはどうした?」



挿絵(By みてみん)




「気に入って着用しているであります。」

「Eランクが、いいや冒険者が着られるような、安物の服には見えないな」

「頂いたであります。」


「その細い剣もか?そんな細い剣では魔物は倒せないよ」


「おっしゃる通りではありますが、倒せないのではなく、恐れ多くて、こちらの日本刀、神器を血で汚すことができませんから!倒すのは他の武器か魔法を使用したいと思っています。」


「お前たち他にも武器を貰ったのか?武器は高価だし、それにEランクのお前たちの魔法で魔物が倒せるはずないだろ」


「武器は沢山いただいております。それと閣下の忠告を聞き入れ、魔法の鍛錬に日々精進したいと思います。」



「話があるのであったな?何の様なのだ」

「Eランク冒険者が悲惨なことになっております。このままじゃ飢えて死ぬ子も出てきます。」


「それなら、中央ギルドとの話が決定した。この州に限りギルド法の改正を行った。EからDランクの昇格が楽になり、低級ダンジョンの入出がこの街に限り、Dランク以上の冒険者と一緒なら入る事ができるようになった。ただし、入室する前にギルドへの報告は必須だ」


「色々ご配慮ありがとうございます。」


「それとだ、この街の外にコロシアムを建設することになった。その作業に多くの人手がいる。それに伴い多くの雇用が発生する。そこで冒険者を雇う事にする。低級冒険者も仕事にありつける」


「それはありがたいであります。」


「コロシアムで定期的に武術大会を開き、街の活性化と冒険者の流失を防ぐことにする。魔物が居なくなりこの街には観光客も来やすくなっているからな、町の観光の目玉とする」


「冒険者も参加できるのですか?」


「もちろんだ、そこでの成績はギルドランクに影響するように改正を行った。他の地域からも多くの冒険者が訪ねてきてくれる。」


「力がある者は昇格も簡単になるのですか、不公平な」


「我が街には、最高峰の超ダンジョンがあるからな、それも我が街の大きな収入源になる。」



「あんなダンジョン人間ごときが・・・ウグ~苦しい・・なんでもないです。」

「すいませんでした。閣下!」


「???まぁ~いい、第1回武術大会が開かれる前にEランク、Dランクの若手武術大会を開催して優秀な冒険者を見つけだす。それだけじゃなく、本選に出られる事になったEランク冒険者は、Dに昇格させてやる事になった。」



「本選出場条件は?」


「およそ半数を予定しているが、参加人数が多ければ減るかもしれない」

「パーティー参加になるのですか?」


「そうなるな1パーティー5人以下、必ず2名以上のEランクの冒険者が入っていることにする。みんな必死でパーティー加入競争になる。早く加入させて実力を身につけさせなくてはいけない」


「そんなEランクの子供を、Dランク冒険者に託すのが不安なのですが」

「食べていけなくて死ぬよりましだろ、我慢してくれ、街の外に会場を設置する。簡単な会場だから1週間もあれば作れる。」


「開催が決定すれば我らも参加させていただきます。」


「どこかに入らないとEランク2名では、本選にでられることは無理だと思う」


「大丈夫です。我らの高等な戦術に他の冒険者が参加しても付いていけませんので」



新人武術大会は20日後に行われると発表された。

ギルドを通じて各地同時発表になる。

本選出場できるだけで、Dランク冒険者になれるとの発表に、猫も杓子もこの街を目指す事になる。


その中には、実力者も多く含まれていた。

そしてEランクは子供だけではなかった。年齢制限がなかったため、Eランクのまま放置していた武闘家達も含まれていた。


真の力を持った者たちがこの街に集結しだす。


みんな強さを求めて、そしてDランクに簡単になれるなら参加しておこうと。


そして何より、瞬く間に強豪たちの間で広まった最強ダンジョンの噂である。

そのダンジョンに入るためにはCランク以上が必要なのだから


ギルドの思惑に反して、大きくずれていく新人武術大会であった。



-------


「ご報告いたします。教官殿!」


「ほう、それは面白そう、私も参加してみようかしら」

「それはお止めください、街が吹き飛びます。」


「大丈夫よ、化け物扱いしないで(笑)」


「自分達も参加してよろしいでしょうか?」

「もちろんいいわよ、頑張って優勝してきなさい。」



-------



そのころ冒険者ギルドでは


「ギルマス大変なことになっています。」

「どうした?」

「大会参加者が予想していた人数のはるか上をいっています。」

「そうか!賑わっていいではないか、」

「それが~~~~参加者の中には有名な剣豪や魔導士も含まれています。それだけではありません。竜神族やエルフも参加しています。」


「えっ!新人冒険者の大会だろ、どうしてそんな者たちまで参加しているのだ?」


「彼ら冒険者には興味がなく、登録なんかしていなかったり、Eランクのまま放置していた者たちです。それが、今回の高レベルダンジョンの噂が独り歩きして、Cランクにレベルを上げないと入れないと、あわてて登録するものが増えました。」


「えっ!あのダンジョンはまだ世間には公表していないダンジョンだ!なんで噂が広まっている。」


「お宝欲しさに、討伐に誘いまくった多くの冒険者が居ました。魔物を倒せればあのドロップです。みんな躍起になっています。」


「それと大会と何の関係がある?」


「本選参加出来たらDランク確定です。手っ取り早くDに上がります。」


「これでは我が町のEランクの冒険者は、確実に予選落ちではないか」


「ハイ!Eランクの子供たちが2メートル超える巨漢の大人に挑むことはできないでしょう。彼らはA級冒険者以上の力を所持している者ばかりです」


「どうする?」


「今、街は活気にあふれています。多くのEランクの子供たちは雑用をこなして、お金をもらっているようです。大会が終わった後昇級試験をと銘打ってDランクに上げてやるしかないでしょう」


「仕方がないそうするか!こんなことになるなら、参加料徴集するのだったな」


「それなら今来ている強豪たちを片っ端からCランクに格上げして高ランクダンジョンに潜らせましょう。セフティーゾーンにギルド直営の薬局、武器屋や防具や修理や旅館、等々の施設を運営準備中です。本格稼働させればかなりのお金が回収できます。ギルドの支店も建設中ですので」



「それなのだが、商業者ギルドや軍が運営に参加させろとうるさく言ってきている。今は突き放しているが、国が口出ししてくるのは間違いない。今のうちに基盤を固め、付け入る隙が無いようにしておかないといけない」



「それは大丈夫です。ギルド本部も動いています。建設の為に多くの人材を送ってくれています。」


「あのダンジョンは金の生る木だからな、他の勢力には少しの管理権でも渡すことはできない、ダンジョン運営は私たち冒険者ギルドの管轄だ!」



---------



そして初級冒険者武術大会が行われる。

当初1日だけの開催であったが3日に伸び、参加者が増えすぎたため開催当日には5日になっていた。


ギルドからは、夢を持って訪れた小さな子供たちに、せめてお腹いっぱいになってもらおうと炊き出しが行われた。


町内から集めた古着も配られ、子供たちはギルドの失敗は気にすることなく満足するのであった。


挿絵(By みてみん)




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