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デジャヴ

未知のエネルギーの魔力がコアちゃんにより解明され、後は一般人並みに魔力を抑え込むアイテムのヒントを探す簡単なお仕事、摩耶クルー達は異世界小説を読み漁っていた。


直ぐにアーティファクトで魔力を抑え込むアクセサリーが頻繁に小説に出てくるのを見つけ、コアちゃんに作成可能か尋ねてみると作成可能との返答を受ける。

出来上がってきたネックレスや指輪、イヤリング、ブレスレット数々の装飾品を全て付けないと膨大な魔力を抑え込む事は出来ないと聞かされた摩耶クルー達は一斉にむり~~」と叫ぶのであった。


大日本帝国軍人がチャラチャラとそんな物を沢山つける事は出来なかったのである。

軍服で抑え込む事が出来ないか尋ねるも、有事の際に裸で戦う積りですかと答えられる。


ポシェットに入れて持ち歩くに決まる→

歩いてみたらジャラジャラと音がする→

ハンカチに包みポシェットにほり込む→

纏めるなら手の平サイズの板で良くないと誰かが言い→

携帯できる情報端末にすれば便利だよねと誰かが言い→

お話出来たら便利だよねと誰かが言う→

スマートフォン型に決定→

聖女様(50人の拉致した神官)にもお渡しする→

聖女様に摩耶クルーから頻繁に電話が掛かりクレームになる→

着信拒否機能を搭載→

スマートフォンをトイレで忘れる人が多発、忘れ物係りが頭を悩ます→

艦内トイレでスマホ忘れたんですけれど、ストラップにマヤちゃん人形がついてます。→

それらしき物が届いていますね、パスワード打ち込んで開いて貰えますか?→

公的な身分証明書とここにハンコお願いします→

あってよかったですね艦長→いまここ


「艦長全て準備が整いました。隠ぺい魔法もクルーみんな習得済みです。何時でも冒険の旅に出発できます。」

『副官くん何処に行くかね?私はエルフの里が希望なのだがね、想像するにユグドラシルて地名で世界樹がそびえ立ち魔物により世界樹が侵され枯れかかっている、私たちがその危機を救いチヤホヤされる、まさに冒険の王道!だめかね?』


「艦長いきなりエルフの里は止めません?お楽しみは後に取っておきましょうよ、それと艦長のその考へ私たちが世界樹を枯れさせてしまう最悪の結果しか想像できないのですが」


『う~エルフの秘書が』

「秘書は魅力的ですがここは我慢して、真の王道、始まりの町にしませんか?冒険者になるにはまずギルド登録からでしょ、ギルドテンプレを満悦してから次に進みましょうw私たちには時間はめちゃありますから」


『副官くんギルドテンプレてみんな若いよな?学徒動員で集められた若者たちは良いとして、私たちおじさんだよな、どうするよ?』


「コアちゃん肉体いじくり15歳位に見た目変えられる?」

[骨格の成長が留まった状態の時までなら改変が可能です、子供とか赤ちゃんになると、脳だけ移植になり人体は別物になりますが、見た目や触り心地は人類と何も変わりません。何歳位を希望ですか?]


「艦長行けるみたいですよ、すきなだけ若返って来てください、これからは私がマヤちゃんのお父さんになりますから、遠慮なくさ~早く」

『副官くん怖いよ、父の座は譲らないからね、』


この星の始まりの町は確認出来た所40か所が初心者冒険者が集まる場所の様で、摩耶クルー搭乗員100名にて1回目の冒険者登録を行い順次残りの摩耶クルー全員が終わらせて行く計画である。


魔獣に襲われた村から脱出できた100名の村人が食べるために冒険者になると言う筋書で行くはずだったのだが、女性を誰も助け出せなかった腑抜けた男にはなりたくないと、みんなが反発、急遽有機物とナノマシーンにより女性型生体アンドロイドを作成しコアちゃんが全て管理する事になる。


人数が増えすぎて、町が助けてくれるであろう人数を遙に超えていると予想されたので15名の脱出者に変更、(女性5名・男性10名)にてイベントを楽しむことにした。


[まもなく当艦は上陸海域に着水を行い、強襲上陸艦モードに変形後、拡散素粒子砲にて通路を確保いたします。5・4・3・2・1・着水5・4・3・2・1・変形、エネルギー充填120%拡散素粒子砲発射迄5・4・3・」

艦長が『ちょっとまって~~~~~~~~』と叫ぶのであった。


[なんですか?艦長気分よく作業を進めてるのに邪魔しないで下さい!]

『ノリノリなのはわかるから、少し説明お願いします。強襲上陸艦て何??強襲揚陸艦じゃないの?拡散素粒子砲て何???また全て消し去るの???艦長コアちゃんが何を言ってるのかさっぱりわからないよ』

[え!上陸するのですが何か?進行方向を拡散素粒子砲にて更地に変えるのですが何か?私こそ艦長が何を仰ってるのかわかりません]

『え!コアちゃん着いてくるの?』

[ですが!!]

『ここで待っててくれない?』

[ぜって~~~~に嫌です。!!!!ついてきます。]

『そんな高火力のエネルギー砲撃ち込んだら人類に被害出るじゃん、やめてよね』

[此の地域は魔の森と言われ人類分布範囲から外れています。艦長お気に入りのエルフもダークエルフも居ませんから!ご安心を]

『もういいやすきにしちゃって』


摩耶クルー達は広大な宇宙を知った時から惑星の些細な出来事は気にしないのである。

拡散素粒子砲が発射され大陸の反対側まで一直線の道が出来ていた。


衛星から映し出される映像には惑星に沿って真っすぐ進む白い光がまるで白い龍が全てのカタチあるものを飲み込んで行くように見えたと言う。


幅100㍍の真直ぐ進む道には輝く石がゴロゴロ落ちており、これが罪なき魔獣たちの命の光だと知ったクルー達は鳴り響くレベルアップしましたの脳内アナウンスに耐えながら、一片たりとて見落とさないと回収に勤しむ。


挿絵(By みてみん)


1105名が3日を掛け大型トラック30台分の魔石を回収する。

1105名の顔からは満面の笑顔が漏れており、地上で行う殲滅攻撃の美味しさを堪能するのであった。

中には軽トラ並みの大きさの魔石も混じっており流石人類未到達の地域と驚きが隠せなかった。


後に此の街道を中心に人類の開発が進み大いなる発展を遂げることになる。


今回の災害を利用して村が崩壊した筋書に変へ、100名の摩耶クルーと女性型生体アンドロイド50体が難民として始まりの町に救援要請、職を失った100名の男性が冒険者登録を行うと言う設定で意見がまとまった。


先遣隊を出すのだが今回もマヤちゃんが行くとごねだし、追随してセラ様ソロネ様も行くと言いだされ、艦長の頭にデジャヴが過ぎる。


荒くれものが多い冒険者ギルド、お二人にちょっかいを出すおバカが居て機嫌を損ねられると、この星が終焉を迎える事になりかねない、護衛の為16式機動戦闘車両5台を追加、1車両に付き5名を乗車させて25名のSPでお二人の護衛にあたる。


挿絵(By みてみん)


艦長・セラ様・ソロネ様・マヤちゃんは悪路専用車両にてギルドに向かう事となった。

マヤちゃんはキャッキャッと大喜びなのだが、お二人の機嫌がすこぶる悪く「この道も拡散素粒子砲で平らにしなかったのですか?」と艦長に詰め寄る場面もあった。


30㎞の道のりを1時間掛けて始まりの町に近づくと、道も良くなり行きかう人々も増えてきた。

得体の知れない馬車がエンジン音を響かせ街道を走るため多くの人がパニック状態になる。


町の門番も門を閉め何かを大声で叫んでいる、逃げる人々も閉まる門に駆け込み、入りそこねた人々が門を叩き「入れてくれ~」と悲鳴をあげている、まさに修羅場を見てるようだと思う艦長であった。


拡声器を使い『私たちは魔の森の近くに住んでいた村人です。この乗り物はアーティファクトであり、あなた達に危害を加えるような物ではありません、どうか落ち着いてください』と何回か叫ぶと門が少し開き衛兵がこちらに近づいてくる。

艦長も車から降り衛兵にペコペコ頭を下げながら村人らしく挨拶を交わし、魔の森で起きたことを説明し冒険者ギルドに報告と、難民の受け入れをお願いする。


要請は受け入れられ町に入る認可が下りたのだが16式機動戦闘車は町内に入ることは認められず、護衛隊25名が下車し整列を行い村長に敬礼、村長も返礼を返す。


それを見ていた門番が「え~~~~~~~~~~~~~!」と叫んでいた


近衛兵でも騎士団でもなく独特の雰囲気を醸し出す村人たち、門番から見たその姿は1流の軍人そのものである。


町内に入り冒険者ギルドまで車を取り囲み要人を護衛するかの様に、周りを気にしながら進む集団に町の人たちも怪訝な表情を浮かべていた。

多くの野次馬が何事かと集まるも屈強な村人25名が睨みを効かせ、ギルドに近寄る事も出来なかった。


ギルド前に停車した車から降りてきた人物を見て、集まった人々は膝を折り頭を下げる、それは下等生物の唯一行える行為であった。


艦長が『またかよ~』て頭を抱えた。


挿絵(By みてみん)


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