開校!異世界で始まる教育改革!
昨日今日と、ずっと魔道具関係の仕事をしている。
今日は、朝から採掘場で午前中はドローンタイプの魔道具作り、昼食を挟んで、午後からは作業員の護衛用の巨大魔道具作りをした。
今は村の出入口の所で車を乗り換えて、携帯電話の店にフェムトを迎えに向かっている途中だ。
「なあシム?護衛用の魔道具の操作方法を覚えて貰うのに、学校を利用するつもりなんだけど、その為のシステムを作っておいてくれるかな?」
[わかりました]
「それと、スマートフォンの操作方法を説明する動画と、学校で学べるシステムも、同じ様に作って欲しいんだけど、頼むね」
[はい。わかりました]
うん。何でもシム頼みだ。
物理的な事は、俺が作らなきゃならないけど、ソフト的な事は、シムに任せてしまえるから楽だ。
そんな話をしていたら、携帯電話の店に着いたので、閉店作業の終えたフェムトを車に乗せて、公衆浴場まで戻る。
「ちょっと風呂に入る前に、やりたい事が有るから、ちょっと待ってて」
「「「「うん」」」」
いつもの同居人の四人に声を掛けて、サラ、カオ、マオの三人を探す。
「あ、三人共 作業終わったのに、ごめんな。お願いが有ってさ」
「はい、何でしょう?」
サラが代表して返事する。
「学校の建物の管理を三人に任せたくてさ。頼めるかな?」
「「「はい!」」」
「もちろんですよ。管理とは、何をすれば良いんですか?」
「じゃあ、ちょっと来て」
と、三人と一緒に学校の建物内に移動する。
「こんな感じで、明日の朝から毎日 教室内のディスプレイの起動をお願いしたいんだ」
学校の建物内には、余裕が有る感じで、二十席の机と椅子が並べられた大きな教室が二つ、それよりずっと小さい半分ほどの広さの十席の机と椅子が並べられた教室が四つ有る。
半分ほどの広さの小さい教室は、教室を仕切っている内壁が、可動式になっていて、必要な場合は撤去して広い教室として利用可能にした。
それぞれの教室には、六十インチ程の大きなディスプレイが設置されている。
そして、二つ在る広い教室の中の一つに行き、そこのディスプレイを起動させた。
「こんな感じでスマートフォンを使って起動させると、自動的に仮想の先生が表示されるから」
今 起動させたディスプレイは、読み書きを学べる大きな教室に付いている物だ。
【Do 我】にアップロードした学習用の動画で、先生をしている仮想のキャラクターが、教室の壁と同化する様な背景と共に、画面に映し出されている。
「「「はい!」」」
「じゃあ、隣の教室に移ろうか、隣のディスプレイは、サラが起動してみてくれる?」
「わかりました」
この村で、いや、【この世界で】かも知れない。
この世界で、元の世界の言葉などの知識を教えられる人間は、俺だけだ。
でも、俺がずっと先生として教えていたら、他に何も出来なくなってしまう。
だから、【人間】では無い【存在】を用意して貰った。
【人間】は準備が出来ない。だけど、【ロボット】なら準備出来る。
それで、人工知能を使い、ソフトウェア的な【ロボット】の仮想的な先生を準備した。
これで・・・ 学校に来たら、誰でもいつでも言葉や算数などを学べる。
学校は、教室別に学べる内容が異なる。
広い二つの教室は、一つは俺がディスプレイを起動させた読み書きを教える教室、もう一つの広い教室では算数を学べる。
そして、まだ家庭科が学べる様な状況に無いから、料理などを教えるのは後回し。
それで、公衆衛生を学べる教室として、壁を撤去して広くして、二十席の教室となった所。
そして、十席の教室の一つで、スマートフォンの操作方法を学べる様にする。
公衆衛生とスマートフォン操作は、認知度が高くなれば、後々は要らなくなるだろう。
残りの十席の小さい教室では、護衛用の巨大魔道具の操作方法が学べる様になる予定だ。
「こんな風に、起動したディスプレイに登場する人物は、質問をしたら応えてくれるから、サラ達も何か学びたい時は、ここで学べば良いよ」
「「「はい!ありがとうございます!」」」
サラ達に管理して貰うのに、ディスプレイの終了の操作はして貰わなくても大丈夫。
自動的に設定した時間に終了するし、そうじゃなくてもバッテリーの魔力が無くなれば、嫌でも終了してしまう。
戸締まりも、この村ではしている人は居ない様だから、それもして貰う必要は無い。
「じゃあ、これから管理をよろしくね」
「「「はい!」」」
公衆浴場に移動しながら、心の中でシムに指示をする。
シム 俺の以外のスマートフォンに、開校した事を通知して、音声で開校した事を伝えてくれるかな?
[わかりました。アユム様のスマートフォンを除き 全てのスマートフォンに 開校を通知して 音声で知らせます]
公衆浴場の所に戻ると、四人は休憩所でディスプレイの動画を観ていた。
「あ、アユム!学校が始まったんだって?」
「そうだよ。ナノも仕事が終わったら学びに来たら良いよ」
「私はアユムから教わるからいい!」
「そう?じゃあ風呂に入ろうかな」
「「「「うん!」」」」
まぁ・・・・・・
また四人は男湯に入って来る。
もう諦めました。
身体を洗って湯船に浸かり、やっと学校を開校出来た事にホッとする。
これで識字率が高くなったら、スマートフォンに学習用のアプリを準備しても良いだろう。
今は、そんなのを準備しても、文字が解らないから意味が無い。
公衆浴場のディスプレイでも、【Do 我】の動画が連続再生されている。
そして、同居人の四人以外にも、俺の周囲に集まる女性達。
うん。もう諦めた。
男湯なのに、俺の周囲だけ、女子率の高い矛盾。
これ この世界の常識なのかも知れない。
うん。意味不明だけど。
さてさて、風呂から出たら、四人に学校を少し案内しようかな。
同じ世界を舞台にした「異世界『ながらタブ』事情 《異世界タブレット端末普及推進奮闘記》」も書いています。
読まなくても困りませんが、読むとより状況が解ります。




