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異世界 『ながらスマホ』事情  作者: 一等神 司
第二章 スマホ中毒者から始まる文化大革命
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映像文化大革命

今日は、三連休明けで、久し振り(?)に仕事をした。

朝から魔道具(まどうぐ)の原料の採掘場で魔道具(まどうぐ)作りをして、その後は昼食を挟んで、魔道具(まどうぐ)の取付工事をずっとしていた。

今日の仕事の最後は、最近 していなかった照明の魔道具(まどうぐ)の取付工事。


毎度の事の様に、取付工事の仕事をしに行った家々で、何故か過剰な接待を受けて、心身共に疲れ切った感じになっている。

過剰な接待を受けるって、こんなに疲れる事だったんだ?知らなかったよ。

俺 新しい知識の扉を開いたのかも知れない。

まあ・・・・・・

開きたくなかった扉だけどね。


そんな連休明けの厳しい終えて、今は携帯電話の店(ショップ)に向かって車で移動している所だ。


「お疲れ様、今日は六軒も取付工事が出来たよ」


「「「お疲れ様です」」」


「閉店作業が終わってるなら、ナノを乗せて、そのまま公衆浴場に向かうけど、どうかな?」


「あ、終わってるよ」


「そう?じゃあ行こうか?それじゃ、おやすみ」


「「はい。おやすみなさい」」



ナノが車に乗ったら公衆浴場に向かう。


到着すると・・・・・・

あれ?公衆浴場の所に人混みが凄い・・・・・・


「何かいつもより人が多いね?」


「うん!なに!?どうしてこんなに多いの!?」


人混みは、よく見ると、公衆浴場にでは無くて、休憩所に集まっている様だ。


人混みから少し離れた所に、テラを見付けると、他の二人も一緒に居た。


「どうしたの?」


「アユムが原因に決まってるでしょう・・・」


「そっか?だよね!」


フェムトの言葉にナノが大きく頷く。

いや、その評価は納得いかない。


「俺がって何が・・・・・・」


「御主人様だよな?あのデカいスマホみたいなの?領主様の所にも付けてたし?」


そうテラが休憩所の窓から中を指差した先には、ディスプレイが有った。


「そりゃあれを作れるのは俺だけだから、俺が取付けたけど・・・・・・」


「動画が大きく映されてて見易いから、みんな興奮してるんですよ。羽の回る風を出してくれる魔道具(まどうぐ)まで付いてるし」


「ああ、アレは扇風機って魔道具(まどうぐ)だよ」


そう、ディスプレイと一緒に作ってた魔道具(まどうぐ)は、扇風機だ。

かなり暑くなってきたので、真夏になって暑くなり過ぎる前に作って取り付けた。

もちろん、自宅や携帯電話の店(ショップ)領主様(ガロン)の所にも取付けた。


休憩所の部屋の中は、人で満杯になっている。

同時に色んなチャンネルを観れる様に、四面の各壁にディスプレイを取付けたが、そのディスプレイに群がる様に、人が座っている。

部屋の端では、座れなくて立って観ている人まで多数居る。

そして、部屋に入れなかった人達は、窓の外から観ているって状態だ。


こりゃ公衆浴場内も騒ぎになるかな・・・・・・


「じゃあ、今なら空いてるだろうから、風呂に入ってしまおうか?」

そう四人に声を掛けて、俺達は公衆浴場に・・・・・・

うん。そうだろうと諦めてたけど、やはり四人も男湯に普通に向かう。


「もう諦めたけど、一応 言うな?こっちは男湯だから。女湯はあっちな」


「「「「知ってる」」」」


脱衣所で、服を脱ぐ前に・・・・・・

今日 設置したディスプレイを起動して、【Do 我(どぅが)】の映像を連続再生させ、扇風機も起動させる。

女湯の方にも取り付けてあるけど、誰も居ないみたいだし、これで付いてると分かれば、自然と利用が始まるだろう。

うん。俺に女湯に行く勇気は無い。理由を説明すれば、怒られる事は無いだろうけど・・・・・・

説明しなくても怒られなさそうだけど・・・・・・


「えっ!凄い!ここにも付けてたの!?」


「ああ、浴室内にも四つ付けてあるよ」

ナノの質問に答えてやる。


「えっ?お風呂にも付けたの?」


「ああ、お風呂に入りながら観れたら良いかなって思ってさ」

フェムトの質問に答える。


「御主人様は凄い」

「考え方が普通じゃない」


「のんびりしている時に観れたら良いかなってさ」

残りの二人も驚いてた。


元の世界でも、こんな感じでテレビなどの映像が観れる様になっている公衆浴場も多かった。

だから、きっとこっちでも受け入れられるだろうと、休憩所や公衆浴場内に付けた。

それに、普段から多くの人が利用する施設だから、そこで流していれば、自然と【Do 我(どぅが)】の認知度が上がる筈・・・との計算有っての取付だ。

バッテリー切れで映らなくなっても、バッテリー付きの魔道具(まどうぐ)が普及した現在、自然とスマートフォンを使って、補充をするだろうと思うしね。


服を脱いで浴室内に移動したら、ここでもディスプレイと扇風機を起動させて、【Do 我(どぅが)】の映像を連続再生させる。


そして、身体を洗ってから、いつもの定位置に座って湯に浸かる。

目の前には、ディスプレイを取り付けてある。

少し気恥ずかしいが、そこには俺の料理チャンネルの映像を流している。

他のディスプレイでは、公衆衛生、読み書き、算数 それぞれ別の映像を流している。


「やっぱりこっちに流れてきたか・・・・・・」


当然 俺が風呂に入ると、何故か作業員達は一緒に入ろうとする。

だから、俺が風呂に入ったら、人が増えてくるだろうと思っていた。

そして、当然・・・・・・


「見てみろ!ここでも観れるぞ!」

「あんなに人が一杯だった所で観なくても観れる!」

「おい!風呂の所にも付いてるぞ!」


等と、俺と一緒に風呂に入ろうとした者達の声が聞こえてくる訳だ・・・・・・



しかし、それでもいつもよりは風呂の混み具合はマシだ。

休憩所に入れた人達は、そこで映像に見入っているのだろう。

それに、いつも俺の浸かっている場所を中心に、湯船は混雑するのだが、

今日は、各ディスプレイの前に人が集まり、湯船内も人がバラけてくれた。

うん。作戦勝ちだ。そう、俺の作戦の完全勝利だ。

まぁ・・・・・・

それでも、俺の周りには、同居人の四人を含め、女性で混雑しているのだが・・・・・・

なので、何か勝った気がしない。

もう少し減るんじゃないかと期待したのに・・・・・・

あれ?俺の負け?


それでも、いつもよりはゆったりとした状態の湯船に浸かり、今日の心身の疲れを癒やす。

しかも、ドローン以外の映像を観ながらで、まるで元の世界に帰った様で、いつもより落ち着く。


しっかりと風呂を楽しんで公衆浴場を出たら、四人と共に車で領主様(ガロン)の屋敷に向かう。


領主様(ガロン)の屋敷に着いたら、ディスプレイと扇風機の魔道具(まどうぐ)を荷台から下ろして、それをみんなで持って屋敷に入る。



「「「「「こんばんは」」」」」


「あ、こんばんは、いらっしゃいませ。どうぞいつもの所へ」


「はい。お邪魔します」


部屋に着くと、領主様(ガロン)が既に座ってた。


「いらっしゃい。また何か持って来たね」


「こんばんは、ああ、ちょっと今から取り付け済ませるね」


「うん。こんばんは。いつも悪いね」


そんないつものやり取りをして、ディスプレイと扇風機を、食事する部屋に取付ける。

取り付け終わったら、扇風機を起動させる。


「ガロン?どうする?ディスプレイで何かを観ながら食事する?それとも何も観ないで食事する?」


「そうだね。何か観ながらにしようか?」


「了解」


今日 色んな所に新しく取付けたディスプレイは、これまでのスマートフォンの画面を転送表示(キャスト)して映すだけの物とは、機能が違っている。

スマートフォンの画面を転送表示(キャスト)する事も出来るが、単独でも【Do 我(どぅが)】など、対応するスマートフォンのアプリを利用可能だ。

つまり、大きなスマートフォンと言えるスマートTVとして、今回は作った。

リモコンはスマートフォンだけどね。


「こんな感じで操作出来るから」


操作方法を領主様(ガロン)に説明すると、今 唯一利用可能な【Do 我(どぅが)】を領主様(ガロン)は起動させて、何を観るか悩んでいる。

そして、結局 ドローンの映像を選択した。


そんな事をしている間に、料理が準備されていた。

ほとんどは、昨日 俺が作って冷凍した物だが、俺が作った物以外も出ている。

それらの料理を食べながら、元の世界のテレビを観ながら食事をする食卓かの様に、映像をみんなで観ながら、その映像に関する話などをしながら、楽しい食事の時間を過ごす。




徐々に・・・・・・

文化的な生活が出来る様になってきた。

まだまだ足りない。

足りないなら作る。

この世界には、まだまだ足りない物だらけだ。

同じ世界を舞台にした「異世界『ながらタブ』事情 《異世界タブレット端末普及推進奮闘記》」も書いています。

読まなくても困りませんが、読むとより状況が解ります。

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