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異世界 『ながらスマホ』事情  作者: 一等神 司
第二章 スマホ中毒者から始まる文化大革命
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捧げても供えても何の御利益もありません!

異世界に来てから働き詰めだったので、今 三連休中だ。

本当は、一昨日昨日と休んだので、今日は仕事に復帰する予定だったんだけど、部下のシュラに休んで無いと怒られて、今日も休みにさせられた。

だから、しっかりと休んでる。

うん。午前中は動画共有サイトを作って、そこにアップする動画を作ってたけどね。

これは仕事じゃ無い。趣味でも無いけど・・・・・・

作ってた動画は、衛生に関する事や読み書き算数を教える実用的な内容だけどさ。

シムが言うには、精神的な疲れが出るって話だったけど、頭が重いのは、多分 気のせいだろう。気にしたら負けだ。

うん。俺的には、仕事と思ってないから、絶対にセーフだ。


馬技(ばぎ)に乗って、携帯電話の店(ショップ)まで移動する。

理由は、俺に捧げられた料理を少し分けて貰う為だ。

うん。言葉として破綻している気はする。

俺のだよね?でも、毎日 作業員の昼食になっているから、それを食べるのは気が引けてしまう。


「アユム様!珍しいですね?こんなお時間に村にいらっしゃるなんて」


前に携帯電話の店(ショップ)で俺に料理を供えてくれた女性に声を掛けられた。


「うん。そうなんだ。今日までの三日間 お休みを貰ってね」


「そうなんですか?良かった。村の者は心配してました。ずっと村の為に頑張られていらっしゃるから・・・・・・」


「えっ?全然 大丈夫だよ。大した事はしてないし・・・・・・」


「えっ?・・・・・・」


信じられない事を聞いたって顔で見られた。

いや、そんな顔をされても・・・・・・


そんな感じで話してたら、周りに人が増えていた。


「これからどちらに?」


「あ、昼食に携帯電話の店(ショップ)に供えて貰った料理を受け取りに行こうかなって・・・・・・」


「それでしたら!それでしたら、私が!私がご準備します!いえ、させて下さい!!」


「えっ?良いの?」


「はい!アユム様に確実に食べて頂けるなんて、そう機会のある事では無いですから!」

「それズルい!私が!私がご準備しますよ!!」

「いや、うちの嫁に準備をさせますよ!お待ち下さい!」

「いやいや、何を言ってる!?ここはうちが準備をするぞ!!」

「はぁ〜?最初に言ったのは私です!」

「最初とか関係無いし!」

「アユム様は私が作った物を食べたいと思われてる筈です!!」

「うちの嫁が作った料理は最高なんだぞ!!」

「いや!うちのが一番だ!!」


あれ?集まった村の人達が・・・・・・


「あ、あのぅ・・・・・・」

どうしよう?どう場を収めれば良いんだ?


「どうしたんだ?あっ!アユム様!」

「アユム様の食事の準備をするのがどの家かって話をしてんだ!邪魔すんな!!」

「はぁ〜?それならうちだろう!!」

「まぁまぁ・・・ それなら間を取って、うちが準備をしよう」

「はっ?ふざけんな!!」


「あのね?みなさん?」


「あ、アユム様!うちで作ってた料理をお持ちしました!」

「あっ!こいつ抜け駆けしやがった!!そんな粗末な物をアユム様にお出ししてんじゃねぇよ!」


「あ、ありがとう。いや、粗末って・・・・・・」


「アユム様 待ってて下さい!直ぐにうちの料理もお持ちします!!」

「それならうちのも持って来ますから!!」

「おう!うちのも持ってくるぞ!お待ちになって下さい!」

「「「「うちのも持って来る!!」」」」


「あ、ありがとう・・・・・・」


あれ?一人が持って来てくれる料理の量だけでも、数人分の食事の量なんだけど、あれ?今 十人位 人が居なかったか?

えっ?俺に数十人分も食べろと?

あれ?なんでこうなった?

あれ?携帯電話の店(ショップ)で少し供えられた料理を貰うだけの予定が、どうして大量の料理を受け取る事になったんだ?

でも、もう断れない雰囲気なんだけど・・・・・・

凄まじい圧の空気を感じるんだけど・・・・・・

これ空気を読まずにスルーしたら、殴り合いの喧嘩が起きそうな雰囲気なんですけど・・・・・・


「お待たせしました!」


そう言って、次々と村人が料理を持って来てくれる。

俺は「ありがとう」と受け取るしか出来なくて・・・・・・


そう頭が事態を理解出来なくて、オロオロとしている間にも、俺の馬技(ばぎ)の周りには、村人達が持ち寄った料理が、捧げ供えられていた。


えっと・・・・・・


うん。諦めよう・・・・・・


でも、どうやって持って帰ろう・・・・・・


「うーん・・・・・・」


「どうされましたか?」


「いやね。どう考えても、みなさんが持って来てくれた料理が、この魔道具(まどうぐ)馬技(ばぎ)に載らないんだよね」


「そうですね。失礼しました。アユム様のお家にお持ちしますよ」


「いや、一度帰って、自宅に有る安徒(あんと)に乗り換えて戻った方が早いから、乗り換えてくるよ。その間 この料理を見ててくれるかな?」


「はい!もちろんです!」


凄く良い笑顔で見張りを引き受けてくれた。


「じゃあ、乗り換えてくるね」


「「「「「「「「「「「「いってらっしゃい!」」」」」」」」」」」」


うーん・・・・・・

自分が食べるだけの昼食なのに、何故か馬技(ばぎ)に載せきれない程の量にって・・・・・・

どうしてこうなった?


自宅に戻ると、急いで安徒(あんと)に乗り換えて戻った。


うん。急いで乗り換えて戻ったんだよ。


うん。どうしてこうなった?


うん。本当に、どうしてこうなった?


何故 戻ったら、供えられている料理の量が、倍に増えてるの??

しかも、お花とかも供えられてるし、俺は亡くなって仏様にでもなったのか?

あれから、そんなに経ってないよな?


見てくれてた人に、理由を聞くと、携帯電話の店(ショップ)に料理を供えに行こうと思ってた人達が通り掛かって、そのままその料理をこの場所に供えたそうだ。

うん。こんなに食べ切れないから・・・・・・


周囲の人達も手伝ってくれて、供えられた料理を安徒(あんと)に積む。


そのまま・・・・・・

予定通り、携帯電話の店(ショップ)に向かう。


だって、こんな量を一人で食べられないよ!!


「よっ!お疲れ様!」


「あ、アユム様!お疲れ様です!」


「あれ?一人?」

携帯電話の店(ショップ)にはサクヤ一人しか居ない。


「はい。交代で食事休憩してます」


「そうなんだ?まあこの時間は落ち着いてるだろうしね」


「アユム様のご要件は?」


「あ、聞いてるだろうけど、今日 休みだから、食べ物をココに取りに」


「あっ!はい!お好きなのをどうぞ!」


「いや、そうじゃなくて・・・ね。ココに取りに行こうとしてたら、途中で村の人達に料理を貰っちゃってさ・・・・・・ 多過ぎだから、食べ切れない分は、ココに置いておこうと思ってさ」


「あ、そうだったんですね」


「うん。車から降ろすよ」


「えっ!?そんなに!?」


「そうなんだよ。絶対 一人じゃ食べ切れないよ」


「そうですよね。生き神様でも、流石にこの量は・・・・・・」


「いや、生き神様じゃないよ」


「えっ?」


「えっ?!」


そんなやり取りをサクヤとしながら、大量の料理を車から降ろして冷凍庫に入れた。

そして、ある事に気が付いた。


「うーん・・・・・・ 全く(ミズチ)の身の香りがしない・・・・・・」

そう、旨味たっぷりの身肉で、料理に使うと、かなり特徴の有る香りのする、(ミズチ)の香りがしない。


「ミズチ・・・ ですか?」


「そう、昨日 採った(ミズチ)の香りが、料理から全くしない」


「そのミズチってなんですか?」


「ああ、この辺りだと【竜】って呼んでるんだっけ?」


「あっ!?昨日 アユム様が大量に駆除したって竜ですか!?」


「そうそう、その竜だよ」


「あー・・・ 私も食べてません・・・・・・」


「どうして?美味しいよ?」


「そうなんですか?いえ、そんなの食べた事が無いですから・・・・・・」


「ああ、領主様(ガロン)の所の理由と同じか・・・・・・」

よし!それなら、何とかなるだろう。

その為にも・・・・・・


「サクヤ お願いが有るんだけど」


「はい。何でしょう?」


「スマートフォンの新しいサービスを始めたんだ。それを村の人達に利用する様に勧めて欲しいんだけど・・・・・・」


「えっ!?どんなのですか?」


「自分のスマートフォンを見てご覧」


「あっ!何だか新しいアプリが増えてる!?」


「そう、その新しいアプリの赤い方を、タップして起動してくれるかな?」


「こうですか?」


「そうそう。後は、適当にいじってたら、使い方は解る筈だから」


「そうですか?これは何だろう?」


「それは、公衆衛生を教える動画だね」


「こうしゅうえいせい?どうが?」


「うん。まあ、観てよ」


「あっ!何か動いた!誰です?人がすまほの中に居ます!」


「色々と教えてくれる先生だよ」


「はぁ・・・ 先生・・・・・・」


「こうして動画で色んな事が学べる様になってるから、村の人達に観て欲しいんだ」


「解りました!村の人達に勧めます!」


「うん。よろしくね。じゃあ、帰るよ」


「あ、はい!お疲れ様です!」


さて、帰ってからやる事が出来た。

なかなかゆっくりしてられないなぁ・・・・・・

いや、ゆっくり休んでるっての!

休んで無いって認めたら、またシュラに怒られんじゃん!

のんびりやろう。うん。

同じ世界を舞台にした「異世界『ながらタブ』事情 《異世界タブレット端末普及推進奮闘記》」も書いています。

読まなくても困りませんが、読むとより状況が解ります。

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