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異世界 『ながらスマホ』事情  作者: 一等神 司
第二章 スマホ中毒者から始まる文化大革命
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石鹸作り と 巨大魔道具教習所

今 俺は、石鹸作りをしている。

異世界に来てから石鹸作りは二度目だ。

一度目は灰と魔物の油脂を使って作ってみた。

物としては失敗では無かったけど、全く泡立たないので、石鹸としてイメージする物とは、かなりかけ離れた物が出来上がった。

そして、今回は、セルに吐き出させた苛性ソーダを使って、現代日本でも手作りされている方法で、石鹸作りをする。


先ずは、苛性ソーダを水で溶かす。

苛性ソーダの水溶液と精製済みの魔物の油脂を温めて、温度を同じにする。

温度が同じになったら、溶けた油脂に水溶液を入れる。

後は、二十分程 混ぜ合わせる。

少しとろみが出て、マヨネーズ位の固さになったら、作っておいた型に流し込む。

うん。大量の油脂を使って作ったから、何十個?いや、元の世界の普通の大きさで考えたら、何百個分の石鹸になるんだろう?

型に入れた物は、板を二重にして作った、大きな木箱の中に入れて寝かせる。

完成するまで劇薬みたいな物だから、作っている間は、凄く緊張した。

これで、後は一ヶ月程 寝かせたら、完成する筈?うん。シムさんのサポートを受けながらだから、多分 大丈夫。

だって、量を計る物も無いし、温度も測れない。

シムさんの協力無しでは不可能だ。

上手く完成して欲しいなぁ・・・・・・


「さて、出来た。急いで戻らなきゃな」



車で貯蔵庫付近に戻り、シュラを呼び出す。


「シュラ君?今日は上手く操作出来るかな?」


その当のシュラは、滝かとツッコミたくなる程に、汗を掻いている。そんなに緊張していたら、逆に失敗が多くなりそうだけど・・・・・・


「大丈夫?ちゃんと意識はある?大丈夫だから、自信を持って!」


「はい・・・・・・ 頑張ります・・・・・・」


シュラは、若干 ミスが有ったものの、完璧じゃ無いにしても、それなりに操作が出来ていた。

もう一度 操作の練習をしたら、安全に運転出来るんじゃないかな?

もちろん、いい年したおっさんなのに、上手く出来たら頭を撫でられ様とするのは、今回も同じだった。

うん。俺への罰ゲームだよね?

俺 いつこんな罰ゲームをされる様な事をしたっけ?


「じゃあ、次はナノに来る様に伝えてくれる?」


「解りました!ありがとうございました!」





「アユム!おまたせ!」


問題児が来た。過剰な自信で危うい事を毎回 してくれる。


「今日は合格して欲しいね」


「私なら大丈夫よ!もうちゃんと操作出来るもん!」


うーん・・・・・・

どの口が言っている?かなり危なっかしかったのに、自分は出来ると言う自信は、どこから来るのだろう?


「自信は大事だけど、安全の確認をよく忘れるから、それが完全じゃないとダメだよ。操作が出来るのと、安全に使えるのは別だから」


「私は大丈夫だよ!」


「まあ、出来るのか見るよ。ほら、動かしてごらん」


「まかせて!」


その言葉とは裏腹に、安全確認で失敗を繰り返すナノ。


「今みたいな安全確認が不十分なままの操作しか出来ないと、ずっと合格とは言ってやれないよ。魔物の様に巨大な魔道具(まどうぐ)なんだから、その力も魔物並なんだから、未熟な操作じゃ人を殺してしまうからね」


「でも・・・・・・ 出来てるよ?動かせてるよ?」


「動かす事が大事なんじゃない。安全が大事なんだよ」


「わかった・・・・・・」


「じゃあ、次はテラだから伝えてくれる?」


「うん・・・・・・」


気落ちしてテラの所に向うナノ。

可哀想に思うけど、だけど安全確認が出来てない重機なんて、ただの凶器だ。

それが出来るまでは、仕事で操作させられない。

腕王(わんおう)のバケットの付いた巨大なアームが、人に振り下ろされたら、軽傷なんかじゃ済まない。大ケガ、運が悪ければ死ぬ。



「御主人様!来ました!」


「おう、頑張ろうな?」


「はい!」


テラは、前回の操作でもかなり出来ていた。

今回も俺の指摘をしっかり改善に活かして、ミスと言える程の失敗をしていない。

まぁ・・・・・・

その頑張りの基となっているのが、俺に頭を撫でられる為と言う、凄く不純な目的から・・・・・・なのは、凄く困るが・・・・・・

テラは今日で卒業かな?


「うん。上手く操作出来てるね。安全確認にも問題は無いね。もう仕事で腕王(わんおう)を使っても大丈夫だよ」


頭を撫でながら言ってやる。


「本当!?やった!!次に教わる時にも、上手く出来ると思う!」


「いや、合格したから、俺から腕王(わんおう)の操作を教わる事は無いよ」


「えっ?どうして?御主人様との時間が無くなる?」


「いや、どうしてって・・・・・・ 俺との時間じゃなくて、操作を覚える為だから・・・・・・」


「御主人様!覚えてない!だから教えて!」


「いや、覚えてたよね?」


「そんな事は無い!まだ教わらないとダメだ!」


腕王(わんおう)はもう覚えてたよ。でも、今度は他の巨大魔道具(まどうぐ)が有るから、まだ俺から教わるよ」


「本当に?良かった。安心した」


「じゃあ、次はギガに来る様に伝えてくれる?」

頭を撫でながら言う。


「まだ教わってたいけど我慢する」


トボトボと寂しげに戻って行くテラ。

可哀想だけど、これは遊びでも無ければ、デートでも無いから、これ以上 教えてもね・・・・・・



「お待たせしました。御主人様」


ギガもテラと同じく、きちんと俺の行った事を忠実に守り、危なげ無く、腕王(わんおう)を操作する。

これなら、テラと同じく合格で良いだろう。

うん。もちろん、上手く操作が出来ると、厳つい顔しているのに、ドヤ顔で俺に撫でられるのを求めてくる。

きついなぁ・・・・・・


「テラと同じく、ギガももう大丈夫だね。仕事で腕王(わんおう)を操作しても良いよ」


「本当ですか?ありがとうございます」


「じゃあ、次はメガに来る様に伝えてくれるかな?」


「はい。わかりました」



「お待たせしました。御主人様」


メガも姉や兄と同じ様に、安全確認をしっかりしながら、危なげ無く操作する。

合格だな。

もちろん、メガも上手く行くと、撫でられる事を求めてくる。

本当に罰ゲームだな。


「メガも合格だね。もう仕事で腕王(わんおう)を使っても良いよ。」


「ありがとうございます!」


ごっついおっさんの様な見た目なのに、年相応の少年の様な笑みを浮かべて歓んでいる。

しかも、抱きついてきた。

うっわぁ・・・・・・

ゴリラの様な体に包まれる違和感。

普通に考えたら、見た目的に恐怖しか無い状況なのに、感謝で行われていると言う、矛盾。


「頑張ったね。えらいよ」


ゴリラの様な体躯のメガの抱擁から抜けて、頭を撫でてやる。


「ありがとうございます!」


うん。少年の様な笑顔だけど、ごめん。絵面的には怖い。


えっと、これで五人中 三人は仕事で腕王(わんおう)を使える程度にはなった。

後 二人か・・・・・・

どっちが先に合格するかな?

同じ世界を舞台にした「異世界『ながらタブ』事情 《異世界タブレット端末普及推進奮闘記》」も書いています。

読まなくても困りませんが、読むとより状況が解ります。

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