大規模造成工事開始!
困った。本当に困った。この辺りの領主のガロンから、学校を作る許可を貰ってたから、空き家を借りたら、簡単に学校を始められると思っていたら、空き家は数十人の元山賊に使わせているから、学校を始められる様な大きな空き家が無いそうだ。
他の方法として、領主様から言われたのは、学校を建てる事。
その一番の候補地は、貯蔵庫や公衆浴場を作った付近と言う事になった。
俺が公衆浴場を作った事で、村人が毎日の様に、風呂に入る様になったそうで、人が集まりやすいだろうとの事だ。
建築からか・・・・・・
「じゃあ今から行って、作業員に学校を建築する事を伝えるよ。後 これをどうぞ」
「ん?これは何だい?」
「塩だよ。塩。いつも食事を頂いてるから、これ使ってよ。足りなくなったら、また渡すから、気にせず使ってよ」
「良いのかい!?こんな高価な物を貰っても!?しかも、こんなに大量に貰っても良いのかい!?」
「うん。大丈夫だから、これからは味の為に塩を使ってよ」
「ありがとう。助かるよ」
領主様の屋敷を出て、車に乗ると一度 自宅に戻る。
もう四人共 仕事に向かっている事を確認して、携帯電話の店に向う。
フェムトが丁度 携帯電話の店に着く所だった。
「間に合わなかったね。ごめん。ガロンの所で時間が掛からなかったから、送ってやれたらって思ったけど、着いちゃってたね」
「ううん。ありがとう。近いから大丈夫だよ」
「じゃあ行くよ」
「うん。いってらっしゃい」
そのまま車で村の出入口に向かうと、出入口の手前で、ピコ ナノ テラに追い付いた。
「予定より早く、ガロンとの用事が終わったから、車で送るよ」
「「ありがとう!」」「御主人様 感謝します」
貯蔵庫付近に到着。
「あれ?なんか雰囲気が変わってないか?あれ?」
邪魔だった下草が無くなり、しかも草だけでなく、通路になっている所に、邪魔な感じで見上げる様に聳えていた木々が、何本も無くなっている。
「またアユムが何かしたんだよね?」
「それしかないだろ!」
「御主人様なら、こんな事は簡単な事だ」
うん。多分 俺が原因だろうな。
そうだよね?シム?
[はい。昨日 セルに命じた事を セルが忠実に行った結果です]
あ、やっぱり俺なのね。
[はい。そうです]
「えっと・・・・・・ 俺が魔法?魔道具?みたいな物でやったんだ・・・・・・」
「「「「やっぱり!!」」」」
「うん!アユムは無茶苦茶だ!」
「無茶苦茶ってナノ、酷くない?」
「私もナノと同じだよ」
「ピコ!ピコまで!?」
そっとテラを見ると、何度も頷いてる。
テラよ。お前もか?
車を降りて、貯蔵庫付近まで移動すると、作業員が集まっている。
もちろん ザワついている。うん。俺が原因です。ごめんなさい。
「管理者や副のみんなは集まってくれる?」
「はい、何でしょう?」
「ここがきれいになってるのは、俺が魔法と言うか魔道具と言うか、それっぽい物を使ってやった結果です」
「はい。そうだろうと、みな思ってました。あのそれが何か?」
あれ?シュラが動揺していない。みんな慣れてくれたのかな?
って!そんなに驚かれる事ばかりしてないし!
「あ、そんなに騒ぎになって無いなら良いんだ。今日から加わる作業を先に伝えようと思って、集まって貰ったんだ」
「あ、はい」
管理者と副の九人に、学校を作りたいが建物が無い事、そしてこの場所に建物を作る事を伝える。
「申し訳御座いません!直ぐに私達の住んでいる家屋を空けます!」
「シュラ そんな事は誰も望んでないよ。だからここに作るんだから」
「しかし!私が、私達が家を出れば・・・・・・」
「良いから、そんな事をされても嬉しくないよ」
「はい・・・・・・」
九人に説明を終え、シムが作成してくれた、この場所の地形を考慮した、学校として使う建物の建築図を、公衆浴場の外壁に着けた、ディスプレイに映し出す。
「おお、これが学校・・・・・・」
シュラ 感動してるけど、学校の意味を理解してないよね?
「うん。ここに安全に食料を保存が出来て、公衆浴場とか憩いの場になり、そして読み書き算数などを学べる学校を作るよ」
幹線道路沿いから少し外れた場所の土地の周囲を削り、そして岩のブロックを使い、堀を岩山を中心にして外周に造る。
堀の内側には、天然の段差を利用して、城壁の様に造成する。
そこから堀と城壁の様な構造物を、村まで繋げる。
そう、普段は貯蔵庫で有り、公衆浴場で有り、学校だが、魔物の群れが攻めて来た場合の避難所にもなる場所を、ここに造る。
この堅牢な場所を、人が住める様に出来たら良いのだけど、残念ながら、岩ばかりのここでは、田畑が作れない。
岩の無い所に田畑を作ろうにも、そこは深い森だ。
時間を掛ければ、森を田畑に出来るかも知れないが、今 生活する場としては、ここは不向きだ。
それに、どの道 “村は最良な場所に移転させる”予定だから、今 この場所に移転させても意味が無い。
「それと、ここの整備が終わってからの話だけど、作業員のみんなに話していた、“街作り”を、そろそろ始めようと思っている。みんなが、いや、誰もが安心して暮らせる【街】を造るんだ。協力して欲しい」
「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」
「もちろんですよ!私はずっとアユム様の、あ、ごめんなさい。アユムさんの従者です!」
「みんなありがとう。でも、ガロンの所の三人も、返事をしてくれてたけど、手伝ってくれるの?」
「もちろんです!領主様から、ガロン様から手伝いを禁止されない限りは、絶対に手伝います!」
サラの言葉に、他の二人も頷いている。
この三人も手伝ってくれたなら、凄く助かる。
人に指示するのって、才能や経験が必要だし、三人には重機タイプの魔道具の操作方法を覚えて貰うから、居なくなると造成の工事に大ダメージになる。
「じゃあ、これからの工事に関する指示をするね。先ずは、外構工事の組と、学校建築の組と、二つの組に分けて欲しいんだ。それぞれの組には、チェーンソーって魔道具やそれぞれの工事に適した腕王とか、大きな魔道具を渡すから、それを使って工事を進めて欲しいんだ」
これまで作ってきた工事用の魔道具を活用して貰う。
「解りました。でも、腕王など巨大な魔道具の操作は、まだ私達も覚えられてません」
「うん。シュラの指摘は最もだね。だから、一番最初に、九人に腕王の操作を覚えて貰う。覚えた人は、工事で腕王を使って貰うよ。もう一台 腕王を作ったから、その一台だけを使ってね。その時に、作業員の中から、覚えの早そうな人間を選んで、一緒に腕王に乗せて、操作の仕方を見せながら教えて欲しいんだ。それで管理者や副の九人全員が操作を覚えたら、工事で二台の腕王の操作を同乗者に見せながら操作を教えて、その教わった人間は、作業終了前の時間を使って、自分で操作して使い方を覚える」
「なるほど・・・・・・ 流石 アユムさんです」
「それで、腕王は二台しかない訳だから、二人の管理者が、その二台で工事と他の操作を出来る人間を育てている間に、それ以外の七人は、入れ替わりながら、他の巨大な魔道具の操作方法を、俺から教わるんだよ」
「なるほど!流石 アユム様!いえ!アユムさん!」
「うん!凄い!アユム凄い!」
「流石 オレの、私の御主人様だ」
「これなら早く完成するね」
「「「凄いですね」」」
「管理者や副の九人には、これから負担を掛けると思うけど、宜しくお願いします」
「「「「「「「「「いえいえ!」」」」」」」」」
「アユム様から!アユムさんからお願いされる事では無いですよ!」
「そうです!ガロン様からアユム様の力になる様にと言われてますから!」
「私達 手伝いたいんだよ?」
俺の勝手で大変な工事の手伝いをさせるんだから、お願いして当然だと思うんだけどなぁ・・・・・・
「みんなそう言ってくれて助かるよ。ありがとう」
「任せて下さい。私達だけじゃ無く、あなたの部下の作業員全員が、一緒にやりたいって思ってます。安心して私達に命じて下さい」
「シュラ 本当にありがとう」
「いえいえ、私達の方が、アユム様には、アユムさんには感謝しても、し足りない位ですから」
「じゃあ、始めようか?一人は大きい方の腕王で工事を行い、もう一人は腕王の操縦を覚える続きをしよう。シュラ テラ ギガ メガ それとナノは、順番に入れ替わりで操作を覚える。それ以外の四人は、一人が小さい方の腕王で工事をしながら、誰か一緒に乗せて操作を教える。宜しくね。それと、最初に車から工事用の魔道具のチェーンソーを、作業員に配ろう。それが終えたら、その魔道具の使い方を教えるよ」
チェーンソーを全員分 準備したのには、訳が有る。
映画などで、チェーンソーが武器として、よく登場する様に、チェーンソーは木を切り倒す道具としてだけでなく、武器としても優秀だ。
工事中に魔物が襲撃して来た場合、全員が持っている事は、かなり有利に働く。
もちろん、チェーンソー程度では、数メートルもの体躯の魔物を狩るのには、脆弱かも知れないけれど、それでも、これまでよりは、かなりマシだ。
「みんなチェーンソーを持ったね。強力な道具だから、使う時には、周りの状況に、十分に気を付けて下さい。この魔道具は、簡単に人位なら切断出来ます」
「そんなに強力なんですか?」
「そうです。だから、みんなに配りました。もし魔物が攻めて来ても、何とか戦えるだろうと思いますから」
「戦う為の道具なんですか?」
「いいえ、これは木を切り倒す為の道具です。これなら短時間に気を切り倒せます。でも、魔物が攻めて来た場合には、これを使って命を守って下さい」
「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」
作業員の前で、スマートフォンを使って、チェーンソーの魔道具を起動させる。
エンジン式では無く、モーター式なので、音は静かだ。
刃を回転させる。
周囲からどよめきが起こる。
テスト用に準備した丸太を切って見せる。
「おお!凄い!」
「これ!魔物に勝てるよな!」
「これなら簡単に木が切れる!」
「勝手に起動させようとしない!」
真似をしてチェーンソーを起動させようとしている作業員が何人か居たので、注意をする。
「こんなに簡単に丸太を切断出来る魔道具です。取り扱いには、十分に注意をして下さい」
「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」
後は、一人ずつ呼び寄せてチェーンソーを起動させ、練習用の丸太を切断させてみる。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「こんな感じで使って下さい。倒した木は、学校の建築に使うので、大切に扱って下さいね」
「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」
「じゃあ、ピコは腕王に乗って作業、それ以外の外構工事の組は、木を切り倒したり整地したりして下さい。学校建築の組は、学校建築の予定地の整地をして、建設用の木材が確保出来たら、建築を開始して下さい。管理者や副の九人は、最初に誰から腕王の操作方法を教えるのか、話し合って下さいね」
「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」
「後 誰か魔物の油脂を保管している場所に案内して下さい。先に大量の石鹸作りを始めておきたいから、宜しくお願いします」
「こちらです」
作業員の中から、一人の女性が手を上げて案内を申し出てくれた。
「じゃあ、帰るまで、シュラは他の仕事をしておいてね」
「解りました」
さあ、やっと苛性ソーダを使って、泡の立つ石鹸を作れる!
今日 作っても、また乾燥させなきゃいけないから、直ぐには使えないだろう。
少しでも早く作っておきたい。
上手く行くと良いな。工事も石鹸もね。
同じ世界を舞台にした「異世界『ながらタブ』事情 《異世界タブレット端末普及推進奮闘記》」も書いています。
読まなくても困りませんが、読むとより状況が解ります。




