教官と露天風呂
「どう?操作の感覚は覚えた?」
「「「「「「「「「はい・・・・・・」」」」」」」」」
「自信無い?」
「「「「「「「「「はい・・・・・・」」」」」」」」」
「良いんだよ。そりゃこんな大きな魔道具の操作を、あっという間に覚えられる訳が無いんだからさ」
「「「「「「「「「はい・・・・・・」」」」」」」」」
「後は、順番に実際に乗って操作して貰いながら、覚えて貰うから、一人だけ残して、後は自分の仕事に戻って貰えるかな?」
「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」
「残った人が教わるのが終わって仕事に戻ったら、次の人が入れ替わりで来てね」
「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」
今は、新しく作ったユンボの様な形状の腕王と命名した魔道具の操作方法を、作業員の管理者やその補佐となる九人に教えている。
当然 こんな物を短時間で覚えられる訳が無く、覚えられない自分を不甲斐なく思って、泣く者まで・・・・・・
うん。泣いたのは、負けん気の強いシュラやテラ、それとテラの弟達だけどね。
見本として運転して見せているんだけど、泣いて前が見えなくなってるから、より覚えられないって言う、哀しい現実。
しかも、不憫に思って『落ち着いて涙が出なくなってからにしようか?』と言うと、四人共 『泣いてません!だから大丈夫!』と、泣いている事を認めようとしなくて、そう言われた自分が情けないのか、また大泣きして涙で前が見えなくなると言う、悪循環。
自分より出来ないテラを、ナノがからかって、ケンカになり掛けるし・・・・・・
ってか!ナノもテラ達と、どんぐりの背比べだろ!!
最初に残ったのは、問題児の一人のテラだ。
俺が山賊だったシュラ達から助けた事を知ってから、元々 俺の前では大人しかったのが、腕王の操作を覚えられなくて、自信喪失も重なったのか、怯えた子猫の様になっている。
怒られるんじゃないかと、常にオドオドビクビクしている。
うん。俺よりずっと体格が良いけどね。
「怒らないから、そんなに怯えなくても良いよ。って言うか、一度も怒ってないでしょう?そんなにオドオドしてたら、操作を覚えられないよ?大丈夫、テラなら覚えられるよ。頑張り屋さんだって聞いてるよ?な?俺を信じて?」
「はい・・・・・・ 本当に自分が情けないです。ごめんなさい」
「だから、大丈夫だって。な?深呼吸して落ち着こうよ?」
「はい・・・・・・」
「じゃあ、大きく息を吸って・・・・・・ はい、吐いて・・・・・・ しっかり吐こう。うん。そうそう、それを繰り返す・・・・・・」
何とか落ち着いたかな?
一緒に腕王に乗って、操作方法を教える。
「先ずは、起動させよう。自分のスマートフォンをそこのホルダーに・・・・・・そうそう、載せて・・・・・・ やれば出来るじゃん!うん。そう。起動させたね?そうそう、じゃあ、動かしてみよう。おー!凄い!ちゃんと出来るね!」
テラの元気が出る様に、頭を撫でてやる。
あれ?顔を真っ赤にして、恥ずかしがってる様な喜んでる様な・・・・・・
頭を俺の手の方に自分から出してくる!
「こら!ちゃんと運転に集中する!今 完全に自分が腕王を運転しているのを忘れてただろう!?」
テラが撫でられる事に集中してしまって、腕王が木にぶつかりそうになる。
これ、作業の妨げにならない様に、AIの補助機能を弱めてるんだから、ちゃんと運転に集中しないと、練習でも大事故になる!
「ごめんなさい・・・・・・」
また元気が無くなった!丁度良い加減は、テラには無いのか!?
宥めすかしながら、テラに操作方法を教える。
さっき危なかったので、褒める時に撫で無かったら、『ちゃんと集中するから、頭を撫でて下さい』と言うので、ちゃんと出来た時は、頭を撫でてやる。
さっきと違って、それからは頭を撫でてやっても、運転に集中していて、事故になりそうな状態にはならなかった。
でも、今度は子猫じゃなくて、ノドを鳴らしながら擦り寄る猫の様に、少しでも撫でて貰おうと、上手く出来た時には、御褒美の頭を撫でられるのを、上目遣いで目で欲しがる様になった。
いや、可愛いけどね。凄く覚えが早くなったけどさ!
うん。俺より身長が高くて、フェムト ピコ ナノの三人と較べると、お姉さんのオーラが有るけど、俺より年下なんだよな。
思ってたより甘えん坊で、教えていてビックリした。
次にギガ、その次にメガだったけど、テラと同じ方式で、上手く出来たら頭を撫でてやったら、恥ずかしがりながらも、予想以上に喜んでくれた。
流石 姉弟だけあって、その後の集中せずに事故を起こしそうになるのも同じ、それで怒られて落ち込むのも同じ、その後 集中するからと、出来た時に頭を撫でられたいと言ってきたのも同じ。
ってか!ギガとメガは、年下だけど、見た目はおっさんだぞ!その見た目で、頭を撫でられるのを御褒美として求めるって!撫でてる方の精神的なダメージがデカいんだけど!!
その次はシュラだった。こいつは真正のおっさんだ。
でも、まぁ・・・・・・万が一を考えて、最初の起動を上手く出来た時に、オーバーに褒めてやって、頭を撫でてやったら・・・・・・
めちゃくちゃ喜んだ!喜んだんだよ!おっさんが!
見た目 四十過ぎのおっさんが、頭を撫でられて、ガチで喜んだ!!
自分で試したけど、予想以上に精神的なダメージがデカい。
でも、シュラは出来る奴だ。テラ達三姉弟は、その後 事故を起こしそうになったけど、シュラは集中してました。
うん。でも、喜び過ぎて、薄っすら涙ぐんだから、前が見えなくて、それで事故を起こしそうになったけどね。もちろん、それで怒る事は出来ない。
悪い事はしてないからね。
うん。おっさんに、おっさんに、おっさんに、おっさんに!!
その後も御褒美に頭を撫でられる事を求められた。上目遣いに!!
はぁ・・・・・・
おっさんフレーバーが濃過ぎて、教えている俺の精神が崩壊しそうなんですが・・・・・・
泣いて良いですか??
次は、ナノが来た。
うん。テラと【どんぐりの背比べ】のナノね。
出来ないと自信の無いテラ達と違い、それより少し出来たので、無駄に自信が増長してしまっていて、一番最初にスマートフォンをホルダーに置く事さえ忘れてて失敗。
そこから平常心を失って、ミスの連発。
うん。やっぱりナノはナノだ。良くないけど、これがナノらしい。
だから、怒っても仕方無い。だって、ナノだもん。
それに、怒ると逆に緊張してミスを連発してしまうのも、ナノらしいから、怒っても意味が無い。
失敗が多いけど、上手く出来たら褒めてやる。増長して失敗が多かったから、頭を撫でるのはしない。うん。してやると危険な気がする。
何とか操縦が出来て、次の人と交代。
次は、優秀な方だったフェムトが来た。
サクサクと運転を覚えてくれる。
たまに操作をうろ覚えで曖昧な時が有るけど、基本的に教える事が余り無い。
うん。優秀だ。だから、少しだけ頭を撫でてやった。
後は、サラ、マオ、カオ と続いた。
サラはフェムト並みに優秀だった。うん。早く覚えてくれた。
マオとカオも、運転のセンスが有り、あっという間に覚えた。
この三人は、上手く出来ても、頭を撫でていない。
俺の直接の部下では無くて、領主様の所の人間だから、そんな事をしても良いのか分からないから、無難に止めておいた。
特に、サラは女性だしね。
全員に教えたけど、短時間だし一度じゃ覚え切れないだろう。
これから何日か掛けて、徐々に覚えて貰おう。
短時間の教習とは言っても、流石にいい時間になってきたので、風呂に入る事にする。
そう!初の露天風呂だ!!
この露天風呂を安全に利用出来る様にする為にも、早く周囲の外構工事を行いたい。
うん。巨大な魔物が出る森の中の露天風呂で、丸裸で入浴って、無防備の極致だから、襲われたら死しか無い。
まあ・・・・・・ 俺は何とかなりそうだけどね。
グーパン一発で、息の根を止める自信があるし・・・・・・
あれ?俺は異世界で人を辞めてしまってる??
「はぁ・・・・・・ 気持ち良い!これで石鹸が乾燥して使える様になったら、身体をきれいに洗えるぞ!」
外は夕暮れに近くなってる。他の作業員も仕事を終えて、入浴中。
うん。当然 周りには、携帯電話の店の閉店作業を終わらせて、店を閉めてきたピコも含めて、三人娘やテラが居る。
うん。ここは男湯だと、今回もしっかり伝えたけど、頑なに女湯に行こうとしないし、他の女性作業員も男湯に入っている。
しかも、何故か女性陣は、全員 俺の近くで入ってる。
一番の謎なのは、作業員以外の村人達も、公衆浴場を利用しに来た人全員 男湯に入っている。
もちろん、女子供も含めて全員が男湯で、その女性達も俺の近くで入ってる。
その中には、もちろんサクヤとか携帯電話の店の女性店員も含まれる。
うん。全員 隠す意思無し。うん。モロ見え。側だけじゃ無く、中身まで見える勢いで、見えてます。
つまり、目のやり場に困ります。目線をどこにしても、裸の女性です。
老いも若いも、全て女性は俺の近くで、入浴中。
と言うか、かなり広く露天風呂を作らせたから、今 入浴している人数位、男湯側に集まっても、余裕で入れる筈なのに、俺の周囲だけ、人の密度が高い。
俺から一番遠い所は、人が居なくてスカスカです。
そろそろ逆上せるから、体をセルの樹脂製糸を丸めた物で洗って出よう。
うん。湯船から出た俺を、ずっと目で追わないで・・・・・・
熱い眼差しで見ないで・・・・・・
特に、一部の人は、俺の特定の部分を注視し過ぎ!!
ゆったり入れる様にと作った公衆浴場なのに、何故 窮屈に入浴しているのか、謎が深過ぎて解決不能です。
いつか、のんびりと入れるのかな?
同じ世界を舞台にした「異世界『ながらタブ』事情 《異世界タブレット端末普及推進奮闘記》」も書いています。
読まなくても困りませんが、読むとより状況が解ります。




