昼間から一番風呂
昨夜は本当に大変だった。
作業場で予定していた物を全て作り、寝室で寝ていて、トイレに目を覚ますと、テラが横に寝ていた。
思わず大声で騒いでしまったら、更に部屋に三人娘が追加された。
簡単にだと、こんな感じだが、
そりゃ寝てて目を覚ましたら、知り合ったばかりの美女が横に寝てたら、誰だってビックリして、声を出すだろう!
「お前!はあ?何で横で寝てる!まずいから!ヤバいから出てってくれよ!」
って言ってたら
「どうしたの!?アユム!!」
って心配したフェムトが現れて
「アユム!大丈夫!?」
とピコも現れ
続いて
「どうしたのぉ〜?アユム・・・・・・?」
と寝惚けたナノが部屋に来た。
その後は三人娘がテラを責めて、俺の寝室から出そうとするものの、
テラは
「オレは御主人様の横に居なきゃいけない」
と訳の分からない理屈で断固拒否。
眠くて仕方無いから、後の事を三人娘に頼んで、先に寝させて貰ったら、朝 目が覚めると、四人共 俺の横で寝ていた。
「おい、どうしてこうなった?」
「ごめんなさい。テラを追い出す事が出来なくて・・・・・・」
「いや、フェムト?そうじゃなくて、どうしてテラだけじゃなく、三人も一緒に寝てるの?」
「テラより私が一緒に寝るべきだから」
「寝るべきって・・・・・・」
「でも、私が寝るべきアユムの横を盗られた」
「そうよ。私が寝るべきアユムの横を盗られたの!」
「いや、ピコも寝るべきって・・・・・・」
「申し訳ありません。御主人様より後に起きてしまいました」
また土下座してテラが謝っている。
「いや、詫びるべきはそこじゃなくて・・・・・・一緒は困るんだけど・・・・・・」
「オレは、私は、アユム様のものですから」
「いや、俺のものって・・・・・・」
「アユム おはよう!」
「おい!起きざまに抱きつくな!」
真横で寝ていた一人のナノが起きた。
「みんなさ?乙女でしょう!?ダメでしょう?男と一緒に寝たら!」
「大丈夫 アユムに嫁ぐから」
「違う!私でしょう!?」
「ううん。私だよ!」
「オレは御主人様の下僕だから大丈夫」
フェムトもナノもピコもテラも無茶苦茶だ!
今日は朝飯代わりの物が無い。
早く食生活を改善しなきゃな。
「もう仕事に行くよ!」
「「「「はい!」」」」
今日は、ピコと携帯電話の店に向う。
携帯電話の店に着いたら、壁に昨日 作った物を取付ける。
四十インチ程の大きさのディスプレイだ。
取り付け終わった頃に、サクヤが二人の友達も連れて、出勤してきた。
「アユム様 この二人もここで働いて、お役に立ちたいそうです」
「「宜しくお願いします!」」
サクヤに負けず劣らずの年頃の美人さんな二人だ。
サクヤが線の細い、薄幸な雰囲気の美人さんだが、
カヤと名乗った女性は、日に焼けた健康そうな胸の大きい人で、
ナアと名乗った女性は、少しぽっちゃりした感じの可愛さも有る美人さんだ。
三人共に、俺より少し身長が高い。
そして、三人共に、朝から俺を拝んでる。
「いや、拝まないで・・・・・・」
「「「えっ?」」」
「ダメなんですか?」
サクヤ達が泣きそうな目で見てる。
「出来れば止めて欲しいかな・・・・・・」
「「「わかりました・・・・・・」」」
三人共に、凄く気落ちしてる!!
えっ?ダメって言った俺が悪いのかな?
ディスプレイの使い方を、四人に教えていたら、領主様が現れた。
「おはよう。それはなんだい?」
「これは、ディスプレイやテレビと言う、魔法の道具です」
「空を飛んでるよね?」
「あー これは・・・・・・ドローンと言う、魔法の道具が見た物を映していて・・・・・・ドローンって魔法の道具は飛べるんです」
「は?なんだいそれは!?」
「後で!後で教えますから!見せますから!」
「絶対だよ!」
「はい・・・・・・」
「もう行ける?」
「もう少し待って下さい。ピコにスマートフォンの作成方法を教えますから」
「えっ?ピコが すまほ を作れるの?」
「はい。見てて下さい」
ピコにスマートフォン作成機と【中継器】作成機の使い方を教える。
「ほう?こんなに簡単に出来るんだね」
「はい。でも、スマートフォンが無いと作れませんし、そのスマートフォンも許可された端末でしか作成が出来ません」
「そうなんだね」
「じゃあ、行ける様になったから行きますか?」
「うん。良いよ」
「じゃあピコとサクヤさんは、新しい二人に仕事を教えてあげてね。新しい二人もよく教わって頑張ってね」
「「「「はい!」」」」
村の出入口まで移動して、車の所まで行く。
「これが自動車、または車って言う魔法の道具だよ」
「これがねぇ・・・・・・」
「さあ、乗って」
「こうかい?」
領主様を後部座席に乗せて、工事現場に向う。
「早い!これは凄い!」
「うん。どうしても移動が大変だったから作ったんだ」
「これは買えるのかい?」
「まあ、その内にね」
領主様は自動車も欲しくなった様だ。
工事現場に着くと、みんな既に揃っていた。
「おはようございます。今日は作業開始の前に、スマートフォンの完成した分を渡します。そして、今日はいつもと違う作業もして貰います」
「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」
「あの・・・・・・?ここが、この現場が、現場の感じが昨日と変わっているんですが・・・・・・」
シュラが質問してきた。
そりゃそうだ。昨日完成した貯蔵庫などは樹脂でコーティングされてるし、工事中だった所は、既に岩がカットされたブロックになっていて、そのブロックを運び出すだけになっているんだから。
「後で説明するので、今日の優先作業を伝えますね」
「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」
監督の五人や作業員に、完成した貯蔵庫への生肉の搬入の指示と、手桶や洗面器や風呂椅子の作成を指示した。
手桶や洗面器は、数個木製で作って貰うが、残りはつる植物の蔦や竹や笹を使って、編んだ物を主に作って貰う。
つまり、大多数はザルを作る様に指示した。
それが終わったら、セルが捕食融解して切れ目を入れた岩のブロックを、みんなで運び出す指示をした。
その後 完成した分のスマートフォンを渡して、登録を済まさせた。
「アユム!?もうこんなに済んでるのかい!?凄いよ これ!」
「早くしないと肉が腐るからね」
地面から一メートル程高い所に貯蔵庫用の穴を掘っているが、セル達は、予定していた数を掘り終え、
予定を超えて、【二段目】を掘り出していた。
地面から五メートル程の高さに、穴を掘り始めていた。
意識しないと解らないが、その高さの岩壁の部分に、セルが掘った筋が見える。
多分 【一段目】の穴を掘り終えたセルに、俺が寝ている間に、シムが指示をしてくれたのだろう。
ねえ?シム?この【二段目】はシムが指示してくれたんだよね?ありがとう。
[はい。指示しました。【一段目】は人力と違い セルなら七箇所 穴を掘れましたが それでも保存を予定している肉の量に対して 空間が足りませんでした。なので 私の判断で【二段目】も穴を開ける指示をしました]
凄く適切な指示だよ。ありがとう。
「さて、ガロンに見せたい物が有るんだ」
「えっ?なに?」
「こっちだよ」
領主様を完成した公衆浴場に連れて行く。
「これはなんだい?」
「ちょっと待ってて」
浴場の中に入り、湧水を引いている管の栓を抜き、給湯器の魔道具の設置してある窪みに水を貯める。
冷凍機と給湯器のバッテリー部分にスマホを当てて、起動させる。
給湯器の部分に水が当たると、湯気を出す。
しっかりと熱湯にしてから、給湯器の所の栓を外して、浴槽に湯を流す。
「お待たせ、中に入ってみて」
「これは!?温泉!?」
やはり、この世界にも温泉は在る様だ。
「いや、あの部分に着けた給湯器って魔道具でお湯にしているんだよ」
「これも魔道具で!?本当 アユムの魔法には驚かされるよ」
「どうだい?もう少し湯が貯まったら、入ってみないか?」
「それは良いね」
「じゃあ湯が貯まるまで・・・・・・」
公衆浴場の小屋の外壁に、持って来た四十インチ程の大きさのディスプレイを取付ける。
ディスプレイを起動させると、近くを巡回させていたドローンのカメラからの映像を映す。
「これは何度見ても凄いよね」
ざわざわ・・・・・・
領主様の声でディスプレイの存在に気が付いた作業員の作業の手が、驚いて止まってしまっている。
ディスプレイに気が付いた作業員達は、少しボーッとディスプレイを見詰めていた後、我に返り、作業を再開するが、やはり気になる様で、チラチラとディスプレイに目を向ける。
「この映像は、このドローンのカメラで見たものなんだ」
ディスプレイには、領主様のビックリした顔がアップで映っている。
その領主様の目の前には、ホバリングしているドローンが一台。
「と・・・・・・飛んでる!?」
「そう、飛ぶ魔道具なんだ。これで村の周囲に魔物が現れてないか巡回している」
マップに魔物を表示出来るが、魔物の様子は見る事が出来ない。
これなら、魔物を目視出来る。
「アユムはそんな事までしてくれていたんだ・・・・・・」
「まあ・・・・・・ね・・・・・・」
「やはり、アユムが領主になるべきだね・・・・・・」
「えっ?なに?」
領主様が何か呟いたが、声が小さくて聞き取れなかった。
「いや、こっちの話」
「桶などがいくつか出来ました!」
桶やザルを作る作業をしていた人の一人が、代表していくつか手に持ってきてくれた。
「ありがとう。じゃあ桶と風呂椅子を二個ずつ貰おうかな」
「はい!」
「残りは集めて、あの小屋の近くに置いておいてね」
「はい!」
「じゃあガロン そろそろ湯が貯まってきたろうから、風呂に入ろうか?」
「おう、良いねぇ・・・・・・」
公衆浴場の中に行くと、まだ湯が少な目だが、入れそうな程には貯まっていた。
脱衣場で服を脱ぎ、俺はタオルを、領主様は持って来た布を持って、浴場に二人で向う。
木の桶で掛け湯をしてから、二人で一番風呂に入る。
「ふぅ・・・・・・ ちょっと熱いかな?」
「そうだね。少し熱いけど、私には良い感じだよ」
「流石 九十前だね。ハハハ」
「年齢なんて関係あるのかい?アハハハ」
そりゃそうだ。元の世界のお年寄りが銭湯とかの公衆浴場の湯の温度が熱い方を好むって、こっちの世界の人達は知らない。
「ここ 無料開放するから、村の人達に入って貰ってよ」
「本当かい!?アユム ありがとう!!嬉しいよ!」
手を握ってお礼を言ってきた。
「あ、ガロン?お願いが有るんだけどさ?」
「なんだい?」
「スマートフォンを持つ人が増えて、スマホの店でやろうと思ってた読み書き算数を教えるのがさ、広さ的に厳しくなってさ、もう少し広い所でやりたいなって・・・・・・」
「ああ、それなら何か考えるよ」
「ありがとう!!」
「ふふふ・・・・・・ それはこちらが言う事だよ。ハハハ」
「えっ?俺が頼んでるんだから、お礼を言うのは俺だろう?」
「まあ、良いや。ハハハ」
「さて、石鹸は無いけど、一応 体を擦るかな」
「せっけん?なんだい?それ?あ、その手のはなんだい?」
この世界?この領の辺り?では、石鹸は無いみたいだな。
「石鹸は体をきれいにしてくれる物だよ。この糸の塊は、こうして体を擦ってきれいにする物だよ」
「それじゃあ私もするかな」
樹脂だから糸がツルツルしてて、擦れる感じが無くて、満足感が低いけど、皮膚の為には良いかもね。
さて、風呂から出たら、工事現場でやる事をやったら、携帯電話の店に移動かな。
その後に、車で生肉を貯蔵庫まで運んでやろう。
主人公を働かせ過ぎかな・・・・・・と、ブラックな労働環境にさせているブラックな作者なのかもと、心配しています。




