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異世界 『ながらスマホ』事情  作者: 一等神 司
第二章 スマホ中毒者から始まる文化大革命
35/83

スマートフォンと貯蔵庫の現在

今日はフェムトと二人で携帯電話の店(ショップ)で働いている。

三人娘の残りの二人は、貯蔵庫を作る工事している現場で、管理者として、つまり監督として働いて貰っている。

正直 三人娘は三人共に、極めて身長が低いので、工事現場よりも、この携帯電話の店(ショップ)で働いて貰う方が、合っていると思う。

そう思ってるけど、今 この世界で、信頼していて仕事を任せられる相手が、この三人娘位しか居ないので、これ以外 どうする事も出来ない。


さ・・・・・・三人も居るから、ボッチでも無いし、コミュ障でも無いぞ!


ここの領主のガロンは信頼しているけど、まさか領主をお店で働かせる訳にはいかないしね。

それでも、工事現場の方には、領主様(ガロン)が手伝いを寄越してくれたから、かなり助かった。


まだ、やりたい事とか作りたい物とか有るのに、俺が携帯電話の店(ショップ)から離れられないと、それらが出来ないんだよね。



「「ありがとうございました!」」


また一件 成約した。

驚く程に、開店初日より簡単に契約が済む。


俺やフェムトが説明する事を、凄く真剣に聞いてくれて、全くの疑いも無く、話を信じてくれる。


「アユム様が言うんなら大丈夫だから」


そんな事を言われたりもした。

えっ?俺 ここに来たばかりの余所者だよ!?

しかも、この村や領地ってレベルじゃなく、この世界に来たばかりの異世界人だよ!?

そんな奴の言う事を信じるって、どれだけ人が良いの!?

まあ、異世界人なのは、誰も知らない事だけどさ・・・・・・

それでも、無垢に信じ過ぎだろう!!


って感じの事を、フェムトに話したら、呆れ顔でため息を吐かれた。


「アユム?あなたがここで、この村で何をしたのか理解してないの?」


そんな事を言われた。

えっ?俺 良い事はしたけど、そんな呆れ返られる様な悪い事をしたかな?


「「ありがとうございました!」」


また成約した。

どの村人も、スマートフォンの契約と同時に、照明の取付の契約もして行くのだけど、

「工事に入れるのがいつになるか分かりません!」

とか無茶苦茶不親切な事を言っているのに、

「ずっと待ってますからいつでも良いですよ」

とか返事されてしまう。


本当に、この村の人達は、良い人ばかりだ。


あ、最初に意地悪してきた三人組が居たんだった。

でも、その三人も、今では貯蔵庫の工事とかの仕事を一緒にしている仲間だしなぁ・・・・・・

うん。本当に良い人ばかりだ。


あ、また、お婆ちゃんが・・・・・・


「お婆ちゃん?俺を拝んでも良い事は無いですよ?」


高齢者を中心に、俺の店の前を通る時に、俺の事を拝んで行く。


「アユム様 これを食べて下さい」


「えっ!?食事!?えっ?お姉さん!?えっ?領主様からですか?」

一応 お姉さんとは言っているけど、見た目的には、俺のおふくろ位の年齢に見える女性、だけど安全の為に・・・・・・

渡されたのは、大きな葉に包んである、肉を煮た物だ。


「いえいえ、うちで作った物です。美味しくないかもですが、是非 食べて下さい」


「えっ?悪いですよ」


「お願いします。是非 食べて欲しいんです」


拝まれた・・・・・・


「はぁ・・・・・・ ありがとうございます。丁度 ご飯時だったので助かります」


「アユム様 私の所のも食べて下さい」


「えっ!?お姉さんも!?」

もちろん 見た目的におふくろ位で・・・・・・


「うちのも是非 食べて欲しいんです」


また拝まれた・・・・・・


「あ、ありがとうございます。助かります」

一人からだけ受け取って、他の人から受け取らないって、悪いからね。


「あの!?うちのも食べて欲しいです」


既に拝まれている!?

えっ?もしかして、怖がられている?


「あ、ありがとうございます。助かります」


「うちのも食べて下さい!」


ちょっと若目のそれでも三十代後半に見える女性も、俺を拝みながら差し出してきた。


「ありがとうございます。助かります」


ふと、外を見たら、まだ数人 包みを持って並んでいる。


うん。包みを持った全員が、同じ目的だった。

中には、年頃の美しいお嬢さんも居た。


「あの!?アユム様には凄く感謝してます!うちの一族全員の恩人です!アユム様の為なら、何でもしますから言って下さい!」


年頃の美しいお嬢さんに、両手を取られ、その両手を握り締められながら言われた。

凄くビックリした。


「いや、大した事はしてないし、悪いですよ」


「そんな事は無いです!本当に何でもしますから、言って下さい!」


「あ、はい・・・・・・ 機会が有ったら・・・・・・」


「今は何かお困りの事は無いですか!?」


「あ、そんなには・・・・・・ あ、一つ有るか・・・・・・」


「えっ?何でしょう?何でもしますよ!?いつでもお供します!!」


「このお店の人手が足りなくて・・・・・・」


「お手伝いします!」


「えっ?いや、悪いですよ」


「いえ、お困りならお手伝いします!」


「でも、大変ですから良いですよ・・・・・・」


「いえ、お手伝いさせて下さい!」


「は はぁ・・・・・・ ありがとうございます」


「他にも人を集めます!私の友達にも声を掛けてみますから!」


「えっ?良いんですか?ありがとうございます」

まあ、若いから覚えも早いだろうし、大丈夫だろう。

でも、ビックリした。


で、当然 拝まれた。


「今からでもお手伝い出来ます!」


「あ、ありがとうございます。お名前は何と言うのでしょうか?」


「私はサクヤです!」


「じゃあ、サクヤさん 今日は私とフェムトのしている事を見て、覚えて下さい」


「はい!分かりました!」


「じゃあ食事をするので、少しの間 二人でお願いします」


「「はい!」」


店の隅で食べてるし、お昼時でお客さんも少ないし、二人でも大丈夫だろう。




体には悪いけど、急いで食べて、フェムトにも食事を摂らせる。

突如 人手として現れてくれた救世主のサクヤは、食事を済ませてきていると言うので、そのまま携帯電話の店(ショップ)の仕事を教えた。

とは言っても、スマートフォンを持っている訳では無いので、スマートフォンの値段などを教えて、買いたいと言う人に、説明が出来る様に、基本的な事を覚えて貰った。

それと、仕事の報酬の話をしたのだが、「要りません」と言うのだけど、そんな訳にはいかない。

三人娘も含め、きちんと報酬を決めていかないといけない。

今は、労働の対価として、毎日 肉の提供をすると言う内容にして、後々 きちんとした雇用契約をする、そう決めて納得して貰った。

それと、今日 閉店してから、スマートフォンの契約もしたいと言うので、スマートフォン本体の提供と月額の料金を免除する事も、報酬の対価の一つにした。


「この内容なら、他にもここで働きたいと言う人が、沢山 現れると思います」


「そうなの?」


「はい。こんな凄い魔法の道具、誰でも欲しくなりますけど、対価が払えない人もいますから!」


山賊達にも、希望者には労働の対価の一つとして提供しようかな・・・・・・


「ここで働く人は、他には数人で良いんだけどね。そんなに大きな村では無いし」


「そうですよね。この村以外からも買いに来ると思いますけど、ガロン様の領地以外からは、来ないだろうと思いますし・・・・・・」




サクヤさんは、本当に覚えが早い、料金の説明も直ぐに覚えて、スマートフォンの基本的な操作方法も、あっという間に覚えてくれた。

これなら、閉店に近い時間になったら、二人だけを残して、工事現場の方に、様子を見に行けるだろうと思う。


教えている間にも、何度も俺を拝むのには、困ってしまったけどね。


俺を信仰の対象とした、変な宗教でも、この村の中に出来やしないか、凄く心配だ。

いや、本当に止めて欲しい。


携帯電話の店(ショップ)は、凄く平和だ。

初日の様な、無理無茶な混雑は無い。

俺も含めた店員の全てが接客をしていると、他に客が来ても、大人しく待っているか、その待っている人が数人いると、一旦帰りまた来てくれる。



「あ、フェムト?そろそろ閉店が近いし、工事現場の方に様子を見に行っても良いかな?サクヤさんと二人で大丈夫?」


「うん。大丈夫だよ。お客さん 多くなっても待ってくれるし」


「そう、良かった。じゃあ工事現場に行くよ。サクヤさん 後はお願いします。閉店作業もフェムトから教わって下さいね」


「はい。お任せ下さい」


って、また拝まれた。


って!お店を出たら、外に居る人達が、俺を拝んでる!?


「あの・・・・・・ 俺 普通の凡人なんで、拝んでも御利益は無いですよ・・・・・・」


うーん・・・・・・

良い笑顔を返されるだけで、分かって貰えたのか解らない。

「ありがたいねぇ」とか言いながら、拝んでいた人達が、俺の事を見送ってるし・・・・・・


本当 変な宗教でも出来るんじゃないか心配だ!




村の出入口まで移動して車に乗る。

そして、村の出入口付近に居た人達にも、また拝まれてしまった。

特に、車で工事現場に向かうと、車に向かって村人達が、ずっと拝んでいた。




村に一番近くに有った魔物の亡骸は、完全に処理が済んでいた。

燻製や干し肉になった物を、トラックに積んで、村に持って行く。

昨日の事もあるので、村の出入口付近に居た人達は、慣れた感じで、領主様(ガロン)の屋敷まで、加工済みの肉を持って行ってくれる。


積んでいた肉が無くなったら、また工事現場に向う。


移動途中の道の脇に、まだまだ沢山の魔物の亡骸が有る。

傷むまでに出来るだけ沢山の肉を保存出来たら良いのだけど・・・・・・




工事現場に着くと、監督を任せている五人が報告に来た。


報告で、予定通り、貯蔵庫予定地の一番奥に、貯蔵庫にする穴の一つが完成し、その横に頼んでいた小さ目な穴と小屋を繋げた物と、その内部に頼んでいた物も出来たそうだ。

しかも、もう一つの貯蔵庫予定の穴も完成に近いそうで、かなり早いペースで作業をしてくれている。


「みんな頑張ってくれてるね。ありがとう」

と言うと


「いや、この魔法の道具が凄過ぎるんですよ」


と、作業員達が、口々に掘削機の凄さを説明してきた。


いや、いくら掘削機が有るとは言っても、それでも早いだろう。


「暗くなるまでに、きちんと片付けも含めて、作業を終わらせてあげてね。それと、最後に話したい事が有るから、肉の処理をしている人達も含めて、村の出入口付近で待機してて欲しいんだ」


「「「「「わかりました!」」」」」


後を五人に頼むと、俺は予定の事を始めた。

完成した貯蔵庫と、その隣の小屋に、用意していた物を取付ける。

貯蔵庫には、エアコンを取付ける。

そして、その隣の小屋には、エアコンの室外機に相当する部分を取付ける。

貯蔵庫に付けたエアコンは、元の世界の室内で使う物より、冷却能力が格段に高い。

実際に使ってみないと解らないが、多分 庫内の室温を氷点下にまで、下げてくれる筈だ。

そう、貯蔵庫は冷凍庫仕様にする。

複数作る全ての貯蔵庫を冷凍庫仕様にするかは解らないが、いくつかは冷凍庫にする。


そして、ここは岩山の下だ。

そこには自然と山の上の方の水が、しぼれて湧いている所が近くに在る。

その湧水を貯蔵庫の横の小屋に引き入れて貰った。

穴と小屋の内部には、全面的に地面よりかなり高く盛土して、その上に岩を組んで窪みを作って貰っている。

窪みの底には小さな穴を、窪みの外側に抜ける形で作って貰った。

小屋と穴との境目にも、より高く盛土して岩で組んだ深い深い窪みを作って貰った。

その深い深い窪みの底には小さな穴が抜けて有り、その小さな穴は、小屋と繋がった穴の奥に抜けている。

そして、湧水は、この深い深い窪みに引き込んだ。


エアコンの室外機に相当する部分は、この深い深い窪みに取付けた。


今からエアコンと風呂の給湯器の試運転だ。


湧水を引き込んだ管の栓を抜き、逆に深い深い窪みの底の栓はして、一旦 水を貯める。


水が貯まったら、一度 管に栓をして、湧水が溢れない様にしてから、貯蔵庫外に取付けた冷凍機のバッテリー部分にスマホを当てて始動させる。


冷凍機からは、かなり低い温度の冷気が出てきた。

これだけ冷たいなら、目標通り氷点下まで下がってくれるだろう。


給湯器として機能する水を貯めた所も、しっかりと熱を放出している。

かなり早く水が加熱され、湯気が出始めた。

しっかりと熱湯になったら、湧水を引いてる管の栓を抜き、給湯器を取付けた深い深い窪みの底の栓も抜く。

十分に加熱された湯は、穴と小屋の全体に作られた広い窪みに貯まって行く。


成功だ!


そう、多分 この世界初だろう公衆浴場の完成だ!


火山が山奥に在ると、フェムト達から聞いたので、多分 探せば天然温泉も在るのだろうけれど、それを見付けても利用しやすい所に在るとは限らない。

だけど、お風呂には毎日の様に入りたい。

そして、この冷凍機を作る時に思い付いた排出される熱。

別に電気を使う訳では無いから、感電の心配も無い。

それなら、この熱を使わないのは勿体無い。


無いなら作れば良い。

だから作った。

公衆浴場を。


これで毎日でもお風呂に入れる。

これからスマートフォンを持つ村人が増えるから、バッテリーへの魔力の供給は、お風呂に入る人達にして貰えば良い。

すると、それと連動して貯蔵庫の冷凍機も動き続けてくれる。


お風呂に毎日入る習慣が出来たら、衛生面が向上し、病気による死者も減るだろう。


まあ、油が貴重で、石鹸が無いのが困るが、それもその内 俺が作れば良い。


今日は試運転だから一度 停止する。

貯まったお湯も抜いておく。

今日は、この後の加工の為に使用出来ない。

それが終わってからの稼働だ。明日には利用出来るだろう。


冷凍機と給湯器の設置が終わり、外に出ると、皆 作業を終えて、村の出入口に向かっている。


待たせちゃ悪いから、俺も移動しよう。

俺を待っててくれた現場監督の五人に声を掛ける。


「なあ?車で村の出入口まで移動するけど、一緒に乗って行く?」


「えっ!?だ、大丈夫なんですか??」


みんな怯えている。

どうしたんだろう?

セラの問に答える。


「大丈夫ってなにが?」


「食べられたりとか噛まれたりとかしませんか?」

「うん。そうそう怖くないの?」


ピコもかなり怖いらしい。


「大丈夫だよ。楽で便利な魔法の道具だよ。ただ五人は前に乗れないから、二人は荷台に乗って貰うけどね」


五人の話し合いで、女の子は前に、男の子は荷台に乗る事になった。


「凄い!楽だ!」

「うん!これは凄い!」

「流石 アユム様です!」


ナノもピコもサラも大喜びだ。

スマートフォンよりも反応が大きい位だ。


「もう着いた!」


「みんな感動してるね?」


「昨日 見た時もビックリしたけど、乗るともっと凄かった!」

「そうそう。凄い」

「はい。感動しました」


ナノは特に反応が大きいな。


出入口で待っていると、シュラが近付いてきた。


「みんな集まりました。子供達もですよね?」


「あ、大人だけで良いんだけど、子供だけ帰すのはかわいそうだから、一緒に居て良いよ」


「わかりました」


「じゃあ、みんな話を聞いてくれるかな?」

ざわついている作業員に向かって声を掛ける。


「俺が魔法の道具を作れるのは知っているだろうけど、その便利な魔法の道具の一つに、スマートフォンと言うのが有ります。それを作業員の中の希望者に、報酬の一つとして、提供しようと思っています」


「えっ?魔法の道具を!?」

「貰えるの?」

「どんな魔法が使えるんだろう!?」

「工事現場で説明で見せて貰った奴だよな?」


「はい。静かにお願いします。今からピコやナノ達と一緒に実演するので、それを見て欲しいと思った人は、解散後 私の自宅に来て下さい」


「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」



ピコやナノ達とスマートフォンを使ってみせる。

写真撮影や通話をしてみせると、作業員達の中から感嘆の声が漏れる。




「はい。こんな感じです。もっと他にも機能が有りますが、基本的にはこんな感じです。使いたい方は、先程 説明した様に、後で私の自宅まで来て下さい。条件を伝えて納得された方と、契約を結びますから」


「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」


「じゃあ、今日もお疲れ様でした。解散!」


「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」








そして、その日 後悔する事になる。




うん。子供を除いてほぼ全員か・・・・・・

数十人の作業員の殆どが、スマートフォンの契約を希望して、俺の自宅は人で埋もれた。

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