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異世界 『ながらスマホ』事情  作者: 一等神 司
第二章 スマホ中毒者から始まる文化大革命
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神の目

山賊達が住処にしていた崖付近に来ている。

この辺りは、【基地局】や【中継器】やスマートフォンなど、魔力をエネルギーとして動く物の材料となる、魔石や魔鉱や魔鉱石の鉱脈が豊富にあるそうで、魔力をエネルギーとする自動車などを作る為に来た。


自動車は2トントラック位の大きさと形状の物が作れたが、それを作った関係で、この辺りで簡単に拾って手に入っていた、魔石などの資材が無くなってしまった。


そりゃそうだ。今回で三回目の利用だ。

それだけ拾っていれば、無くなるのは当然だよな。


作りたい物は、魔動自動車以外にも有る。

でも、材料が拾えないと言う、困った状態になってしまった。


でも、そこは高性能なシム様、最初に来た時に、周辺にしっかりと設置させられた【中継器】のセンサーからの情報で、容易に採掘出来そうな空洞を見付けてくれていた。

あの時の苦労が報われたと言うか、この状況を見据えての設置だったんだろうな。


[当然です]


「うおっ!?独り言みたいな思考を勝手に読んで、返事までするなよ!」


[私には指示との区別が付きません]


「そうなのか?」


[はい]





[嘘です]


「嘘なのか!?」


[高性能な私が解らない訳がないじゃないですか]


「シム・・・・・・ お前・・・・・・ 俺をからかって楽しんでいるだろう?」


[そんな事は御座いません]


「まあ、良いや。ここの奥だよな?」


山賊達が牢として使っていた洞窟の中に入った。


[はい。このまま一番奥まで進んで下さい]






「ここが入れる一番奥みたいだな」


奥行きは、思ったより有ったが、それでも十数メートル程度だった。

一番奥に穴が続いているが、横幅が十センチも無く、人が入れる程の広さでは無い。

穴の縦の長さはニメートル程度は有りそうだ。


「なあシム?これって人工的な感じの岩肌だけど・・・・・・」


[そうですね。ツルツルとした壁面で、自然物でも有り得るかも知れませんが、人工物的な雰囲気が有ります]


「自然物か人工物か、判断は出来ない?」


[人工物だとしても古過ぎて断定出来ません]


この洞窟全体が人工物だったのかも知れないな。

あの最初に転移して来た場所の遺跡の塔、【極】の【基地局】は明らかな人工物だった。

それなら、あの塔を創るのに、あの場所まで材料を運んだ筈だ。

じゃあ、それはどこから?ここからだったんじゃないだろうか?

あるいは、複数の採取場所の一つが、この場所だったんじゃないかな?

あくまでも憶測だけどね。


「この奥に行かなきゃならないんだよね?どうやって穴を拡げようか?」


[この壁は何で出来ていると思いますか?]


「えっ?そう言えば・・・・・・ シム ライトを点けて」


やっぱり黒い!


[正解です。そもそもこの一番奥の壁も魔石や魔鉱や魔鉱石です]


「じゃあ、これを材料に何かを作っていけば・・・・・・ 使っていれば・・・・・・」


[はい。自然と穴は拡がります]


「じゃあ、ここを作成の作業場にしよう」


先ずは・・・・・・

洞窟の中を明るくしなきゃな。

スマホライトの機能を転用した照明を作成する。


「よっと・・・・・・ 付いた!」


「シム 照明を点けて」


おー!作業をするには十分な明るさだ。


「全然 まだ拡がってないね」


[そうですね。照明を四個作った程度では そんなに拡がりません]


「ここだと外の様子が解らないし、掘削機を増やす前に、先にアレを作っちゃおうか」


[はい。それが良いかも知れません]


「じゃあ、明るくなったし、ここから出来るだけ早く作っていこう」


[はい]













「出来た!これこの世界にとって自動車以上に影響がデカそうだよね」


[そうかも知れません]


「でも、これが有れば・・・・・・ 人々の安全性が凄く高まる」


[はい。間違い無いです]


俺の前には、大小様々な大きさの数十個のドローンが在る。

一番小さな物で横幅が三十センチ程だ。

一番大きな物だと横幅が四メートル程も有り、人も運ぼうと思えば運べるサイズだ。


でも、最大サイズの物は一つだけだ。


八割は横幅三十センチ程、他も最大サイズと較べたら、そこまで大きくは無い。


こいつらは、この世界でスマートフォンライフを充実させる為に、どうしても必要だった。

このジャングルばかりの環境の中で、【基地局】や【中継器】を満遍なく設置する為には、こいつらを利用するしか無い。

人力じゃ無理が有り過ぎるからだ。十分な数を人力で設置しようとしたら、この周辺だけでも何十年何百年掛かるか解らない。


一番小さいサイズのドローンには、【中継器】を自動設置させ、最大サイズのドローンに、【基地局】を自動設置させる。


「これだけ使ったから、穴もかなり拡がったね」


[はい。十分な幅になりました]


「でも、奥がまだ拡がって無いけど、掘削機を作り始めたら・・・・・・ そろそろ奥の空間に抜けそうな感じだよね?」


[はい。予測ではそうなります]


「じゃあ、ドローンを飛ばして偵察させてから、掘削機を作ろう」


[はい。了解しました]


ドローンは、スマートフォンの通信機能とカメラとモーターとバッテリーの技術を応用してある。

通信機能で俺のスマホと繋がり、カメラで捉えた映像を送ってくれる。

四つのプロペラは、モーターで駆動する。

それらのエネルギーを供給するのは、魔力バッテリーだ。


「さて、全部 テストも兼ねて飛ばしてみたけど、壮観だな。ハハハ…」


数十個の大小様々なドローンが飛んでいる。


しかも、異世界の空にである。


「シム ドローンの操作は任せるよ。工事現場もたまに巡回して、様子を見てくれ。それで何か問題が起きてたら教えてくれ」


[解りました]


さて、掘削機掘削機。元山賊の三分の一位は、掘削機を使って工事が可能にしたい。

じゃないと、完成まで時間が掛かり、ほとんどの肉が腐ってしまう。


「じゃあ、先ずは一つ目・・・・・・」










「ふぅ・・・・・・ 頭が入りそうな程度には、穴が開通したかな・・・・・・」


頭を突っ込んで覗いてみるが、暗くて見えない。


「わぁ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ッ!!!」


中で大きな声を出して反響を確認してみると、かなりの広さが有りそうだ。


「もう一つ掘削機を作ったら、手も入れられそうだね」


[作成出来ました]


「うん。四つ目で、手も入る程度には拡がったね」


右手にスマホを持って、明かりを点けたまま、頭と一緒に穴に入れる。


「おー!広いね!人が暮らせそうな程に広い!」


洞窟の中は、自然物にしては全体的にツルツルしている。

特に床面は、デコボコはしているが、不自然に尖った部分が無く、ツルツルした質感だ。


「後 数個掘削機を作ったら、中に入れそうだ」







合計十個の掘削機を作った。

途中から、既に中に入れるだけの幅が確保出来たが、ギリギリの幅では無く、十分な幅にまで拡げた。


「さあ、じゃあ誰も入った事が無い洞窟の中へ探検と行きますか」



この奥には何が待っているんだろう?

まあ、何も起きないかも知れないけど、ワクワクが止まらない!

これだからアウトドアって楽しいんだよな!!

完全なオーバーテクノロジーです。

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