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異世界 『ながらスマホ』事情  作者: 一等神 司
第二章 スマホ中毒者から始まる文化大革命
30/83

工事は会議室でするんじゃない現場でやってるんだ

今日は早朝から自宅の周囲が騒がしい。

そりゃそうだ。数十人の男達が、外で待っているのだから。


昨日の夜は、頑張って八台の掘削機を作り上げた。

こんな物 仕組みとしては簡単だ。モーターと動力源さえ有れば、ほぼ完成だ。

モーターは魔力を使う魔力モーター。動力源は魔力バッテリーだ。

後は、モーターの回転運動を、ピストン運動に変えてやれば良い。


そして、一台のスマートフォンを作成した。

これは、ガロン班のリーダーをするサラに貸与する物だ。

贈与では無い。あくまでも貸すだけ、岩穴を拡張する工事の監督をするのに、連絡手段が有った方が良いだろうと判断した。

それに、作業を指示する相手が、食い詰めてとは言っても、山賊行為をしていた数十人の男達だ。

安全の為にも、班に一つはスマートフォンを持たせておいた方が良いだろう。


貰っておいた昨日の夕食の残りを食べて、簡単に朝食を済ませてから、外に出て挨拶をする。


「おはようございます。」


「「「「「「「「「「おはようございます!!!」」」」」」」」」」


うおっ!?

流石 この人数から一斉に返事を返されると、凄い圧を感じる!


「皆さん お聞きになっているでしょうが、私が皆さんを雇わせて頂く事になった【アユム】 【スマ アユム】と申します。宜しくお願いします」


「「「「「「「「「「宜しくお願いします!!!」」」」」」」」」」


ペコリと頭を下げると、痩せ細ってはいるが、屈強な体格の元山賊達が、一斉にお辞儀をした。

ここは異世界の土木の工事現場の朝礼なのでしょうか?

あ、そうだった。その予定で人を集めたんだった。

それなら仕方無いね。


「では、ここでは近所の方々に迷惑になるでしょうから、現場に向かいましょう。話の続きはそちらでします」


俺を先頭に歩き、続いてナノ ピコ フェムト、その後には、サラと二人の男の娘、もとい男の子。名はカオとマオらしい。漢字にしたら【華夫】【真雄】とでもなるのだろうか?サラは【沙羅】かな?

漢字なんて無いか、有っても識字率が低くて、使われてないみたいだけどさ。

三人の中で、一番 読み書きが出来ると言うフェムトに、文字を書いて貰ったけど、象形文字っぽい感じだった。


ん?カオとマオの後ろに・・・・・・


あの巨体の三人組が居る!!

筋肉の塊の様な野獣的二人の男と、高身長ナイスバディの美女さん!!

えっ?何故 あなた達がここに?

うん。現場に着いたら、先ず三人に聞いてみよう。

邪魔をする目的かも知れないしね。





「はい。到着です。ここで皆さんには作業をして貰います」


「「「「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」」」


「で、作業の説明に入る前に・・・・・・」


「あの・・・・・・」


「お三人さんは・・・・・・ 何故 ここに、いらっしゃるのでしょうか?」


恐る恐ると、直球で三人に聞いてみた。


「ほら、姉貴!」

ドンッ!


「えっ!?あ・・・・・・」


「ほら、話さないと!」

ドンッ!


「解ってるよ!」


二人の屈強な肉体の男達に促されて、高スペックな体躯の美女が、口を開いた。


「オレ達も・・・・・・ 私達も手伝いたい」


「えっ??いや、人手は欲しいですが、どうして?」


「あ、あの・・・・・・ えっと・・・・・・」


「あっ!お肉!そうですよね。お三人さん共 体格が良いですから、お肉を沢山 食べたいですよね!?」


「そっ・・・・・・そうそう。お肉だよ!」


「ああ、じゃあ・・・・・・ 人手が少しでも欲しいし、お願いしようかな・・・・・・」

手伝ってくれると言うのなら、これだけ体格が良いんだから、絶対に役に立つ筈だ。


「はい!ありがとう!」


「ギガ!メガ!やるよ!」


「「おう!任せろ!」」


「男性の二人は、ギガさんとメガさんと言うんですね。あなたの名前も伺って良いでしょうか?」


「オレは、私はテラ!テラです!」


「テラさんですね。良い名前ですね」


「ありがとうございます!家名はギガンテスです!」


「家名をお持ちなんですね」

こちらで姓を持つ人は珍しいらしいのに、この三人は姓を持っているんだ。


「はい!領主様 ガロン様やフェムトやピコやナノ達とも遠縁です!」


「そうなんですね」

他の村人達と髪色の違う人達は、みんな血縁関係があるみたいだ。


「はい!」


「では、男性の二人は、フェムト班とガロン班に分かれて指揮下に入って下さい。テラさんは魔物の解体と保存の加工の組に入って貰います」


「はい!」


「では、この三人にも加わって貰って、最初の朝礼と作業の説明を開始します」


「では、改めまして、おはようございます」


「「「「「「「「「「おはようございます!!!」」」」」」」」」」


「今日から作業を始めますが、ここで守って貰う事があります。先ずは、さぼらない。きちんと途中で休憩をとる。ケンカなどの作業の邪魔をしない。何か問題が起きたら監督をする私やこの六人に相談をする。以上です。他に決まりが必要になったら、随時 追加して、毎朝 ここで行う朝礼で伝えます。ここまで良いですか?」


「「「「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」」」


「皆さんには、七日の間に五日間働いて貰います。残りの二日はお休みです」


ざわざわ・・・・・・


「どうしましたか?」


「お休み・・・・・・ ですか?それは何ですか?」


山賊の頭だった男が聞いてきた。


「お休みはお休みです。働かずに休んで、体の調子を整えて、仕事をする日に備える日です」


「えっ?そんな日が有るんですか!?」


「そりゃそうです。働き通しじゃ体に疲れが蓄積して体調を崩してしまいます」


「私達は犯罪者として労働を科されているんですが、休ませて貰っても良いのでしょうか?犯罪者の労働じゃなくても休みなんて有りませんでした」


「ここでは休みを取って貰います。これは絶対です」


「「「「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」」」


「一日の仕事の時間は、約八時間です。約四刻ですね。それより長くなってしまう場合は、残業代として追加の報酬を出します。そして一日の作業の途中で、約四半刻の休憩を二回、半刻の食事休憩を一回取って貰います」


ざわざわ・・・・・・


「どうしました?」


「休憩も取らせて貰えるのですか?」


先程の頭だった男が聞いてきた。


「当然です。疲れ過ぎたら作業効率が悪くなります」


「はあ・・・・・・」


凄く驚いている様だ。でも、長く・・・・・・長い期間 彼等には働いて貰う事になる。現代日本の方式で、体調を崩さずに働き続けて貰いたい。ブラックな職場環境なんて、俺の所では要らない。


「お休みの日や休憩の指示は、それぞれの班長にして貰います。ここまでは良いですか?」


「「「「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」」」


「班長と、補佐の二人は、昨日 話した様に、作業員に必ず休憩を取らせて下さい」


「「「「「「はい!」」」」」」


「サラさん これは贈与では無く貸与として貸し与える道具の一つです。領主のガロンさんが購入したスマートフォン、スマホですね。これを貸すので、私に緊急の連絡をしたい時に使って下さい」


「はい!」


「フェムト班と連絡を取るのにも使って貰って良いですから」


「はい!」


「使い方は、後で教えますね」


「はい!」


「班長とその補佐は、自分達の班だけでなく、魔物の解体や保存加工している作業員の様子も、定期的に見に行って下さい。そして休憩の指示もしてあげて下さいね」


「「「「「「はい!」」」」」」


「えっと・・・・・・ あなた名前は何と言いますか?」

山賊の頭だった男に声を掛ける。


「オレはシュラだ」


「じゃあシュラさんは、フェムト班に入って貰いますが、作業員のまとめ役になって下さい。つまり、二人の班長やその補佐の四人の補佐役ですね。テラさんと協力して、解体と保存加工をする人達の助けもしてあげて下さいね」


「わかりました」


「今回 山賊行為の罰として、こうして作業をしてる人達は、この場所の工事が終わったら、村の塀の強化や道の整備をして貰います。最終的には、魔物の群れに村を破壊され、山賊行為をするしかなかった皆さんが、安全に生活出来る新たな村と住まいを提供する予定です。ですから、頑張って下さいね」


「本当ですか!?」


「はぃ?何がですか?」


「新しい村って!?住む所って!?オレ達にそんな・・・・・・」


「ええ、本当ですよ。その許可も領主のガロン様に貰っています。約束しますよ」


「ほんとうに・・・・・・」


あれ?なにか不味かった?

シュラが泣いて膝をついてしまった!


あれ?他の元山賊さん達も、泣き出してる!?


あ、元々 住んでいた村に愛着が有ったのに、新しい村に住まわされてしまうから、悲しんでるのか!?

新しく作るんじゃなくて、魔物に襲われて住めなくなった村の跡地に、村を復興してやるべきだったか!?


でも、バラバラでどの位 ここから離れているか解らない所だし・・・・・・

複数の村を復興するのは大変そうだし・・・・・・


「ごめんなさい。勝手に決めてしまって・・・・・・ 嫌だったですか?」


「まさかっ!?そんな事は無いです!」


シュラのその言葉に合わせて、シュラや元山賊達が、一斉に首を横に振りまくってくれている。

嫌じゃない様だ。

良かった・・・・・・


「ホッとしました。良い住み良い街を作りましょうね?」


「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」


「じゃあ、この機械の使い方を教えます。ずっと使っているのは体に悪いので、定期的に使う人を交代しながら、作業を進めて下さいね」


「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」


「班長とその補佐の六人も使い方を覚えておいて下さい」


「「「「「「はい!」」」」」」


「では、先ずは、ここをこうして・・・・・・」




一通り伝えるべき事を伝えた。

後は、六人に任せれば良い。

新しく工事に加わってくれたテラさん達三姉弟は、今日はフェムトやサラさん達のサポートをして貰って、明日以降 大丈夫そうなら、三人もフェムト達六人の管理者の立場に加わって貰って、九人の管理者で、工事を進められる様な体制になってくれると助かるかな。

そうなるかは、三人の協調性の有無がカギだろうな。


元山賊の人達も、様子を見て、管理者を任せられそうな人には、それなりの立場になって貰おう。



さて、俺は、魔物の肉の保管庫の予定地を六人に任せて、山賊の住処だった所で、自分のやるべき事をやらなきゃならない。

これは、俺にしか出来ないからね。






「三度目か・・・・・・」


もう三度目ともなると、ここまでの移動は慣れたものだ。

うん。途中の蜘蛛の巣には、慣れないけどね。

毎回 道の途中の蜘蛛の巣を払うが、次に来た時には、もう新しい巣が出来ている。

子犬や小猫位の大きさのジョロウグモやオニグモとかの巣がね・・・・・・

でも、この蜘蛛の巣って蜘蛛が大きい分、かなり糸が強いけど、何かに使えないかな?


まっ今はそれよりも・・・・・・


「さてさて、この世界初の自動車を作ろうかねぇ」

そう、自動車だ。ゴムが無いからタイヤに問題は有るが、それ以外は、何とかなるだろう。

材料は、魔石 魔鉱 魔鉱石、それと木々かな。

樹木は樹脂も含んでいるから、ゴム程 柔軟じゃ無くても、それなりに弾力の有る物は作れるだろう。

ボディも樹木の繊維を加工すれば出来るだろう。

鉄とかの金属も有ると良いが、今は魔鉱で代用かな。ただシムの話だと、鉄より強度が無いそうだから、鉄が手に入ったら、素材を変更しよう。


「じゃあシム 指示を頼むよ」


[はい。了解しました。先ずは動力の部分を作りましょう]


「おう。魔石と魔鉱と魔鉱石を手に持てば良いんだな?割合は?」


[では 魔鉱を八割程と 魔鉱石を二割]


「魔石は要らないんだね?」


[いえ 後で使います]


「了解」



着々と部品が出来上がって行く。

部品を組み立てたり、組み立てた機構を、他の機構と組み合わせる為の道具も、同時に作って行く。




「出来た!」


この世界で初めて作られた自動車だ。

二時間程の時間で出来た。

魔力をエネルギーとして使うから、元の世界の電動自動車ならぬ、魔動自動車とでも言えば良いかな?

魔力モーターと魔力を貯めるバッテリーが心臓部だ。


ボディは黒のメタリック的な感じになった。

フロントガラスは珪素を材料にすれば作成可能なのだそうだが、強化ガラス程の強度を持たせる事が出来ないそうなので、樹木から採った樹脂を加工して、少し色の着いた透明に近い樹脂パネルにした。

道が悪くてスピードも出せないし、ワイパーも無いから、取りあえずは、これで良いだろう。


形的には、屋根の取り外し可能なトラックの様な感じ。

大きさ的には、2トン車位かな?

運転席は真ん中で、運転席から少し下がった所に長椅子の形で助手席を付けた。

つまり、基本は四人乗りだ。助手席に詰めて座れば、もう一人位は座れるかもだけどね。

荷台の部分には、折り畳みの長椅子も最大六ケ所 取付けられる様になっている。

最大数取付けて、一椅子三人で座れば十八人、詰めて座って一椅子四人なら二十四人、22〜29人まで乗れる。

ただ、魔力の消費量が大きいから、俺じゃなきゃ魔力を補充し切れず、他の人間は運転出来ない。

悪路を行かなきゃならないからね。


自動車は出来た。しかし問題も出来た。

問題は、自動車の作成に材料を大量に使い、周囲の簡単に採れる魔石や魔鉱、魔鉱石を使い切ってしまった事。

掘削機や他にも作りたい物が有る。


[アユム様 牢となっていた洞窟の奥に 更に資源が埋まった状態になっています]


「えっ?そうなの?」


[はい。まだそこなら容易に採掘出来る筈です。【中継器】でのセンサーによる調査で かなりの規模の空洞が確認出来ています]


「じゃあ中を確認してみるか・・・・・・」




一旦 機器の作成を中止して、洞窟探検をする事になってしまった。

でも、素材が無ければ、何も作れない。

と言うか、洞窟探検とか、男のロマンだろう!マロンをタップリ使ったモンブランも好きだし、ケーキ好きのロマンだと思うけど、異世界の洞窟で探検って、ワクワクしてしまう部分もある。

いや、部分じゃないな。全面的にワクワクしてます!

まあ、何も無いんだろうけどね。宝箱とか期待しても無いんだろうけどさ。

凶悪なモンスターとかね。出たりって無いんだろうけど!


さて、サクッと調査してしまいますか・・・・・・

何事も現場の事は現場の人間が詳しい訳で・・・・・・

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