開発許可
領主様の屋敷での食事は、これまでの野菜ばかりが中心の料理から一転して、肉中心の料理になった。
肉を焼いた物、肉をたっぷり入れたスープ、肉を炒めた物、それらが大量に準備されている。
その肉は、もちろん俺が叩き斬った魔物の物だ。
量が量だから、早く食ってしまわないと、傷んでしまう。
村人達にも、保存の手伝いをする条件で、好きなだけ肉を持って行っても良い事にした。
今日は、村の家々は、どこも肉が食卓に並んでいるだろう。
そうして、大量の肉料理を、領主様の屋敷で食べながら、魔物の大群が向かって来た時の話を聞いた。
フェムトが村の奥に在る領主様の屋敷に向かいながら、領主様に電話を掛けて、緊急事態を知らせたらしい。
それを聞いた領主様は、武器を手に持ち、向かって来ていたフェムト達三人と会い、マップに魔物の表示をして貰うと、三人に村人の避難誘導を指示し、自分は村の出入口に向かって走って行ったのだそうだ。
良い奴だけど、見た目とは違い高齢なんだから、無理をして欲しくない。
そう言えば、領主様は銀色っぽい髪の色をしているが、つまり白髪なのかな?
ちなみに、三人娘は少し朱色の髪で、特にフェムトが赤味が強くて、薄っすらと朱が混じり茶髪に近い黒髪なのがナノだ。
他の村人は、濃さに差は有るものの黒髪だった。
あ、店に絡んできた三人組は、少し灰色っぽかったかな?
領主様の所での食事を済ませて、そのまま領主様の屋敷に、スマートフォンのライトの技術を転用した照明を設置してしまう。
照明の明かりが点いた瞬間の領主様の歓喜ぶりは凄かった。
まあ、ロウソクも節約の為に点ける事が少ない暮らしだったのに、いきなり文明的な明かりが点くのだから、歓喜もするかな。
明るくなったので、これから領主様と話をする。
山賊の事、魔物の肉の事、俺への褒美の事、そして俺の村での立ち位置の事、そんな大事な話をしなきゃならない。
「山賊行為をしていた人達、どうしても魔物の肉を長期保存するのに人手が足りなくて、彼等を使いたいんだよね」
「うん。許可するよ」
「あっさりだね?」
「手伝いに行かせた三人から、事前に話を聞いたからね。あの岩場の穴に入るだけの肉を保存するのかと思ってたら、あの場所の穴を拡げて、もっと多くの肉を保存するつもりの様じゃないか?しかも、便利な道具を準備して、大きく拡げるんだろう?それが出来たら、この村だけじゃなく、近隣の村の食糧難が改善するからね」
「まあ、そう言う事なんだ。許可してくれて、ありがとう」
「いや、こちらが ありがとう だよ」
「後 魔物の肉のガロンの領内での販売を許可して欲しいんだ」
「これも、もちろん許可するよ」
「ありがとう」
「俺への褒美の件だけど、ガロンの領内での開発の許可が欲しい。村を作ったり、道や橋を整備したり、鉱山を見付けて開発したり・・・・・・ 人が住み易い環境を作れる様に、開発の許可が欲しいんだ」
「ああ、良いよ。許可するよ。アユムなら住み良い人里が出来そうだ」
「あっ!そうそう!ガロンの所の使用人が変な事を言ってたぞ!俺も主として接する様に言われたって!」
「ああ、言ったさ。大丈夫 アユムを領主にするって訳じゃ無い。アユムがやる事は、私に許可を貰う必要が無いって形にする為さ。そうして置いた方が、アユムも動きやすいだろう?」
「まあ、そりゃね・・・・・・ 無理矢理 俺を領主にする為じゃ無いんだな!?」
「ああ、約束するよ」
「それなら悪くは無いかな」
「だろ?まあ、それに私がもしもの時には、アユムが自然と治める事に・・・・・・」
「ん?何か言ったか?」
「いや、何も。ハハハ」
「明日から元山賊を使いたいけど良いかな?」
「ああ、朝にはアユムの所に行かせるよ」
「助かる。じゃ話も済んだし帰るよ」
「ああ、本当 色々と、ありがとう。本当に本当に、アユムには感謝しているよ」
「よせよ。俺とガロンは友達なんだろう?」
「ああ、年の離れた最高の友達だよ」
「おやすみ」
「ああ、おやすみ」
さて、自宅に帰ったら、掘削機を作らなきゃな。
予定では、6〜10台の掘削機を準備する。
それの使い方を教えて、貯蔵庫予定地で作業をして貰っている間に、俺は山賊の住処になっていた崖まで行って、そこで自動車を作る。
それと、もう一つ作りたい物が有る。それを作ったら、一気に便利になるだろう。
あ、その前に、自宅に照明を設置しなきゃな。
さあ、この世界にスマートフォンを普及させる為に、この世界の環境を変えるぞ!
実質的に領主にされている事を、主人公は気が付いていません。(笑)




