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異世界 『ながらスマホ』事情  作者: 一等神 司
第二章 スマホ中毒者から始まる文化大革命
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キジ と 山賊さん と 携帯電話のショップ と

キジ 美味しいですよね。食べた事は有りますか?

領主様に、また夕食を御馳走になりながら、領主様達と話していると、引き渡した山賊の話題になった。


「アユムに素直に話すと、正直 山賊への対応で困っているんだよね」


「何がですか?」


「いやね。人数が人数だから、処分をどうすれば良いのかとね」


「こちらに向かっている途中、山賊の頭に話を聞きましたけど、正直 彼等に同情しています」


「そうだよね。明日は我が身だからね」


山賊は、山賊になりたくてなった訳では無かった。

彼等は、実は普通の村人達だった。

彼等が住んでいた村々が、魔物の群れに襲われて、命からがら逃げ出して、住む村を失った者達が、仕方無く集まったのが始まりだった。

破壊された彼等の村には、何も食べる物が残っておらず、山の中でも微々たる食料しか得られず、大人数の自分達を、他の村の人間が助けてくれるとは思えず、生きる為に、他人から食料を奪うしかなかった。

だから、彼等は脅した相手を捕らえてはいても、誰も殺してはいない。何故なら、その脅した相手も、いつ自分達と同じ様に、魔物の群れに因って、村を襲われて住む場所を失うかも知れない、自分達と変わらない存在だからだ。

逆に言えば、この村の人達も、同じ様になっていた可能性が有ったのだ。

山賊になんてなりたくはなかったが、生きる為には、そうするしか無かった。

それが彼等の実情だった。


「あの・・・・・・ 彼等を労働力にするのは、どうかな?」


「それは私も考えたよ。でもね。彼等を養うだけの余裕が、この村には無いのさ」


そりゃそうだ。領主様でさえ、粗末な物を食べている様な村だ。

彼等が働いたからと、直ぐに採れる作物の量が増える訳では無い。


「そうですよね。人数も人数だから」


「ああ、そうだ。多過ぎだ」


「うまい!この肉うまい!」

「そうだよね。美味しいね」

「うん。美味しい!」


「本当だね。この肉はうまいね。どうしてだろう?」


「血抜きをしっかりしたからですよ」

本当にそうかは知らないけど、いつもより美味いのならそうだろう。


「しかし、良かったのかい?キジを貰ってしまっても・・・・・・」


「もちろんだよ。フェムト達三人と俺だけでは量が多かったからね」


「そうかい?正直 助かるよ」


キジは、この世界に来た中で、今の所 一番美味いと感じた物だった。

とは言え、やはり薄味で、元の世界で食べていた物と較べたら、かなり劣る味だった。

薄味で健康的と言えば健康的だけど、ずっとこれは辛い。

キジと一緒に、俺自身が採った、香りの強いヤマミツバやミョウガなどの相性の良い山菜を使って味付けして貰ったが、それでも塩気が少ないのは誤魔化せない。


「で、話を戻すけど、山賊 ガロンはどうしようと思ってるの?」


「うーん・・・・・・」


「一つ提案が有るんだけど・・・・・・」


「ん?なにかな?」


「俺が雇うのはダメかな?」


「雇う?何の為に?」


「この村の塀の改良と、道をもっと良くしたくてさ」

取りあえず、この村に一時的に住むとしても、魔物に対する守りが弱くて不安だ。

そして、シムが自動車の作成が可能だと言っていたが、現在の道の状態では、車の走行は、かなり困難だ。多くの部分では無理では無いが、それでも厳しく、段状になった箇所で区切られてしまっているので、そこまでしか使用出来ない。


「それはアユムが雇ってやる事じゃ無いと思うぞ。あははは!」


大笑いされた。


「そうかも知れないけど、今のままじゃ俺も困るしさ」


「でもな?雇うとして、その報酬はどうする?」


「俺ならこうして村の外で食料を確保出来そうだから、それが報酬かな。それに労働させる事が山賊行為への罰になるしね」


「なるほどね・・・・・・ 申し訳無いが、今 良いか悪いかの答えを出せない。村の者達と検討してみるよ」


「うん。お願いします」


「後 すまほのお店を早く開店して欲しいかな。明日どう?」


「明日!?まだ準備が出来てません!そもそも販売する端末・・・・・・スマートフォンがスマホが準備出来てません!」


[材料は有るのですから 作成はいつでも出来ます]


えっ?そうなの?

確かに、【中継器】や【基地局】を作成する為に集めた石が、それなりの量が残ってるけどさ。

でも、まだ【仮想通貨】や【モバイル決済】の準備が出来てないし・・・・・・


[直ぐにアプリ化が可能です]


マジですか!?


[マジです]


そうなんだ?えっ?じゃあいつでもショップを始められるのか!?


[はい。そうです]




「すまほの準備は、いつ出来そうかな?」


「明日には出来そうです・・・・・・」


「ほう?それなら明日から開店で良いんじゃないかい?」


「はい。そうですね・・・・・・」


「じゃあ、決まりだな」


「はい・・・・・・」

うわぁ・・・・・・ 宿として提供して貰った家で、試用可能展示用端末(ホットモック)の作成をしなきゃな。


「お店の開店に関して、何か手伝えるか?」


「あ、ガロンには村の人達への周知をお願いしたいのと、お店での小規模な学校を始める事を許可して欲しいかな」


「もちろん周知はするが、学校とはなんだい?」


「読み書きとか教える所さ。ほら、スマホは文字が読めないと使えないからさ」


「えっ!?読み書きを教わる時の対価はどの位にするんだ?高い対価になるんだろう?と言うか、アユムは読み書きが出来るって王族や貴族だったのかい?」


「いや、平民?一般人?だよ。読み書きは無料で対価無しで教えようと思ってる」


「平民でどうして読み書きが?あ、没落して平民になった家の出なんだろうな。えっ!?えっ!?対価無し!?対価は無いって言ったかい!?それじゃアユムが大きく損をするじゃないか?」


「そんな家系って事で・・・・・・うん。それで良いや。対価無しで良いんだよ。読み書きが出来なきゃスマホを操作するのに困るからさ。そんな基礎的な部分が出来なきゃ、売れる物も売れないだろう?」


「まあ、確かに・・・・・・」


「じゃあ食べ終わったし、外も暗くなったから、帰って明日の準備をします」

フェムト ピコ ナノの三人は、飯を食べ終わり、少しウトウトしている様だ。

でも、俺の所には泊まらせない!!

ここに置いて行く!!


「そうだね。じゃあ三人を送ってやってよ。寝掛けてるからさ」


「えっ!?・・・・・・」


いや、起こしたら俺の所に泊まるって、また言い出すかも知れないじゃん!


「村の中とは言っても、この薄暗い中、三人だけで帰すのは心配だからね」


「は、はあ・・・・・・」


あー 仕方無いなぁ・・・・・・

さて、じゃあ起こして三人の自宅に送って、帰ったらショップの準備をするか・・・・・・

さて、これで主人公の最初の行動目標が決まりました。

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