【回想録】とあるアユムと出会った人の話1
某女子の回想録です。
その人は、変な格好をしていたんだ。
「獲物が捕れてないんだからまだ帰れないよ!?」
「でもこれ以上森の奥に行くのは危険だよぉ〜」
「もうちょっと頑張ってみる?」
ナノとピコと三人で、山まで狩りに行った時、そんな会話をした後に、その人に出会ったんだ。
「あなたは誰?」
こんな山奥の森の中で一人で居た。
しかも、誰かと話している様な声が聞こえてたのに、一人だった。
本当に変な人で怪しかった。
その人が居たのは、古い古い遺跡にしか繋がってない道で、余所から来た人が、そこに居る訳が無い所なのも、怪しさを募らせた。
もちろん、道の無い所を歩いて来たのなら、そこに居てもおかしくないけど、山奥になればなるほど、巨大な魔物が増えるから、人が生きて通って来れる訳が無いから、無理な話で有り得ない。
そもそも、そんな険しい山の中を来たにしては、格好が変だった。
しかも、山の中を歩いたにしては、汚れてなくてきれいだった。
その人は、言葉が最初変だったけど、言葉が解る範囲のやり取りで、私達の村に連れて行って欲しいと言っているのが解った。
きれいな格好だから、山賊に見えないけど、用心の為に縛らせて貰った。
見るからに弱そうだから、心配し過ぎかも知れないけど、最近 山に入った人が、沢山 行方不明になっているから、用心した方が良いだろうって事になったからだ。
この人 こんな山奥に何の用が有って来たのだろう?
最初は、そう思ってたんだ。
そう、最初はね。
でもね。この人 私達が大汗をかきながら、険しい山道を歩いているのに、汗一つかかずに、縛られたまま大荷物を持って、余裕で歩いて着いてくる。
縛る時に、この人が持ってる袋の一つを持ったけど、石が沢山沢山 入っている様で、滅茶苦茶 重かった。
それを沢山持っているに、汗を全くかいてない。
これなら、そんなに汚れずに山奥の森の中を突っ切って、ここまで来れたかも知れない。
でも、少しは汚れると思うんだけど・・・・・・
そうして、四人で歩いていたら、もっと怪しい集団が居た。
そいつ等 私達が歩いている道から、狭い脇に道に入って行ったんだ。
私は、村に帰ってから、また戻って来れば良いと思ったんだけど、ナノが追い掛けて行こうと、ズンズンと先に歩いて行ってしまうので、仕方無くピコとついて行った。
ナノはいつも無鉄砲で放っておけない。
いつもいつも私とピコが事件事故に巻き込まれてしまう。
でも、ナノを一人にするのは、凄く危険。
アユムと名乗った変な人も一緒に連れて、怪しい集団の後を追う事になった。
怪しい集団を追跡途中、森が拓けた所を通る時に、アユムという人を、その手前で縄で木に括り付けて、三人で追跡をする事にした。
そしたら、山賊だった怪しい集団に囲まれてしまった。
やっぱりナノは、私達を事件事故に巻き込んでくれる。
本当に困った奴だ。
絶体絶命の危機に、私達 三人を助けてくれたのは、あの怪しいアユムって人だった。
どこから出したのか、どう準備したのか解らない、剣や弓を使って、私達三人を助けてくれた。
剣や弓は、真っ黒だった。
アユムが持っていた沢山の袋には、大量に黒い石が入っていたけど、その中に入ってたのかな?でも、あの小さな袋に入り切らない長さだと思う。本当にアユムは変な奴だと思う。
でもでも、アユムは凄く強かった。
何十人もの山賊を、まるで小さな羽虫の様に、打ち伏せて行く。
しかも、殺していない。
自分に比べたら、矮小な存在だとでも言う様に、命まで奪わずに、叩きのめして行く。
これだけ強かったのなら、私達三人に捕まった時も、その気になれば、簡単に私達を殺す事も出来ただろうと思う。
そして、アユムは凄く優しくもあった。
山賊に捕まっていた人達を助け出した。
助け出した後も、私達の村とは、縁もゆかりも無いのに、山賊を領主様の所に連れて行く事と、山賊に捕まっていた人達を、村まで安全に連れて行く方法を、真剣に悩んでくれていた。
そして、やっぱりアユムは変な上に、不思議な人だった。
すまほ?すまーとふぉん?
小さな魔法の板を持っていた。
凄かった。うん。凄く凄かった。凄くて凄くてそれ以外には無い。
凄くきれいな絵を描いてくれるし、地図も凄いの!
兎に角 凄いの!
離れてても話せるの!凄いの!凄くて凄くて凄いの!
私も他の二人にも、その すまほ って作って貰った!
私の一番の宝物!
そして、アユムはやっぱり変だった。変な人だった。不思議で不思議な変な人だった。
用事があると、一人で山賊の拠点周辺を歩いて回っていた様だけど、帰ってきた時には、黒い巨大な剣を持って現れた。
そう、山賊を討伐した時の剣や弓とは別に、またどこから持ってきたのか、真っ黒な巨大な剣を持っていたの。
どこから持ってきたの!?どこ??
変で不思議!
アユムは凄く変で凄く強くて凄く優しくて凄く不思議で、やっぱり変だ。
凄く気になって頭から離れない。
お気付きの方が大多数だろうと思いますが、前回の投稿の分も、今回の投稿の内容も、主人公が理解出来る言葉に変換された言葉で、記録された内容です。
関連の作品「異世界『ながらタブ』事情 《異世界タブレット端末普及推進奮闘記》」も投稿を開始しています。




