3部16話
「来週いよいよテストだねぇ」
放課後、俺と鏡花は下校していた。
「お前は危機感ないのか?」
「私、負けないから大丈夫だよ」
確かに鏡花は成績がいい。
授業中、先生に当てられて、問題を間違えたことはない。
だが、後藤ゆりも相当成績いいはずだ。
前回のテストで1位だったが、今回はどうなるか分からない。
「そろそろあのことにも決着つけないといけないからね」
「何か言ったか?」
「ううん、なんでもないよ」
手をぶんぶんと振り、否定する鏡花。
「あ、ゆりちゃん」
歩道の反対側を指さす鏡花。
風紀委員長が、小学生低学年くらいの男の子と何やら話していた。
「おーい、ゆりちゃーん」
大声でゆりを呼ぶ鏡花。
こちらに気づき、怪訝な表情をするゆり。
「それじゃあ、僕行くね」
「はい、さようなら」
男の子が風紀委員長と別れ、道路を渡ってこちらに来ようとしている。だが……。
「危ない!」
キキィィィィ!
トラックが男の子に向かって走って来ていた。
俺は道路に飛び出し、男の子を無理やり押して歩道へと戻す。
だが、俺の退避する余裕はなかった。
「きゃあああああああ!」
「秀介くぅぅぅぅん!」
トラックに引かれ、空中を舞う俺。ゆりの悲鳴と、鏡花の俺を呼ぶ声が聞こえたが、すぐに地面に叩きつけられた。




