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2部3話

「秀介くん……?まさか……!」

すれ違いざまに2人の男女の女の子が名前を呼んだのを聞いて少女はバッと振り向く。

少年と少女は既に信号を渡り終えていた。

あの方面にあの制服は某高校のものだ。

「やっと見つけた。高島秀介くん」

少女は嬉しさに笑みをこぼす。

ピピーッっと車がクラクションを鳴らす。

まだ横断歩道を渡りきってなかったのだ。

深くお辞儀をして、歩道を渡りきる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「秀介くん、どうしたの?ぼんやりして」

「いや、なんでもない」

「そう?ならいいんだけど」

学校への坂道を登る途中で鏡花にそう聞かれた。

さっきの女の子どこかであったんだよなぁ。

記憶にモヤがかかったように全く思い出せない。

「秀介くん!」

「わっ、なんだよ鏡花」

「やっぱりぼんやりしてる!」

ジトーと睨みつける鏡花。

「そんなことないぞ!」

「じゃあ、私が話してたことちゃんと答えて」

「えぇっと……」

「ほら聞いてない!」

もうと腰に手を当ててもう一度話す鏡花。

「今度の休みヒナコを一緒に見ようって言ってたんだよ。秀介くんの家で」

「なんで俺の家?」

「夏休み前のテストでお母さんは渋々納得してくれたけど、お父さんはまだ許してくれないの。だから、オタク趣味は秀介くんの家で楽しみたいの」

「そうか、お父さんはまだ許してくれないのか」

夏休み中に1度会ったが、強面で頑固そうでオタク趣味は絶対許さないって感じの人だったと思い出す。

「だから、ヒナコ3期放送記念で今までの話しを復習しないと」

「3期ってことは3回目の放送ってことか?」

「そうそう1期と2期はブルーレイ全部持ってるから復習はいつでもできるよ」

「なるほどな。待て俺ん家ってことは俺も一緒に見るのか!?」

「そうだよ?」

当たり前と言わんばかりにキョトンとした顔をする鏡花。

「大丈夫。男の子でも好きな人たくさんいるから」

何が大丈夫なんだ……。

そんな会話をしつつ学校の昇降口にたどり着き下駄箱で靴を履き替え廊下を進み自分たちの教室を目指すのだった。

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