表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/136

30話

「うっ……。ここは……?」

目覚めると白い天井が目に付いた。

薬品の匂いが鼻をつく。仕切るためのカーテンは閉じられていた。

保健室……か……?

体のあちこちが痛む。めちゃくちゃ殴られたからな。

怪我の箇所が包帯を巻かれたり、ガーゼをつけられたりしていた。気を失っている間に手当をしてくれたのだろう。

体を起こすとベッドがギシっと音を立てた。

その音を合図にしたかのようにカーテンがシャー!と勢いよく開けられ、目に涙をため、怒っている表情の白石が立っていた!

「高島く〜ん!」

溜まっていた涙は俺の姿を見るや安心したかのように溢れ出した。

泣きながら俺の名前を呼び傍らに近寄る白石。

「ごめん白石、心配かけたな」

「そうだよ!なんで私達に相談しなかったの!?」

語調が強くなる白石。

「余計な心配かけたくなかったんだ。お前には勉強に集中してもらいたくて」

「バカ!」

「余計な心配かけたくなかった?これは高島くん1人の問題じゃないの!私たちの問題でしょ!?」

「もっと頼ってくれてもいいのに……!」

涙を流しながら一気にまくし立てる白石。

「彼女、ずっと心配してたのよ」

保健室の先生もやってきた。

「授業に戻りなさいって言っても、あなたが目を覚ますまでここにいるってきかなくてね」

困ったように肩をすくめる先生。

そう言われ、申し訳なさでいっぱいになった。

「ごめんな」

そう言い、白石の頭を撫でる。

「許さない。もう勝手なことはしないって約束しないと許さない」

むすーと頬を膨らませてそう言う。

「わかった。もう俺一人で勝手な行動をしない」

そう誓う。これ以上この子を心配かけないためにも。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ