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2話

白石鏡花(しらいしきょうか)。胸の辺りまで届く黒く長い髪を両側で縛り、肩からそれを垂らしている。背は俺と同じくらいだから160前後くらい。若干垂れている両目に白い肌の少女。2年A組の学級委員長である彼女は成績もよく面倒みもいいことから人気者である。

そんな彼女のカバンから水色の腰あたりまで届く長い髪に白のコットンハット。黒いゴスロリ衣装を来た女の子のフィギュアが出てきて俺ふくめる一同驚きを隠せなかった。

「これ委員長の?」

「…………」

1人が問いかけるが、本人からの返答はなし。

両目を大きく見開き、身体中がワナワナと震えている。

なぜこんなものがカバンの中から?

そもそもなぜ学校に?

いくつかの疑問を口にしようとした時。

「そんな人だったんだ」

右側に立っていた女生徒の言葉が白石の胸にナイフのように突きつけられた。

「行こ」

「うん」

何も答えない白石をよそに、2人は軽蔑な眼差しを向けて教室から出ていった。

ミーンミーン。

そっちいったぞー!

一気に静かになった教室には、セミの鳴き声とグラウンドで部活動の練習の声が届いていた。

白石はと言うと、両目から大きな涙を流していた。

涙が洪水のように溢れ出て床に落ちていく。

見ていられなかった。あの時の夢を見たあとからだろうか、あの時の妹と目の前で涙を流している少女の姿が重なって見えた。



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