22話
翌日、今日は早めに登校していた。
まだ誰も来ていなく、静かな教室。
陽の光が教室を照らし小鳥たちのチュンチュンという鳴き声が聞こえる。
電気をつける。陽の光があるとはいえ、やはりつけなくては。ピカーと部屋全体を明るくしてくれる。
コツコツと足跡を響かせて自分の席に向かう。
「さてと」
筆記用具や教科書、ノートを広げ勉強を始める。
昨日は双葉姉妹が騒いでしまって結局集中出来なかったので、今日は早めに登校したのである。
家でももちろんやっているが、何となく早めに来てやっておきたかった。
「あれ?高島くん?」
しばらくカリカリとシャーペンをノートに走らせていると白石もやってきた。
「白石、早いな」
「うん、早く来た方が集中出来るかなって思って」
「そうか」
お下げ髪を指でいじる彼女。
朝から白石に会えた嬉しさと恥ずかしさで、つい素っ気なく返してしまう。
もうちょっとちゃんとした対応があったんじゃないかと後悔していたが、白石は自分の席をスルーして俺の前までやってきた。
「よかったら一緒にやろ」
恥ずかしそうに頬を朱色に染め、視線はキョロキョロとして定まっていない。
「いいよ。俺1人じゃ分からないところがあって困ってたんだ」
「ありがとう!」
パーッと花が開いたように明るくなるお下げ少女。
その姿についドキッとしてしまう。
白石は前の席の椅子を退けて机を俺の席とくっつけて、退けておいた椅子に座りお互い向かい合う形になる。
ちなみにその席は双葉沙織の席だ。
まぁ、きたら、戻せばいいか。
こうして、2人でしばらく勉強していると徐々にクラスメイトたちが登校して、ワイワイと賑わってきた。




