21話
「白石ッ!?どうして!?」
「私もちょうど向かってたところ」
麦わら帽子に黒い薄手のワンピースという服装の白石が笑顔でのほほんと答える。
「委員長だー!」
「高島っちの待ち合わせてた人って委員長?」
続けざまに質問する香織と沙織。
「同じクラスの双葉さんだよね」
『そうだよー』
同時に返事をし右手をあげる双子。
「3人でどうしたの?」
「委員長お願い!あたし達にも勉強教えて!」
「教えて!」
「えっと……。どういうことかな?」
突然の申し出にオロオロと戸惑う白石。
しょうがない、説明するか……。
「そうだったんだ。私はいいよ」
説明を終え即返事をする彼女。
「いいのか!?」
『ダメ?』
3人同時にハモリ、お願いと目で訴えてくる。
「ダメも何も俺と白石は大事なものがかかってるんだぞ」
「大事なもの?」
「大事なものって?」
あ……。言っちまった……。
白石の方をチラリと見る。
苦笑いで。
言っちゃったね……。
とアイコンタクトが帰ってきた。
しょうがない……。
言うしかないか……。
「いいか?双葉姉妹、俺と白石は大事なものが捨てられるかもしれないんだ。そのために次の試験でいい順位を取らなきゃ行けない」
「大事なものって?」
「それは……」
口ごもる。
言って良いのだろうか?こいつらのことだから言いふらしそうだ。
「うーん、まあいいか。それのために頑張ってたんだね!」
香織が人差し指をこめかみに当て、答えに迷っていた俺に何かを察したのかそう言った。
続いて沙織が顎に手を乗せうーんと考えてから。
「じゃあ、2人の邪魔にならなきゃいいよね?」
結局くっついてくるのか……。
はぁ……。どうやって引き離そう……?
「じゃあ、決定!あたし達準備しに1回戻るね!」
「じゃあねー!」
勝手に決めて手を振りながら去っていく双子。
「待て!お前ら!」
俺の制しも聞かず嵐のように去っていく2人。
結局4人で勉強会を開くことになった。
「すごいね……。あの二人」
困ったようにはみかむ白石。
「そうだな……。あいつら集合場所も聞かずに行ったぞ……」
諦める俺と白石。
その後香織から『集合場所はー?』とメッセージが届き、ファミレスですることとなった。




