15話
夕方5時頃、そろそろお互いの集中力が切れて手がつかなくなってきたので、この日はお開きとなった。
ファミレスを出ると熱気が迎えてくれる。
「高島くん、ちょっと寄り道しない?」
「ああ、いいぜ」
帰るにしてもまだ早く、帰ってからも勉強だ。
その前に息抜きにどこかに立ち寄るのもいいだろうと、了承する。
ファミレスを出て、カラオケ屋や派手な服が売ってる店など色んな店が立ち並ぶ大通りを進む俺たち。
やがてそこに着いた。
某アニメショップである。
「入ろ!」
ウッキウキで俺の手を引いて店内に引き込む。
「ま、待て!なぜ俺も?」
「高島くん、さっきママに食ってかかった時アニメショップ入ったことないって言ってたでしょ?だから一緒にどうかなって思って」
お願い。とうるうるした目で訴えかけてくる。
「わかったよ。ちょっとだけな」
「ありがとう!」
パーッと明るくなる白石。
店内に入るとまずは何かのアニメキャラのグッズコーナーが出迎えてくれた。
どうやら近々アニメ化するようで、商品が並べられていた。
奥には雑誌など本のコーナーとCDやDVDなどのコーナーが分けられている。
その後ろにも色んな商品の陳列棚が並んでいる。
「あ、これって」
見たことあるイラストが表紙の漫画をひとつ見つけ、手に取る。
そう、怪獣ウォーズの漫画版である。
白石からアニメはまだやってると聞いていたが、漫画もまだやってたんだな。
1人で懐かしんでいると。
「高島くん!どうしよう!?」
店に入った瞬間1人でどこかに行っていた白石が戻ってきた。
「どうした?」
「ヒナコの別衣装版のフィギュア発売だって!」
ここでもヒナコか……。好きだなぁ全く。
「買えばいいんじゃないか?」
「でも値段が高くて……」
「うわ……。確かに……!」
とてもじゃないが、高校生の手が出せる金額ではなかった。
「どうしよう……?」
「って言われてもなぁ」
2人で悩んでいると不意に声をかけられた。
「あれ?高島と委員長?」
しばらく話が進まないと思いますが、このあと大事なシーンに繋げるつもりなので、お付き合いしてもらえると嬉しいです




