表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/136

4部21話

「秀介くん!」

「悪い鏡花、何もしてあげられなくて」

「ううん、そんなことない!そんなこと…!」

うわぁーんと鏡花が涙を流す。

俺を助けるためにここまで来て最大の敵、父親と闘っていたんだ。

俺が無事だったことでその緊張の糸が切れたのだろう。

「貴様らぁ!許さん!絶対に許さんぞぉぉ!」

鬼の形相でそう叫ぶ鏡花の父雄二郎。

「諦めろ、あんたの負けだ」

ピーポーピーポー!

廃工場の外からサイレンが響く。

「なぜ警察が!?」

狼狽える雄二郎。

「警察も僕が呼びました。説得するのに苦労しましたよ」

「ええっと……」

「失礼、自己紹介がまだだったね。僕は佐藤零児。探偵だよ」

「高島秀介です」

零児さんに差し出された手を受け取り握手をする。

「鏡花のためにありがとうございました」

「こっちも仕事だからね」

そう照れくさそうに頭を搔く零児さん。

「さて、問題は」

「私は……私はまだ……」

放心状態になっている雄二郎氏。

「連れて行ってください」

零児さんの指示で警官が彼の両腕に手錠をかける。

両目は焦点を捉えておらず、虚ろな表情で警察達に連れられて行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「かくして、世界的に有名な白石雄二郎氏は汚職の疑いで逮捕されました」

次の日、朝のニュースではどの番組も白石雄二郎の逮捕のニュースでもちきりだった。

「秀介くん、そろそろ学校行こ」

「そうだな」

父親が逮捕され、母親も同罪と言うことで、鏡花は1人になってしまったが、引き続き俺の家に住むことになっていた。

ガチャ。外へ続くドアを開ける。すると。

パシャパシャ!

家を出た瞬間、光がパシャパシャと俺たちを襲う。

マスコミのカメラだと気づくのはその後だった。

「白石鏡花さん、父親雄二郎さんのことでインタビューさせてください!」

俺ん家の前には、マスコミが俺たちの通り道を塞ぐように待ち構えていた。

「鏡花、行くぞ」

無理やり人混みをかき分けて抜けようとする俺。

一方鏡花はと言うと。

「私は父に代わって、日本を良くしていきたいです。汚職に手を染めた父と違って正当な手段でです!」

マスコミのインタビューを受けていた。

「いいから行くぞ!」

無理やり鏡花の手を引いて人混みを抜ける。

「日本を良くするにはどのようにですか!?」

追ってくるスタッフ。

「それはですね」

律儀に答えようとする鏡花。

最終的に走って無理やり撒く俺。

朝から何やってるんだ……。

ようやく振り切ったが、げんなりしている俺に鏡花は声をかけた。

「ありがとう、秀介くん。秀介くんがいてくれたから私は前を向いて歩いていられるんだよ」

「そんなこと言ったら、俺はお前に助けられてばかりだぞ」

「ううん、そんなことない」

「あのな、鏡花」

「何?」

「お前がこれから抱える苦労も抱える闇も、全部俺も一緒に背負ってやる。だから……」

「だから?」

「高校卒業してからでいいから、俺と結婚してほしい!」

そう告白する俺。一方鏡花は。

ふわっと涙を流していた。

「うん、うん……!ありがとう、秀介くん!」

涙声でお礼を言う鏡花。

そう、鏡花の戦いはこれから続くんだ。

俺も一緒に背負って行きたい


あともうちょっとだけ続くんじゃよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ