4部3話
「パパー!」
小さい頃の私がお父さんに抱きつく。
お父さんはよしよしと私の頭を撫でて肩車をしてくれた。
小さい頃の記憶が夢という形で思い起こされる。
あの頃はお父さんが大好きでよく一緒にいたなぁ。
遊園地に連れて行って貰ったこと、動物園で様々な動物と触れ合ったこと。色々な記憶が、鮮明に思い出されていた。
でも今は、私の趣味をちっとも理解してくれない……。
いつからだろう?お父さんが私の趣味についてやかましくなったのは。
ジリリリリリリリリリリ!!!
目覚まし時計のけたたましい音で私は目が覚めた。
ここは……?
寝ぼけてるせいで、ここがどこか思い出せない……。
少し経ってから思い出した。
そうだ、ここは秀介くん家だ。
昨日あの後泊めて貰ったんだっけ。
階段を下り、1階へ向かう。
廊下は既に朝ごはんのいい匂いでいっぱいになっていた。
リビングのドアを開ける。
「おはようございます」
挨拶をして中へ。
「鏡花おはよう」
リビングには秀介くんが私服の上に青いエプロンを着てフライパンを持っていた。
「秀介くん、料理できるの!?」
「言ってなかったか?俺ん家は交代で家事をしてるんだ」
そうだったんだ。私なんて両親に任せっきりだからちょっと秀介くんが偉く見えた。
「それより、あと少しでできるから待っててくれ」
「うん」
笑顔で答える私。
秀介くんの手料理楽しみだなぁ。
なんて考えていると朝ごはんが盛られた。
メニューは目玉焼きとウィンナー。
「わー、これ秀介くんが作ったの!?」
「そうだよ。って言っても簡単なので済ませたけどな」
「すごいよ!私料理できないもん!こんなに美味しいもの作れないよ!」
キラキラと目が輝いて箸が進んでしまう。
「良かったら、今度一緒にやってみるか?」
「いいの!?」
「おう」
「私が料理覚えたらお父さんとお母さんびっくりするかな〜?」
「びっくりさせてやろうぜ」
秀介くんがニヤリと笑う。
「帰ってきたら絶対美味しいもの作る!」
「そのためにも早く問題を解決しないとな」
「あ、そうだった……」
そう、私はお父さんと喧嘩して飛び出したんだった。
「今日からどうするか考えないとな」
「うん」
私は絶対仲直りすると誓った。




