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史上最凶の通り魔、異世界に転移す  作者: ウロノロムロ
史上最凶の通り魔、異世界に転移す
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最高の素材

警察車両の追跡を振り切ったタケシ。

高速道路を下りて、山道をバイクを飛ばし駆け抜ける。



そのタケシのバイクの前に人影が立ちはだかる。

バイクが近づくに連れハッキリする男の姿。


白いタキシードに白いマントを羽織った

怪しい風体の初老の紳士。

その傍らから飛び出す、

黒ぶち眼鏡をかけたさえない中年サラリーマン風の男。


タケシは目の前の二人が退かなければ

そのまま轢殺すつもりであった。

もはやここまで来たらこれ以上罪が増えても

どうということもない。


サラリーマン風の男は眼鏡を弄りながら怪しい笑顔で喋る。


「どうぞどうぞ、お構いなく、ですよ」


そう言うとその男は

人間ではまず不可能であろう程に大きな口を開ける。

口の中には巨大な蜘蛛が入っており、

その巨大な蜘蛛より大量の白い糸が放たれる。


猛スピードで突っ込むタケシに、

男の口中にいる巨大な蜘蛛から放出される

大量の白い糸が絡みつく。


身動きが取れなくなったタケシはハンドルから手を離し、

バイクごと転倒、バイクはそのままガードレールに激突。

バイクから放り出されタケシは道路を何度も転げ回る。

頭から血を流し、気を失って倒れるタケシ。


そのタケシの下へ歩み寄って来る、

白マントの初老の紳士。


「これが最高の素材ですか……」


その時、

倒れて気を失っていたと思われたていたタケシが、

突然起き上がり初老の紳士の首元に手を掛け掴む。


頭から血を流し、顔は真っ赤に染め。

それでも飢えた野獣のように眼光をギラギラさせ、

初老の紳士を睨みつける。


「こ、これはっ……」


初老の紳士はこの状況においてまだ余裕がある様子。


掴んだ喉元をそのまま握り潰そうと

全身の力を込めるタケシ。


だが、中年サラリーマン風の男に後ろから殴られ、

そのまま力尽きたかのように、その場に崩れ落ち倒れる。


「これは素晴らしいっ!

さすが最高の素材です!

私にもわかりますよ、

この溢れんばかりの生命エネルギー!

獣そのものような野生、

そしてこの躊躇のない凶暴性……」


高揚し興奮している初老の紳士。


「この最高の素材であれば、

究極の魔神完成も夢ではないでしょう」


タケシの頭に光る手をかざし、

応急処置の止血止めをする初老の紳士。


「博士もきっとお喜びになることでしょう」


連れの中年サラリーマン風の男がタケシの体を担ぎ上げる。

そして、男は転倒して倒れているバイクに

蜘蛛の糸を巻き付け引きずって行く。


何もない空間に手をかざし、

大きな穴を空けた初老の紳士は、その中へと消えて行く。

その後をタケシを担いだ中年サラリーマン風の男が

バイクを引きずりながら続く。



こうして史上稀に見る凶悪犯タケシは異世界へと拉致される。








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