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だが直ぐに小屋へ戻ると思いきやカーサスは口笛を暢気に、何回か吹いているだけであった。しかし、その口笛に反応したかの様に風が舞い上がり、影がカーサスを覆うように辺りが暗くなり始めた。


「来たか」


カーサスは、そういうと空を見上げた。そこには人間よりも大きい鷹がカーサスの周りを飛んで旋回しており、だんだんとカーサスへと近づき彼の前で羽ばたいていた。


「姫様が心配だ。私は姫の元へ行く。ジザル、お前はアインハイド城まで赴き八神将の隊長であるミレニア様に、この手紙を渡してくれ」


カーサスは、そう言うと筆を取りなにやら書いてジザルに渡した。


「御意」


ジザルという鷹のような者はカーサスと意志が疎通しているかの様にカーサスの言っている意味を理解しているようだ。


「お前の速さなら一日もかからずにアインハイド城へ行けるはずだ」


そう言って、既に空高く舞い上がったジザルに言った。ジザルは直ぐにアインハイド城へ向けて飛び去っていった。ジザルという鷹のような者は以前、アース国の軍が開発していた遺伝子情報組み換えによって出来た代物であり、その力は巨大で人間の言葉を理解できる優れた兵器と言えた。

しかし、その力は人間の手には巨大すぎる力であり動物本来の性質が痣となり幾度の失敗により現在は開発中止となっている。現在ジザルを含めた生物兵器は十数体しかアース国にはいない。カーサスは、もう既に豆粒ぐらいにしか見えなくなったジザルの方の空を見つめる。


「私も姫の元へ」


そうカーサスは呟いたのだった。

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