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洞窟

「思ったより大きいな。中も奥まで続いているかもしれない」


カーサスは穴の入口に右手をかけ一気に登り切った。穴は予想通り奥へと続いているらしく中は闇に包まれていた。


(まさに洞窟だな)


カーサスは心の中で呟き左腰に差してある剣の柄に手をつけた。


「用心に越した事はないな」


そういうと布を取り長剣を抜き放った。長剣の柄は彫刻が彫られており八神将の証である十字の印が刻まれていた。長剣の刃は漆黒の闇の様に黒く鋭さを増しているかのようだ。たいまつなどは、無論持っていない。カーサスは鋭い目つきで深い闇へと歩みを進めた。まるで深い闇の中でも見えているかのように慎重に歩みを進める。だが直ぐに解熱剤の素となる草を見つけた。


「これで解熱剤が作れる」


汗を垂らしながらもエリーヌ姫の為を思ってか、うっすらと笑みを浮かべ、その草を採取したのだった。

その草は暗いじめじめした所でしか生えない草であり街で売られている解熱剤は、こうした洞窟の中でしか採取出来ない。その為か解熱剤などは国民にとって貴重な品物として流通している。現に常人離れしたカーサスでさえ汗まみれで危険を顧みずに草を採取したのだから貴重な品と言えるだろう。カーサスは草を採取し終わり洞窟を抜けようとしたのだが気になるものを見つけ足を止めた。


「こっ、これは…?」


深い闇の中では常人離れしたカーサスでしか発見できない様な大きな獣の足跡、それに幾つものひっかいた傷が無造作に岩肌を抉っていた。よく見れば人らしき骨がある。おそらく草を取りにきた近くの街タリスの街の強者達のものだろう。最近、街で出回っていた化物の噂は、こいつに違いないとカーサスは思った。だが今、ここには、その化物の気配はない。


「姫が心配だ」


そう思い、すぐさま洞窟から出たのだった。


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