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カーサスはエリーヌが十歳の時、教育係としてやってきた男であった。

エリーヌは始めカーサスの事を友達が出来ない自分に対して王妃のリーシャ・ウィル・アインハイドが友達を呼んできたと思い大はしゃぎしたのを覚えている。


リーシャ・ウィル・アインハイドとは現アース国の国王アース・ウィル・アインハイドの妻でありエリーヌの母である。彼女は二人の子を授かったのだがエリーヌの兄、クラム・ウィル・アインハイドにばかり世話をしエリーヌには年老いた老人に世話をさせていた。

その為かエリーヌが大きくなった頃には、おてんば姫として育ってしまったのだ。世話のかからない立派に育ったクラム皇子とは違いおてんばなエリーヌ姫を見比べた彼女は立派な姫としての気品を育ませようとしようとしたのだが一向に直らなかったのである。


そこで考えた末に彼女がとった行動はエリーヌに年が近く優秀な人物をとアース国中探させ前教育者を外し、カーサスを教育者として就任させたのだった。カーサスは、その時まだ十八歳になったばかりであったが文才の他、剣の扱いにも優れ一個中隊の隊長を務める程であった。

その中隊での業績は当時から争いがある隣国のカルド国の戦いにおいて、圧倒的不利な戦力の差においても味方の被害を最小限におさえ敵を蹴散らすといった具合に指揮能力にも優れ若くして文武両道の英雄とまで謳われる程である。


その事はリーシャの耳にまで届く程でリーシャは直ぐにカーサスをエリーヌ姫の教育係及び王妃直属の八神将にした。

そのカーサスは今、絶壁の前にいた。辺りは、まだ昼間だというのに森は静寂に包まれており薄暗さを増している。

エリーヌ姫がいる小屋から、そんな離れていない場所にある絶壁は所々、岩が苔に覆われており、その先に絶壁の上の真ん中辺りに、穴が開いていた。


「あの穴の中に解熱剤の素になる薬草がありそうだ」


カーサスは自分の知識を活かし、そう判断した。


「それにしても高い所に穴があるな」


カーサスは絶壁の中央に位置する穴を見て呟いた。

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