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赤面
「そもそもアインハイド城を従者の姿になりすまし今いるアース国の北に位置する敵対国カルト国の領域に近いタリスの街まで後、半日歩いた所まで逃げていた姫は私にあった直前、気を失って倒れた。そこまではわかりますか姫?」
エリーヌは頬を膨らませそっぽを向いた。それを見た上でカーサスは話を続けた。
「その姫を、偶然発見した小屋で寝かせようとしたが先の大嵐で服はびしょ濡れ、おまけに熱がありましたので服を脱がせ寝かせました。こういう経緯です」
カーサスは右手の一指し指を立て言った。エリーヌは外の景色を見ながらも素直に謝れない自分に苛立ちを覚えていた。
「服、服はどこにあるのよ?」
エリーヌは、そう言うと自分からカーサスの目を見て言った。
「服なら、お外に洗って干してありますよ。まだ乾いてないですが。それにしても、まだ少し顔色が赤い様なので薬草を取ってきますね。それまで果物でも食べて待っていてください」
そう言って、小屋の扉の方へ進み扉に手をかけた。
「違うの・・」
エリーヌは、そう言おうとしたが既にカーサスは扉を閉め出て行ってしまった。