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カルド兵
「どうやらカルド兵ではなさそうだね。僕の名前はクリフだ。今、このタリスの街はカルド兵が占領している。君も逃げ遅れたのなら早く逃げた方がいい。街は壊滅的だ」
しかしエリーヌは一歩前へと出るとクリフの傷に薬草を塗り始めた。
この薬草は前持って自分で持っていた傷薬である。傷に薬草を塗りこみながらエリーヌは言った。
「私の名前はエリーヌよ。今ね、私の身の安全を心から心配している人が街にいるの。彼の為にも待っていなくちゃ」
エリーヌの目は街の門の奥深くを見ていた。
「しかし、ここは危険だよ。隠れる場所なら僕に任せて。良い場所を知っているよ。一緒に行こう」
「でも…」
エリーヌは躊躇う。
「早くしないとカルド兵に見つかる可能性が高い。早く行こうエリーヌ」
クリフは、まだ会って間もないエリーヌの手をとり門へと潜った。
「なぜ、そっちなの? 見つからない場所なら反対の方角じゃない?」
「こっちで大丈夫だよ」
エリーヌは自分の右手を走りながら掴んで離さない青年クリフの手を見ながら不思議な感じを抱いていた。




