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知らない女の子に侮辱してくれと頼まれたから仕方なく侮辱したら逆ギレされた。

作者: 白の子犬

実話です。

 俺は良く女の子に罵声を掛けられているが為、その辺どう接すればいいとか、どう反応すればいいとかの適応能力、そして応用能力も優れてはいると自分でも過大評価をするが。


「私を侮辱してっ!」

「えっ?」


 こういうシチュエーションは初めてだった。


「だから私をもっと馬鹿にしてっ! 恥ずかしめてっ!」


 ごく普遍に起きた朝、高校二年の青春びよりを贈る為に学校の支度を即座に終え、随分と遅刻しそうになっていたので朝食を珍しくすっぽ抜かして登校したある日だった。あんまり遅刻をしない自分に驚愕しならがも凹んでいた所、見事に一本の電車を見逃し、そしてやっとの思いで学校に着いて学校の時計に目を移せば一時限目の授業はもうすでに終わりを告げようとしていた。

 不幸な日だなぁ~と心に訴えながらも俺はどうせならと二時限目から入ろう決め、適当に誰にも見つからない様に自分のその細い両足で退屈しのぎに学校を徘徊する事にした。


「あっそういえば課題やり忘れた」


 学校の保健室を通り過ぎたその丁度の時に俺は自分が課題をし忘れた事に気づき焦りに焦っていたが、たいして担任は怖くないからただ注意されて終わるのは存知てはいた、問題はクラスメートの俺の名声の方に問題があるのだ。俺は教室では白とも黒とも臭わない立ち位置である、言わば自分は誰でも理解している事をただただ述べているだけのゲームのNPUみたいな存在。誰もそいつの事は気にならないし、気にも留めない。

 しかし勉強だけは出来る奴、そして遅刻はしないし欠席も無い、まぁまぁクラス内での分類は優等生、というレッテルが貼られている俺がとても目立つような事をすればまたしても過去みたいにいじめられるかもしれない。


「どうしよう」


 そのような恐怖が俺を犯そうとしたその時、一階の階段を無事上がりきって二階の階段へと昇ろうとしていた踊り場で一人の少女と肩がぶつかってしまう。


「あっすいません」

「あんっ!」


 俺は彼女の顔などは確認せずにすぐに頭だけを津々と下げてすぐにその場を去ろうとしたが、彼女のその発した声がどうしても気になってしまっていた。何故にそんな犯されている二次のキャラクターの様な声を発したのか。けしからん、だがもっと聞きたい。


「あんっ! だと? そこは'’あ'’はつけるなっ! んっ! のが丁度いいエロさなんだよっ!」

「へ?」


 俺はどうかしてしまったらしい、遅刻をした事がなかったからか、そのせいで敗北感に浸かっていたのか、理由は定かではない。しかし、俺は心の中で思っていた事をつい口にしてしまったのだ。

 そう言い放った俺の事を彼女は虚ろな目で見てくる、そこで初めて俺は彼女と眼が合った。長髪の黒髪ロング、どちらかと言えばタヌキ顔で目はとても大きい、何よりもいい匂いが俺の嗅覚を刺激していてとても発情してしまう。


「もっと…もっと…」

「はい?」


 下を俯きながら彼女は何かを言っていたがそれが何を言っているのかが理解できなかったから俺は再び彼女の発言を悔やむ様にして欲しがった。


―そして。


「私を侮辱してっ!」

「えっ?」


 こういうシチュエーションは初めてだった。


「だから私をもっと馬鹿にしてっ! 恥ずかしめてっ!」


 何が起きていたのか、彼女はどうしてそんな事言ったのか。そしてなぜそのような判断をしたのか…俺にはとても分からない。変な発言をしている身ではあるが、彼女は言い終わってもなおそのきらきらに光る双眼を俺に向けていた、初の告白の手紙を相手に送り、返答を待つか弱い男子の様に、いや女子か、まぁともかく俺の返しを欲しがっているのは間違いなかった、だから俺は―。


「俺に気やすく喋りかけてくるなこのメス豚がっ!」


 どっかで聞いたセリフを使って反応を見ようとした、もちろんしらけるのは覚悟の上だったがこういう奴なら喜ぶに違いない。


「はぁ?」


 あれ?


「オリジナルティのくそもねぇのかよっ! がっかりだわ」


 へ? 


「え? でも今、侮辱してぇとか言ってましたが…」

「だからがっかりしてんだろカスが」


 どうやら彼女の逆鱗に触れてしまったらしい。


「こっちは久々な変なツッコミをされたからもしかしてと…こいつならオリジナルティのある奴なのかもしれないと思ってお前にチャンスを与えてみればその返し? 馬鹿なの? 死ぬの?」

「あなたの発言もオリジナルティのくそも無いと―」

「うるせぇよ三下! お前のそのキノコヘアーがさっきから気になって気になって仕方ないんだが! どうしてくれるんだ! このオス豚っ!」

「あんっ!」


「あんっ! だと? そこは'’あ'’はつけるなっ! んっ! のが丁度いいエロさなんだよっ!」

「あれ? それまるっきり俺の―」

「だまれ低能」


 だめだ、今日は不幸な事が相次いでしまっている、だが別に女の子に罰せられたからと言って向きにはならない、俺は結構そういうのには慣れている口だ。しかしそろそろここら辺で気流を変えなければ、俺のMとしてのプライドを傷つけられてしまいかねん。


「俺はな、MかSかがはっきりしない奴は大っ嫌いなんだよ」

「で?」

「え? えぇーだからお前の事が大嫌い、その証拠として一つ言うと…そうだな、お前とエッチする機会が訪れたら俺はすぐさまそれを断って汚いおっさんのチンぽをなめる方が断然良いと思っているっ!」

「んっ! あ、案外悪くないわね」


 しっかりと、'’あんっ!'’を'’んっ!'’に訂正して来たのは正直言って可愛いな。


「だけど、この状況から打破するのはとても簡単だわ」


 打破ってなんだよ、打破って。お前は何と戦っているんだ。もうさすがに飽きてきた。いつまで続くかわからないこの少女の茶番に俺はまだ少し付き合う事にするが、それ以前に男子高校生と女子高校生が一時限目をさぼって学校の踊り場で互いに罵声を浴びせ合っているのは何とも言えない光景ではあるな。


「ほーん、どうやってお前はこの状況を打破する気だぁ? この小娘が」

「ふふん、たった一言で貴様は私に這いつくばるであろうっ!」

「なら言ってみるがいい、その一声をっ!」


「私とセックスをしろぉ!」


「…いや、それは引く、普通に引くから。白けちゃったじゃん! だめだよ!」

「だって君が私とエッチするくらいならどっかの知らない加齢臭のおじさんの性器を口に含んでそのまま、口の中で受け止め―」

「それ以上言わなくていいんだよっ!? ごめんね! なんか俺が悪かったよ!」

「悪口はさすがに傷ついた…私だって乙女だし」

「…どこの星の乙女だ、ここは地球だぞこの宇宙人め…まぁでもこっちもキノコヘアーを罵られてはさすがに傷つくからな、お互い様って事でここらへんでやめにしないか?」

「私とのエッチは?」

「まだ続いていたのかその話題」

「だって君が童貞って事はすでに把握しているから、この一言でこの条件をすぐに受け入れてくれると持っていたんだけど…それで君は自分の負けを認め這いつくばるっていう展開を期待したんだが…こりぁ残念」


 一瞬にして、その場に沈黙が押し寄せる。


「あのさぁ、君のそういう乗りの良さ的なのすごく好きではあるんだけど…なぜ」

「なぜって?」

「なぜ…ってなぜなんだけど」

「まぁ、私寿命があと半カ月なの」

「えっ?」


 正直、そういう展開は望んではいなかった。単純に俺はその場に気まずさを呼び押せてしまっただけだった。


「まぁ嘘だけど」


「嘘なのかっ!」


 嘘なのかっ!

 

 あ、心の声と発言が被ってしまった。



「うそっちゃうそ、でも私ここから引っ越すから皆からしたら死んだも同然なんじゃない?」

「なんだその理屈」

「だから、思った事、感じた事を直に言えるのはその補正みたいな感じ、どうせ引っ越すんだしその前に誰に当たろうが誰に罵声を浴びせようがどうでもいいって事…どうせその人も数年の内に私が存在していたという事すら忘れてしまうから」

「そうか…なら話題に戻るんだけど、お前どうせ引っ越すんだろ? もう二度と会えないと思うし言っとくけど、俺、お前めちゃくちゃタイプだわ。セックスしようって何の前触れも無く言われていたらどっかの飴を差し出されておじさんについて行っちゃう子供の様にお前の足元に縋りつきながらやらせてくださいっ! お願いしますぅ! とか言っていたかもしれんな…なんなら今やらね?」


「今呆気なくなんか最後につぶやいてたよな」

「ん? 何も言ってないけど…やりてぇーな、服の上から見たらちっぱいかもしれんが案外デカパイもワンチャンあるぞこれ」

「おい、本音が口から漏れてるぞ」


 そう言って俺は空気の調和を目指していた。緊迫した雰囲気にはどうしてもしちゃいけないと本能がさっきから俺の奥で喚いている。


「後、さっき俺の事童貞とか言ってたけど…俺童貞じゃないんだなぁこれが」

「見苦しい…見苦しいぞキノコヘアー」

「なんでだよっ! 事実だから」

「あっそうかケツの穴の方がか、それなら納得いくな」

「ちげぇーし!」

「えっ? じゃどこの穴なの?」

「穴じゃねぇーよっ! もう穴はほっとけ!」

「そういやどっかで読んだBL本に男は穴が五つあると言っていたな…あれは誠だったのかぁ」

「いやありえねぇから! そんな穴あってどうするの! 穴は一つで十分だわ!」

「どうするったって一つしかないでしょ、男同士での乱交で一気に五人がかりで―」

「少し黙れ、想像したら気持ち悪くなったわ。というかお前が童貞なのはこれで分かった」

「童貞じゃない童貞卒業の道程の途中だ」


「誰もうまい事言えとは言ってないっ!」

「はーい」

「というかせめて俺の童貞脱の道のりとかそういうの聞きたくないの?」

「えぇー嘘を聞かされても」

「嘘じゃないって言ってるだろうが」

「じゃぁどうやって童貞卒業したんですかー?」

「ふん、それでよし。あれは嵐が強い夜の事だったな。俺は少し興奮気味だったのだ、そう、俺は牛久保真名様で童貞を卒業した」

「ちょっと待って、その人って有名な声優さんじゃなかったっけ?」

「ふんそのまさかだ、まさかウッシーちゃんとたったの2355円(税込み)でやれるとはな」


「ただの声優のオナホじゃねぇか!」

「違うっ! 俺もそうと思っていた時期があるんだ! しかし童貞を卒業したその次の日も使おうとそのオナホをきれい洗っていた時の事だっ! 急に声が聞こえ始めたんだ! ゴシゴシするたびに'’あんっ!'’って声が!」

「病院いけよ」

「たしかにオナホだと思っていたんだがそれが実は牛久保真名の本体だったとは、あれはオナホではなく本当の本人のお〇んこだったのだ!」

「いや、ガチで病院いけよ」

「うるさいなぁ、夢ぐらい見させろよ」

「…そこで諦めんなよ」


 そこで一時限目の終了を意味する生徒達の騒々しさが学校中に渡ると、その俺と彼女は何も言えず、ただ単に見つめ合っていた。こんなにも気が合う異性とは会ったことがなかった。その事実に内心はどうどう彼女に惹かれつつ、俺はどうしてもこの会話を辞めさせたくはないと何とか話題を持ち上げようとして踏ん張っていた。ここで解散すれば彼女とはもう会えない、そんな予感が体中を走り回る。


「もう、私行かないと」

「…おう」

「なんか楽しかった」

「俺も…楽し―いや違うな、懐かしかったというべきか」

「ん?」

「異性っていうことを忘れて、周りの責任感さえも忘れて、考える事も忘れて、意識して自分を飾る事も忘れて、こうして誰かと会話したのはいつぶりなんだろうなって。きっと子供以来なんだろう、こんな会話、こんなふれあい、自分が思った事をただ言うだけの関係みたいなの」

「ポエムは間に合ってます」

「冗談じゃねーよ、なんか知らんけど泣きそうだわ」

「ふふ、私もなんか君と同じ事考えてて寒気がした」

「なんで寒気なんだよそこは単純にうれしいだろ普通」

「うん、脳内ではうれしいって打ったつもりなんだけど寒気って勝手に脳内変換された」

「さりげない侮辱…たまらん」


「キノコヘアーなのに面白い人だね」

「キノコヘアーって言いたいだけだろさっきから」

「ふふ、じゃあ、そろそろ行かなきゃ」

「…うん」

「…それじゃ」

「…おう」

「バイバイ、キノコヘアー」


 そう言って、彼女は自分の目の前を通り過ぎ、階段を下ってしまう。何もしてやれなかった。楽しそうにふざけて冗談は吐いていたものの、彼女の瞳の奥からは悲しみを感じられた。やっぱり引っ越す事に躊躇していたかの様な。

 振り向いてみれば彼女の姿は…彼女の人影さえもそこには綺麗にまるで何もいなかったかの様に消えていた。これで僕も普通の生活に後戻り。つまらない日常が待っているっとそう思いながら階段を駆け上がろうとしたその時だった。


「まって!」


 息の切れた声を俺に掛けたのは、どうやら走りながら戻ってきた彼女だった。


「ここから逃げようっ!」


 少し呼吸を整えていた彼女が何の前触れも無く突如にそんな発言をした。


「どこの映画の展開だ」

「私達の会話はまだこれからだっ!」

「どこの打ち切り漫画だ」

「吾輩はまだ君と喋りたい猫である!」

「どの世界線の夏目漱石だよっ!」


「ていうのは冗談で…君の名前が聞きたいだけ」

「俺の? お前、さっきどうせ私は忘れられるだろうからとか言ってたけど」

「少しの頭の回る奴なら察する場面だろこのキノコヘアー」

「あぁ、俺には忘れられたくないって事か」

「う、うん。あと携帯番号…できれば」


「可笑しい! 可笑しいぞ! お前が可愛く見えるっ! 可愛く見えて仕方がないんだがっ! だが断るっ! バァーンッ!」

「どこのジョ〇ョだっ! あと効果音恥ずかしいぞ岸辺〇伴っ!」

「あっえっと竹内直哉です、あと電話番号は…紙に書いときますね」

「あっさりと言いやがった! そこにしびれるぅ、あこがっ―」

「お前の名はなんだ! 小娘!」

「河合優菜…」

「かわいいを言うなだと!? どこのダジャレだ!」

「いや、本当なんだけど」

「あ、ガチだったのね」

「うん」

「…うん」

「なんか、ふざけてて良く考えなかったけど、これって恥ずかしいよな」

「うん、言えてます」

「あと、これはお前の告白ってことでおーけー?」

「なにそれきもい」

「えっ?」

「ただ友達になりたいだけなんだけど」


 その発言で俺の胸に釘が刺されたかのような劈く痛みがし始める。俺は勘違いをしてしまったようだ。まぁ冷静に判断すれば当たり前だ、こんなきもいキノコヘアーに誰かが告白してくるとはとても思えない。今日は相変わらず不幸続きの一日だ。


「じょ冗談ってだよ! やだな~」

「てだよ? 何それ、だってばよみたいな感じで可愛い」

「お、おう」

「ていうか、君と面識今までになかったし、今日が初めて会ったからその…と、友達からでしょ?」

「から? いま''から'’っつった!?」

「…ん」

「ワンチャンあんのか? 俺にモテ期来たのかこれっ!」

「う、うるさいなぁ発情期のゴリラですかてめぇ」

「銀〇きたこれ」

「で、友達からって言いましたけど…」

「お前、引っ越すんだよな」

「あ、それもあるけど」

「'’それも'’? っていうかどこの県に?」

「県? いやそんなに遠くには引っ越さないよ、なんか勘違いしてるよね。私転校するだけなんだよね…まだ県内にはいるから…はははぁ」

「え? でも引っ越すって」

「引っ越しもするよ、ただ県内での引っ越し、それでこの高校に来るのは難しくなるから転校ってだけ」

「あぁ、そうなんだ…なんかお前悲しそうにしてたからなんか心配したけど損したか」

「へぇ、そういうのわかっちゃう? それなんだけど…私許婚で相手はすでに了承済み、18になったら結婚しなきゃいけないって言われててその相手の金持ちのオス豚と勝手に話を決められてて」

「どこの令嬢だよ」

「だから駆け落ちしよ?」

「え?」

「え?」

「ごめん一言いい忘れたから言い直すね」

「お、おう」


「セックスさせてあげるから駆け落ちしよ?」

「おーけー、なんなら今からどうよ?」


 俺はこの時の彼女の笑顔を今でも忘れてはいない。まさか、この後彼女の許婚の男に喧嘩を売ってボコボコにされるのはまた別のお話し。


 俺たちの物語はまだこれからだっ!






スミマセン実話じゃないです、嘘です。ぜひ作者である僕を罵ってください。お願します。感想での罵声…お待ちしております(/ω\)

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