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肉団子は野菜を刻んだり油で揚げたりソースを作ったりと色々手間がかかっていて、ダラダラ話しながらつくっていたらいつの間にか一時間近く経っていた。
でもようやく完成したミートボールはそのぶんとてもおいしそうだった。
「ちょっと遅くなっちまったな。タッパー貸してやるから持って帰れば?」
外はもう暗い。布施の家は私の家から少し遠くて、電車で二駅だ。
「お、ありがと。でも何個か今食べようよ」
「それもそーだな」
「ほい」と渡されたつまようじを使い、キッチンで立ったままミートボールを口に運ぶ。
大きなミートボールを一口で食べた瞬間、私の頭は真っ白になった。
そして突如、あの時の言葉が蘇ってきた。
「恋人が、つくってくれたんだ」
なぜだかすぐにはわからなかった。
出来立てのそれは熱々で、はっきりと味はわからなかったからかもしれない。でも、やっぱり、こんなおいしいミートボールを、私は他に知らなかった。
それは、深い深い愛の味がした。




