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美しきかな、世界  作者: サクラダファミリア
第一章 無世界
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千葉編 その4 罰してください。

分かりづらいので説明。

環他:これでかんたってよみます。スミマセン分かりづらくて。


 しばらくして成瀬兄ちゃんがやってきた。

 成瀬兄ちゃんは僕を見てすぐに状況を察したみたいだ。僕はただ誰かに当たりたかった。正しい当たりかたを知らない僕は近くにあったティッシュを成瀬兄ちゃん目掛けて投げた。うまくまっすぐ飛ばなかったティッシュは軽くキャッチされてしまった。


「兄ちゃんも知ってたんでしょ。僕が殺人犯の子供だということを。何で言ってくれなかったの? 僕は今まで父はいつか戻ってくると信じていたよ。こんなこともっと速く知っていればこんなに悲しい思いしなかったのに・・・・・・・。夜に父を思って泣いたりなんかしなかったのに・・・・・・・。変な希望なんて持たなかったのに・・・・・・・・。」

 

 最後の力を振り絞ってパソコンのマウスを投げる。でもそれは成瀬兄ちゃんよりも遠くに飛んでいき、壁にぶつかった。がしゃんと音が響く。きっと壊れた。同時に成瀬兄ちゃんの膝に飛びつく。僕はそこで目から涙がなくなるまで叫んだ。成瀬兄ちゃんはごめんねしか言わずに頭をなでる。

 僕の叫びと成瀬兄ちゃんのごめんねが頭の中で空回りする。

 

 僕を、家族を殺したのは全部父なんだ。父は・・・・・・・許せない。


 成瀬兄ちゃんは、さっき僕がぶちまけたファイルに入っていたプリントを手に取った。



「これはね、全てあなたの母の祖父母が書いたものなんだよ。ほら、普通の人よりもプリントの枚数が多いでしょ。祖父母がね、この事件のことをもし環他が知ったら見せてほしいって言ってたらしいの」


 祖父母か。唯一の家族だったけれどもそれでも小4の頃に祖父が死んで、続いてすぐに祖母も亡くなった。だからあまり記憶にも残っていない。

 僕はプリントを1枚手に取った。


環他へ

 今この手紙を読んでいるということはすでにあの事件についてを知ってしまったということですね。

 あの事件は出来れば環他だけには大きくなっても一生秘密にしたかったです。私はあの事件の後、養護施設に環他を入れるのを躊躇いました。環他には家族というものについて知ってもらいたかったから。私達でもよければ普通の家庭と同じように育てるつもりでした。

 でも、あなたは知らないと思うけれどももう私達は老後施設に入っており2人ともいつ他界するかわからない状況です。ごめんなさい。あなたの安全と、これ以上の不安を招かないようにやむ終えなく1番信用できそうなこの養護施設に送らせてもらいました。

 いま、私達があなたに言えることはよく今まで一人で頑張ったという事だけです。

 それと、すずるを見つけて罰してください。



 読み終えた手紙はもう2度と読めないくらい濡れてしまった。僕は再び成瀬にいちゃんの膝にすすり泣いた。



千葉編は、一旦終わり、次は大阪編になります

是非、大阪編も読んでみてください♪

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